過去に入院した回数は2回。一度目は中学性の時に虫垂炎で、2度目は友人がいたずら半分に投げた陸上競技用の槍が頭にヒットした時。頭の怪我の時には生死の境だったと後で聞いたが、当の本人はケロっとしていて、そのようなことは思いもしなかった。私の隣の病室の方が一晩中苦しんで、とうとう明け方に亡くなったのだと、母親から聞いた。その方が身代わりになったのかも知れないと思った。どうもガンだったらしい。それから、輸血の際に長いことO型だと思い込んでいた自分の血液型がB型であることを知ったのは少々驚いた。それ以来入院は無縁である。
「明るい個室」で「かわいい看護婦」「美味しい病院食は上げ膳据え膳」「読書三昧の毎日」こういう光景を思い浮かべては憧憬していた。
突然にそういう現実が目の前に現れて少し戸惑った。しかし、腕に無遠慮に突き刺さった点滴チューブさえなければ、それなりに快適な療養生活といえる。一つの誤算は味覚障害によって病院食の味がさっぱりわからないこと。大体腎臓の病気なので所謂美味しいものはNGなのだから仕方がない。少しずつ症状は良くなっているようで、何となく雰囲気でわかる。
「明るい個室」で「かわいい看護婦」「美味しい病院食は上げ膳据え膳」「読書三昧の毎日」こういう光景を思い浮かべては憧憬していた。
突然にそういう現実が目の前に現れて少し戸惑った。しかし、腕に無遠慮に突き刺さった点滴チューブさえなければ、それなりに快適な療養生活といえる。一つの誤算は味覚障害によって病院食の味がさっぱりわからないこと。大体腎臓の病気なので所謂美味しいものはNGなのだから仕方がない。少しずつ症状は良くなっているようで、何となく雰囲気でわかる。