晴明

気温が30度近くに上昇するわ、湿度が80％近くのままでは、息苦しくて仕方がない。しかし、日韓関係はもっと酷くて、息が切れて修復不能の状況である。元徴用工問題で期限までに回答が無かったため、河野太郎外相が韓国の南官杓駐日大使を招いて会談したものの、同大使の説明を遮り、「極めて無礼」と不満を表明した。双方とも解決策を模索する姿勢は窺えず、このままでは政府間交渉は途絶える。世論の過熱化に引きずられ、置いておく意味の無くなった双方の大使は本国引き上げの結末を迎えるかもしれない。資産の取り扱いは未定でも実質的な断交である。民間は直ちに倣うことが難しく、交流協会のような場を設けて細々と交易を続けていくしかない。渡航も事件が頻発するようだと海外安全情報のランクが下がっていくかもしれない。竹島の領有権をめぐる紛争が激化することに備えなければならない。恐らく英雄的スタンドプレーが繰り返され、実力行使の挙動が頻発することが憂慮される。出口なき外交の決着が不幸な手段に委ねられることのないよう祈りたい。窓辺の葉ボタンの茎１本がぺったりと、けさ倒れていたのも何か不吉な暗示を感じてしまう。
こうした重苦しい空気を吹き払ってもらうため、卓球マレーシア・オープンでは頑張ってほしいのに期待の張本智和はきのう、香港の黄鎮廷に初戦敗退。今日はエース水谷隼が台湾の新鋭林昀儒に完敗した。東京五輪で地の利を生かせるのか、ウィンブルドン化しないか心配になってきた。土俵は相変わらずモンゴル勢の天下だし、梅雨空に鬱陶しく悩むだけでなく、台風と豪雨と地震が同時に襲ってきそうな不安を感じる。空海さんか陰陽師安倍晴明に再来してもらって、悪鬼を払ってくれないかなあ。

行き詰まり　払ふは安倍でも　晴明か
祈りより外　頼るものなし

露けし

『サイン―法医学者　柚木貴志の事件』の放送が今夜あるので、第２回目を録画するかどうか決めるため、梅雨空で鬱陶しいけれど、初回のビデオを観た。刑事役の松雪泰子の眉の動きの演技にグサッと惹き込まれた。政界の動きも絡み、どろどろの展開に楽しみを持たせた。１回１話でなく、この調子でいけるか先が心配だけれども、とにかく録画セットした。話のスケールが広がっても興味がわき続けるなら、ドクターＸの新シリーズを待つ必要がなくなった。ただし、リアリティーのない政界黒幕なんかが出てきたら、すぐ止める。
陰気な天気が続く。気温より湿度にやられる。もう、４、５日も前、テレビのお天気情報で湿度１００％なんて書いてあったけれど、そんなことが起きるのか？。１００％なら空気が全部水分になった時かと誤解していたけれど、そうでもないらしい。不快に思っているのは自分だけでなく、世界中イラついている。トランプ米大統領も有色人種も、イランもイスラエルもイギリスも、中国も韓国も、みんな吠えまくっている。あだ名がお公家さんと言われた私と違って、どいつもこいつもホエザルのように歯を剥いている。世間に知性も品性も感じなくなってきた。みんな馬鹿々々しくなって日経平均は４２２円安。明日は週末不安で１０００円以上下落し、平均株価２万円割れを予想する。お国の皮を被ったかんぽ保険がオレオレ詐欺みたいなことをやっているんやもの。ＩＴ技術の初歩も持たない銀行やコンビニが背伸びして、極道にすぐ裏をかかれるなんて、社会が薄っぺらになってきた。こんな企業の体を為していない商売人が、非正規労働者を奴隷扱して稼いだ金を、有効な使い途も分からず内部留保しているのだから、景気が萎むのは当たり前である。経営者に使い途が分からないなら、消費税を１０％でなく、４００－５００兆円と言われる企業内部留保に１０％の税金を課して、社会に還元した方が、厚生経済的には余程マシである。しかし実際は、税金で巻き上げても、役所と政治家と有力財閥に大半が吸い取られて、波及効果が微々たるものなので、妙案というわけでもない。要は信用政治、信用行政、信用経営が行き渡るかどうかの問題であって、現状は極めて厳しい。

天覆ふ　雲の棚引き　露けしく
いがみ合ひつつ　嵐呼ぶなり

なのか

そもそも参議院が要るのかという核心をスルーしながら参院選直前になると慌てて投票をスルーしてはならないと公式論を並び立てる輩が居るけれど、いくら候補者の人品や政見を閲しても投票場に行く気にならせない現実的な視点から、投票率が50％に満たない選挙区は無効とし全員落選、また50％を超えていても候補者の得票数が総投票数を立候補者数で除した数値より低い者は落選とするよう、選挙法を改正すべきだと、昔から唱えてきた。投票率が低いのは有権者の怠慢という愚論を排し、立候補者の訴求力の無さに責任を負わすべきである。今回は「ＮＨＫから国民を守る党」という目標を料金問題一本に据えたユニークな団体に目が惹かれたけれど、結果的には現状不満層の捌け口として野党票を喰い、政権に寄り添った国営報道のＮＨＫともども、与党を利する役割を果たすだろうと予測する。やっぱり棄権かとうな垂れていたところ、イカ物かと思っていた山本太郎と「れいわ新選組」の新聞綱領が目に飛び込み、心に決めてしまった。「公務員増」を謳うから何をバカなとよく見ると、「原発作業員、介護・保育士の公務員化」を進めよというのだから、すぐ納得した。経団連所属の正規労働者を指標に安穏と毎年昇給を得ながら、清掃、介護などのキツい仕事は外注任せでは世の中通らない。北朝鮮からいつ核ミサイルが飛来するか分からない国際情勢の中で「原発即時禁止」は極めて真っ当ではないか。「最低賃金1500円」が耐えられない企業なら先進国企業の資格なしなのでさっさと店を畳めばよい。大企業優遇の「租税特別措置廃止」により消費税が廃止できるなら断行すればよい。国営放送と読売、産経どころか、あらゆる報道機関が10月の消費税10％への増税に目を瞑り、今後10年間は10％に据え置いてくださる首相発言に有り難たやありがたやと擦り寄っていく大政翼賛報道には、新聞特別軽減税率のうま味が匂ってくる。鼻をつまみながら、投票券が待ち遠しくなってきた。
巨大ＩＴ企業による個人情報乱用取り締まりに公正取引委員会が遅ればせながら乗り出したとの記事を横目に、ガーファ（Google、Amazon、Facebook、Apple）もファーウェイ（華為技術）も五十歩百歩だろうと、シムフリースマホ Huawei P30 lite をアマゾンで買った。２年前に買った Asus の動作が緩慢になって来たので怖いもの見たさに乗り換えた。以前はレノボとか中国製を、情報吸い取りを嫌って敬遠していたけれど、毒を食らわば皿まで。きのう届いたのでシムカードを差し替えようとして、あれッ！カードカバーの穴に合わなかった。小さいナノ・シム用なのに取り出したのはマイクロ・シムだった。通信業者にナノ判に交換してもらいたいけれど、恐らく同じ電話番号は使えないだろうなあ。暫くは飾って置くしか手はない。
７月は大概、子供時分からロクなことが無かった。反吐を吐くほど練習をしても野球夏の大会は中高ともほぼ１回戦敗退やった。大船渡の佐々木ほどスピードが無かったもんな。でも、また吉岡里帆の母校、嵯峨野高校はきのうの京都地区予選３回戦で大勝している。卓球も広島カープも朝乃山も失速しているし、楽しみは嵯峨野高校の甲子園出場と吉岡里帆の始球式登板やな。絶対に応援に行くで。

里帆ちゃんの　甲子園始球　式を待つ
シムが合はずに　悲しむべくも

帛紗さばき

先週末に２日続きでピンポンに打ち込んだ後、日曜、海の日祝日の２連休に早朝出勤したら、身も心も明治の画風のように朦朧体になってしもうた。お中元の礼状を書かんといかんのにやる気がしない。姉婿が筆まめ過ぎて、すぐ達筆の手書きで寄越すものだから困る。姉夫妻はともに趣味の絵画をやっているから、一筆さらっと書くのに躊躇がない。去年、母の十七回忌で会った時に２人の画集を見せてもらったら、水彩の風景画にしろ、油絵風にしろ、玄人はだしだった。いつものようにいつもの物を戴いた礼状に何を書くか難しい。去年のファイルを写すのは誠意が感じられない。かと言って同じ物に異なる事も書けない。滅多に会わないから、物に拘らずに近況を報告する手がある。近況が芳しくないと、心配の種を撒くことになり、お手上げである。
同居していた１１歳の男の子に熱湯を掛けた傷害罪で夫婦が逮捕された記事に、どこでも立場と体力の弱い者への苛烈、陰湿ないじめの悲惨が転がっていて気が重くなる。確かに甘くしたり優しくすると増長する不心得者も居るには居るだろうけれど、たまたまの運の良さの強弱をそのまんま横暴に振舞おうとする神経に、心の破綻を感じる。北朝鮮が無慈悲に核攻撃を仕掛けると脅すような不気味さがある。きのう職場の駐車場で、５歳くらいの男の子を、親と思しき男性が胸ぐらを掴みざま、頬を引っ叩いていた。勝手に行くなと言っただろう、と罪状らしきことを喚いていた。なぜ謝らない、なぜ黙っていると、執拗に折檻していた。いきなり赤の他人のおっさんが撲ったら、黙ってはおれずに泣き叫びもするだろうけれど、実の父親に遣られたとしたら、私だったら呆然、言葉も出ないのが当たり前である。ニュースに絶えない各種いじめが、こういう種から時代を継いで拡大再生産されそうな気がしたものの、止めに入ったり宥めることも出来なかった。
日韓関係も泥沼に入っている。日本政府が決着済みとして譲れない元徴用工問題で、韓国の文在寅大統領が、経済問題と関連付け輸出管理強化を打ち出したことは歴史に逆行すると、御大自ら乗り出して真っ向批判し、元徴用工らも賠償に充てるため三菱重工業の資産売却手続きを開始する構えを打ち出した。菅義偉官房長官は、輸出管理上の措置であって「指摘は全く当たらない」と、忌み嫌う望月衣塑子記者に対するようにニベもない対応を示した。日本有力２誌も「韓国はただ愚かな国だ」とする安倍晋三首相のかつての論評を再録し、一方では日中戦争時の近衛声明ばりに「文在寅政権を相手にせず」の姿勢を政府に求めている。すでに嫌韓論は通り越し、制裁待望論から、両国当局者の対応次第でもっと頭に血が上れば征韓論まで飛び出しそうな雲行きに憂慮を覚える。全く時代錯誤である。ここで私は日本政府関係者と識者に対し、日本国憲法の精神を改めて肝に銘じることを切望する。すなわち、『前文』に「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」と謳っている。具体的には本文『第２章第９条』で、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と戦争放棄を表明した。さらに第２項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と交戦権を否認しているのである。征韓論など以ての外であることを、売れれば何でもジャーナルの無責任論者に警告しておきたい。万一戦争になったら、職業軍人の自衛隊が戦ってくれると思うのはお門違いである。彼らは後方指揮を担い、先兵に立つのは徴兵される青年を中心とした一般国民であることを自覚して、選挙、憲法問題に対処すべきである。
私自身は心を平静にするため、勤務中にもハンカチを使って、茶道の帛紗のさばきの練習に余念がなかった。次回のお茶会には主菓子と干菓子の当番を仰せつかっている。この前、振舞われた駅前の菓子だと趣向が足りず、何処にするか迷っているけれど、和菓子屋というのは意外と少なく、割と面倒な役割である。でも、あの妙齢の先達に気に入られる逸品を探し出そうと思う。

をさな子を　いたぶる親の　世に逢はぬ
おのが咎なり　逆恨みすな

ぼっち

トランプ大統領がツイッターなどＳＮＳにご不満だとか。もっと自由に投稿できる場が欲しいようであるけれど、今すぐにツイッターをやめるわけではなさそうである。世間の好き嫌いはあるだろうけれど、トランプさんのツイッターほど世の中を明示的に活性化してくれる媒体はないわけなので、今後も好き放題思いっきり投稿を続けてほしい。
いやはや、せっかく金星を挙げたのにがっかり。国際卓球オーストラリア・オープンで石川佳純が世界ランク１位の陳夢を撃破したのも束の間、準決勝で孫穎莎に負けたのは残念でならない。陳夢はといえば、今や卓球王国の中国でも抜きん出ていたのに、その功を活かしきれなかったとは無念やるかたない。
高校野球京都地区予選２回戦で吉岡里帆の母校の嵯峨野高校が８－０で大勝したのも、予想外の健闘だった。万一、甲子園に出場でき、里帆ちゃんが夏の大会の始球式で投げてくれたらどんなに見惚れるだろうか。卑しいスポーツ新聞がノーバンだったかどうだったかに拘るのは、私の趣味ではないけれど。
対ファーウエイとか制裁はアメリカの専売特許かと思っていたら、中国が台湾への武器売却に対し米企業に制裁を実施する方針だとか。米中は関税でも強硬な態度を取り合っているし、イラン絡みとか、日韓の戦略物資規制強化も加わり、世の中は制裁と関税を主要外交武器にした報復合戦の大はやりである。トランプ大統領は不法移民の一斉摘発に全米主要都市で着手する方針を示しているけれど、いっそのこと、全米国境に誰も何も入出国できない鉄壁を張り巡らせて、鎖国状態で１年ほど様子を窺ってはどうか。それでいい国造りができるなら、勝手に永遠に国境封鎖すればよい。それ以外の国々は新たな国際関係をリストラクチャリングし、何の問題もなく整然とやっていけるだろう。グーグルやマイクロソフト、アマゾン、アップルや米宇宙衛星のお世話にならなければ、新たな国際経済開発によって世の中が活性化するであろう。アメリカ・ファーストと言うのは勝手であるが、世間はアメリカ・オンリーでやってくれることを望んでいる。江戸時代は殿様にややこしいことを言わせないため、幕政からできるだけ遠ざけ、大奥に意識が向くよう仕向けていたようだった。

世を知らぬ　上様宥む　良き知恵は
良きもの喰はせ　押し込む習ひ