天愛元年

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ
新元号『天愛』元年にスタート

帛紗さばき

2019-07-16 16:17:40 | 日記
先週末に2日続きでピンポンに打ち込んだ後、日曜、海の日祝日の2連休に早朝出勤したら、身も心も明治の画風のように朦朧体になってしもうた。お中元の礼状を書かんといかんのにやる気がしない。姉婿が筆まめ過ぎて、すぐ達筆の手書きで寄越すものだから困る。姉夫妻はともに趣味の絵画をやっているから、一筆さらっと書くのに躊躇がない。去年、母の十七回忌で会った時に2人の画集を見せてもらったら、水彩の風景画にしろ、油絵風にしろ、玄人はだしだった。いつものようにいつもの物を戴いた礼状に何を書くか難しい。去年のファイルを写すのは誠意が感じられない。かと言って同じ物に異なる事も書けない。滅多に会わないから、物に拘らずに近況を報告する手がある。近況が芳しくないと、心配の種を撒くことになり、お手上げである。
同居していた11歳の男の子に熱湯を掛けた傷害罪で夫婦が逮捕された記事に、どこでも立場と体力の弱い者への苛烈、陰湿ないじめの悲惨が転がっていて気が重くなる。確かに甘くしたり優しくすると増長する不心得者も居るには居るだろうけれど、たまたまの運の良さの強弱をそのまんま横暴に振舞おうとする神経に、心の破綻を感じる。北朝鮮が無慈悲に核攻撃を仕掛けると脅すような不気味さがある。きのう職場の駐車場で、5歳くらいの男の子を、親と思しき男性が胸ぐらを掴みざま、頬を引っ叩いていた。勝手に行くなと言っただろう、と罪状らしきことを喚いていた。なぜ謝らない、なぜ黙っていると、執拗に折檻していた。いきなり赤の他人のおっさんが撲ったら、黙ってはおれずに泣き叫びもするだろうけれど、実の父親に遣られたとしたら、私だったら呆然、言葉も出ないのが当たり前である。ニュースに絶えない各種いじめが、こういう種から時代を継いで拡大再生産されそうな気がしたものの、止めに入ったり宥めることも出来なかった。
日韓関係も泥沼に入っている。日本政府が決着済みとして譲れない元徴用工問題で、韓国の文在寅大統領が、経済問題と関連付け輸出管理強化を打ち出したことは歴史に逆行すると、御大自ら乗り出して真っ向批判し、元徴用工らも賠償に充てるため三菱重工業の資産売却手続きを開始する構えを打ち出した。菅義偉官房長官は、輸出管理上の措置であって「指摘は全く当たらない」と、忌み嫌う望月衣塑子記者に対するようにニベもない対応を示した。日本有力2誌も「韓国はただ愚かな国だ」とする安倍晋三首相のかつての論評を再録し、一方では日中戦争時の近衛声明ばりに「文在寅政権を相手にせず」の姿勢を政府に求めている。すでに嫌韓論は通り越し、制裁待望論から、両国当局者の対応次第でもっと頭に血が上れば征韓論まで飛び出しそうな雲行きに憂慮を覚える。全く時代錯誤である。ここで私は日本政府関係者と識者に対し、日本国憲法の精神を改めて肝に銘じることを切望する。すなわち、『前文』に「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」と謳っている。具体的には本文『第2章第9条』で、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と戦争放棄を表明した。さらに第2項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と交戦権を否認しているのである。征韓論など以ての外であることを、売れれば何でもジャーナルの無責任論者に警告しておきたい。万一戦争になったら、職業軍人の自衛隊が戦ってくれると思うのはお門違いである。彼らは後方指揮を担い、先兵に立つのは徴兵される青年を中心とした一般国民であることを自覚して、選挙、憲法問題に対処すべきである。
私自身は心を平静にするため、勤務中にもハンカチを使って、茶道の帛紗のさばきの練習に余念がなかった。次回のお茶会には主菓子と干菓子の当番を仰せつかっている。この前、振舞われた駅前の菓子だと趣向が足りず、何処にするか迷っているけれど、和菓子屋というのは意外と少なく、割と面倒な役割である。でも、あの妙齢の先達に気に入られる逸品を探し出そうと思う。

をさな子を いたぶる親の 世に逢はぬ
おのが咎なり 逆恨みすな



最新の画像もっと見る

コメントを投稿