郷土食研究会 うまかっぺ!茨城 

茨城の郷土食に関するあれこれ。また、そこから、「食」だけではない、た~~~くさんの、よもやま話などなど・・・

柿もち

2021-01-28 21:09:07 | グルメ

「かきもち」というと、鏡餅など、乾燥した餅を割って揚げた、いわゆる「揚げ餅」を想像しますが、こちらは、同じ「かき」でも「柿」です。


「聞き書 茨城の食事 日本の食生活全集⑧」(発行:社団法人農山漁村文化協会)によると、

「『みょうたん種』の柿でつくるとよい」
とのこと。

みょうたん種の柿とは渋柿の一種のようです。

一般に渋を抜いた柿の方が、甘みは濃厚と聞きます

つづいて同書では

「霜がおりて木からもぎ、囲っておく。正月近くになるとべとべとしてくるので、片口などにいれてつぶす」

とあります。

秋の果物の代表の柿を使いますが、熟して柔らかくなった柿を使うので、正月明けの食べ物の位置づけのようです


つぶした柿に「麦こがし」を「固まるくらい」たくさん入れて食べるとのこと。

そして

「つくってすぐ食べるより、一晩くらいねかせておいた方が、味が麦粉にしみておいしい」

とのこと♪

「麦こがし」は大麦を炒って粉にしたもので、「はったい粉」「こうせん(香煎)」「麦こうせん」とも呼ばれているものです。

 

つまり「柿もち」の作り方はとても簡単

① 柔らかくなった柿の実をかき出して、さらにペースト状にする。

② そこに、お団子が出来るくらい硬めになるまで、麦こがしを加えて練る。

③ そして、そのまま食べても良し。1日ほど寝かして食べても良し。

簡単なのが嬉しい!

早速作ってみました


今回は、正月前に柔らかく熟した柿の実をペースト状にして冷凍保存したものを使いました。

また私の好みなんですが、ペースト状にした柿の実に、生姜(秋だったので新生姜)を刻んだものと、ふくれみかんの皮を刻んだものを少し加え、一度火を通して香りと風味をしみ込ませたものを使いました。

甘味は柿の持つ自然の甘さだけ。
それに、麦こがしの香ばしさが加わって、高級和菓子に匹敵する美味しさ
しかも、とても簡単に作れる

秋に柿を食べるのが更に楽しみになってきました
柿は少し置いておいて、あえて柔らかくさせて、この「柿もち」を作るのも良いですね。

秋に収穫した柿がまだギリギリ食べられる1月。
手に入らなかったら、今度の秋のお楽しみで。

簡単に作れて美味しいこの茨城の郷土食、是非ご家庭で楽しまれて下さい

 

(市川)

 

 



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
是非に! (江田麻裕子)
2021-01-28 23:47:05
毎年、柿が熟れすぎてしまった時に、どうしたらよいか困っていました。ジャムにしようとしても柿はタンニンが強く苦みが強く出てしまうため、泣く泣く・・でしたが、さすが、先人の知恵、そして郷土食と♪自然な甘さ、と香ばしさと・・なんですね。
来年の柿の季節が今から楽しみです(^^)/ご紹介有難うございます。
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