郷土食研究会 うまかっぺ!茨城 

茨城の郷土食に関するあれこれ。また、そこから、「食」だけではない、た~~~くさんの、よもやま話などなど・・・

未来の郷土食とは? 地元食材の創作キャンプ飯から

2023-04-09 13:52:19 | グルメ

前回に続き、行方市で行われている地元食材を使ったレシピコンテスト第8回(2022年)テーマ「キャンプ料理」の話題から。

『郷土食とは何か?』
『後世に残る郷土食』
『未来の郷土食』


を考えてみたいと思い、応募して入選しなかった私のレシピを、コンテスト主催のなめがたブランド戦略会議さんのご許可を頂いて、紹介している記事の後編です。


第8回のレシピコンテスト詳細と受賞レシピの数々については、
なめがたブランド戦略会議 公式サイト 『第8回 行方レシピコンテスト審査結果について』
をご参照下さい

 

【未来の郷土食とは】


郷土食・郷土料理というものを考えてみると、

① まず地元の食材を食べる。

② 『ハレ』(行事・祭りなどの非日常)の食、『ケ』(日常)の食

③ 背景にある伝統や文化、食に込められた人々の想い

があると思います。

加えて、これから世の中を考えるとき、外せないのが

④ 『SDGs』

でしょう。


今回のテーマ『バーベキュー料理』は、上記の①、②、③に加え『SDGs』も要素に加わるとても良い例だと考えます

①の地元食材を使うはマスト。
それにどう工夫を加えて、美味しく頂くか。苦手な人でも食べられる様に出来るか。


②については、現代の『バーベキュー』は、『ハレ』の食。楽しいイベントの食
同時に『野菜を焼いて(炒めて)食べる』は、日常の食生活』の食でもあります。


更に『バーベキュー』は、『火を囲み、食材を焼いて、みんなで分かち合って食べる』という大昔からの人の営みとも繋がっています。
何を食べるか、食材に何を選ぶか、作りながら/食べながら 何を語り合うか・・・。ハレの食事『バーベキュー』料理には楽しさも加わります
これらが、今度は未来の③(伝統・文化・食に込められた想い)を作っていくことに繋がっていくのではないでしょうか。

そして最後④ 、SDGs
屋外で、自然の中で行われることの多いバーベキュー。

どうしても出てしまうゴミをいかに減らすか、出たゴミをどのように処分するのか。
・・・そもそも、ゴミとは何か。

食材が生まれ育てられる環境、調理するエネルギー(火)のこと、
作業の役割分担(一部の人だけが作らない・助け合って作業)等、いろんなことを考えさせられるのがバーベキュー

 

郷土食の要素①~④が分かりやいのが、実は『バーベキュー』料理だと、応募レシピを考える際に強く感じました。

『未来の郷土食とは何か?』

それを考える一例として、前回に引き続き、後編として恥ずかしながら 私の応募レシピ

★ 手作り“味とりどりソース”でもりもり! 『まるごと野菜』と焼き肉バーベキュー

を掲載させて頂きます

 

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料理名  『手作り“味とりどりソース”でもりもり! 「まるごと野菜」と焼き肉バーベキュー』


【材料(2人分)】(野菜の量はは目安)

焼き野菜用野菜:
ピーマン4個、ジャンボししとう4本、なす個、トマト2個、しいたけ4個、人参 (中)1本、
れんこん 長さ8cm程度、人参 (中)1本、山芋 10cm程度 (その他、お好みの野菜適宜)

ソース用野菜:
パセリ、パクチー、エシャロット、小ねぎ、トマト1個、ニンニク1かけ
(香味野菜は、青しそ、セリ、みつばなど季節に応じてお好みのものでもOK)

焼き肉用の肉類:
豚肉(焼肉用にカットされているもの) 300g程度
 ※魚が手には入ったら魚を焼いてもOK

調味料等:
味噌、ポン酢醤油、マヨネーズ、砂糖、塩、こしょう、サラダ油 各適量(味見をしながら)、
お湯少々、お好みで唐辛子/チリペッパー等。


使う調理器具等:

網焼きバーベキューセット、小さいフライパン等

 

【作り方】


(1)下準備:

ピーマン、ジャンボししとう、ナス、トマトは、必ず「まるごと」で焼くので、洗うだけにして洗った後、ざるに置いておく。
しいたけは軸だけを取る(取った軸は捨てずに細くカットし、後で炒めて食べる(メニュー外))。

やまいもはひげ根を取る。にんじん・れんこん・やまいもは、皮はそのままで剥かずに、よく洗ってから、1cm程度の熱さに輪切りまたは斜め輪切りにする。
   
ソース用の香味野菜(パセリ、パクチー、小ねぎ、エシャロット、にんにく等)はみじん切り。トマト1個もざく切りにしておく。


(2)“味とりどりソース”  ソース4種類を作る。

①  エシャロットソース: 
   みじん切りしたたっぷりのエシャロット、小ねぎ少々、にんにく少々をマヨネーズに加えて和える。好みでこしょうと塩少々。
   
②  パクチーぽん酢醤油: 
刻んだパクチーをポン酢醤油に漬けて置く。香味野菜は、パクチー以外にも、セリ、三つ葉、青しそなど季節に応じて。   
   
③  パセリ味噌:
刻んだパセリを軽く油をひいたフライパンでしんなりするまで炒める。
砂糖を味見しがら好みの量を味噌に加え、炒めたパセリを加えてよく練る。水分が足りない時は、お湯を少々加えて練る。

④  トマトソース: 
フライパンに薄くサラダ油をひき、みじん切りにんにくを軽く炒め、カットしたトマトを加えて熱し、トマトから出てきた水分が飛び、にんにくからも良い香りがしてきたら、塩コショウで味を整えて、火から下ろす。
※ 焼き野菜としてでまるごと焼いたトマトを使っても良い。

左上:パクチーポン酢醤油、 右上:トマトソース

左下:パセリ味噌、 右下:エシャロットソース

 


(3)焼き始めのコツ
最初に肉類を少し焼いて、肉の脂を炭に落として火力を上げ、火力を安定させる。

 


(4)野菜から焼き始めます
火力が安定してきたら、ナスと根菜類(にんじん・れんこん・やまいも)を焼き始める。
しばらくしてから、ピーマン、ジャンボししとう、しいたけ、トマトを丸ごと焼く。
(しいたけはひだが上になるようにして置く)

写真は、野菜を焼きながら、小さいフライパンでソース(トマトソース)を作っているところ。


(5)野菜を食べながら、今度はお肉を焼きます
ナス、ピーマン、ジャンボししとうは、箸などで押してみて、しんなりしてきたら食べ頃。
根菜類も数分して焼き色がついてきたら食べ頃。
しいたけも少ししんなりしてきたら食べ頃。トマトは皮が破け始めたら、皿に取る。
野菜類が焼け始めたら、焼けた野菜を食べながら、今度は肉を焼き始める。
(焼き肉用に薄切りされた肉を使うので、焼けるのが早いため、野菜を先に焼く)

 


(6)お好みのソースをつけて

まるごと焼いた野菜類、肉類を、お好みのソースにつけて、召し上がれ!
(お好みで、ソースに唐辛子/チリペッパー等を加えてもOK)
また、焼いたトマトは、そのままでも食べても、ソースとしても他の野菜や肉類と一緒に味わっても美味しい。

なお、切り取ったシイタケの軸もフライパンで焼いて食べたり、レタスの葉、水菜、ベビーリーフ等の葉物野菜があったら、作ったソースをドレッシングのようにして一緒に食べるても美味しい(今回のメニュー外)。 


【このレシピのポイント】

一番伝えたいのは、まるごと焼いた野菜の美味しさです。
特にピーマン、ジャンボししとう、ナスの丸焼きは。甘みが出て大変美味しくなります。
(ピーマンとジャンボししとうは、軸と種のあたりに旨味が凝縮しているのが分かります)
レンコン、やまいも、にんじんも、BBQならでは豪快に焼くことで皮ごと一緒に、美味しく味わえます。
また同時に、行方の特産の香草類を使って、簡単にできる手作りソースもいくつか作って、『味とりどりソース』としていろいろな味を楽しみながら、行方特産の食材を存分に味わえるようにしました。
肉類については、今回は豚肉を使っていますが、他の肉類でももちろん美味しいですし、また生魚が手には入ったら、焼いた魚にも今回のソースは合います。
その他(メニュー外ですが)、レタス・ベビーリーフなどの葉物をサラダとして食べる時も、今回のソースはドレッシングとして使って美味しさを味わえます。

またバーベキューなので、「ごみはなるべく出さない」「下準備はなるべく少なく簡単に、手間もなるべくかけず」
「後片付けもなるべく少なく」をモットーに考えました。
 調味料類も、一般的に手に入る(持って来やすい)ものを使っています。車で来ることも考えて、念の為に酒・みりん類は使っておりません。

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バーベキュー料理としていますが、普段のご飯のおかずにも、もちろん応用出来ます。

土地の食材を焼いて食べる』はもちろんのこと、たとえば『土地の食材で作ったソース、タレ』のようなものも、その土地ならではの調味料・食べ方として、長い年月に多くの人に親しまれていくと、『未来の郷土食』になっていくのだろうなぁと思っています。

いろいろ作って頂いて、未来の郷土食になっていくと良いなぁ~ と妄想しています

 

(市川)