所属している 名古屋地理学会 の春の巡検へ参加してきたので、ここではそのことを書こうと思います。
※ 私の所属学会は、現在のところ、電気学会,電子情報通信学会,名古屋地理学会 の3つです
今回の巡検のテーマと趣旨は以下の通りでした。
テーマ:アグリビジネスの新展開と木曽路の景観-中津川でのスプラウト栽培と妻籠宿・馬籠宿の町並み保存-
趣旨:今年度の春の巡検は、いま中山間地域で注目される新しいアグリビジネスと、歴史文化遺産と結び付いたツーリズムを学びます。かいわれ大根やブロッコリーの新芽、空心菜の新芽などのスプラウトを栽培する「中津川サラダ農園」、ちこりの新芽栽培施設や焼酎生産施設などがある「ちこり村」を見学します。続いて、昭和40年代から先進的に町並み保存に取り組み、近年は外国人観光客の増加でも注目される妻籠宿で町並み保存の継続的な取り組みを学ぶ。さらに、馬籠峠を通り、馬籠宿も合わせて見学します。なお、ちこり村にある農家手作り家庭料理レストラン「バーバーズダイニング」にて昼食をとる予定です。
以下、順を追って書いていくことにします。
1.中津川サラダ農園
webサイト
「植物工場」とは、
環境および生育のモニタリングを基礎として、高度な環境制御を行うことにより、野菜等の植物の周年・計画生産が可能な栽培施設
のことです。
その形態には
[1] 完全人工光型(閉鎖環境で太陽光を用いずに栽培)
[2] 太陽光利用型(温室等で太陽光の利用を基本とし、人工光による補光や夏季の高温抑制技術等を用いて栽培)
の2つがあります。
今回見学したサラダ農園さんは、「太陽光利用型」の植物工場にあたるわけです。
化学肥料は一切用いずに、恵那峡の温泉水とモンゴル産の天然塩を用いているそうです。
塩を使うため、機械の傷みは早いというお話でした。
また、動力などすべて電気を用いているため、停電になったら終わりということも伺いました。
ハウス内の加温には、葉に風を当てるのは好ましくないため、パイプにお湯を通すという方法をとっているということでした。
また、ハウスはあくまでも「農地」であるため、土の部分を出しておかないといけないということも改めて確認しました。
農業の新しいあり方として、工場で野菜を生産するということが行われていることは知っていたものの、実際に工場を見学するのははじめてだったため興味深かったですね。
まだまだ発展途上の分野だと思うので、今後の成長がたのしみです。
2.ちこり村
webサイト
中央自動車道の中津川インターのすぐ隣に「ちこり村」はあります。
今回は、ちこり生産ファームと焼酎蔵を見学させていただき、農家レストラン「ちこり村バーバーズダイニング」で昼食をいただきました。
<ちこり> という野菜を食べるのははじめてだったのですが、なかなかにおいしかったです![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
農家レストランでは、「地産地消」を実践されていました。
以下、資料からの引用です。
「バーバーズダイニング」の郷土料理を中心にしたメニューの多くは、従業員がアイディアを出しあって決めています。また、安心・安全な料理の提供を心がけていることから、使用する米や野菜,大豆といった農産物のほとんどを、地元食材でまかなっています。「味は良いのに形が悪く、市場への出荷に向かない野菜」も、「自分たちが包丁を入れることで、美味しい料理に生まれ変わる!」との思いで料理をしています。
また、地元の農家が丹誠込めてつくった農産物を料理しているので、食べ物を粗末にしないよう、お客様にも食べられる量だけ取り分けていただくようお願いしています。
今回、はじめて、「地産地消の仕事人」(農水省)なるものがあるということを知りました。
地産地消の仕事人:地場産物の安定供給体制の構築など、地域の農林水産物の生産,販売,消費をつなぐ中心的な役割を果たし、今後、各地の地産地消のさらなる発展のために活躍が期待される人物
輸送園芸のような農業ももちろん大切ですが、地元でつくられた農産物を地元で積極的に消費していく「地産地消」の取り組みは大切でしょうね。
地元の農業を守っていくためにも、さらに広げていってもらいたいです。
3.坂下の河岸段丘と阿寺断層
中津川から妻籠へは、国道19号 → 国道256号 を経由して行きました。
並走するJR中央本線で言うと、落合川,坂下,田立の各駅のある区間ということになります。
その中の、坂下という場所は、河岸段丘と断層によって形成されたともいえる土地です。
以下、巡検資料からの引用です。
旧坂下町は、岐阜県南東部、長野県との県境に位置し、木曽川右岸に町の中心市街地が広がる。
この町は木曽川・川上川がつくった数段からなる河岸段丘が見られ、主な市街地は段丘面に分布する。このため、町の標高は地区により大きく異なり、最も低いところが362m,最も高いところが945mである。
この河岸段丘を横切るように活断層「阿寺断層」が見られる。
坂下の地形は河岸段丘と断層によって形成されたといえる。
ちなみに、河岸段丘というのは、下の写真のようなのです。(理科や社会科地理の時間に習われた方も多いのでは?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cc/263776a9e4b015338e028c1c1f3992fc.jpg)
一応、高校生向け資料集からの引用。
河岸段丘:河川に沿って片側または両岸に分布する平らな段丘地形で、旧河床の堆積物が載っている。地盤の隆起や海面の低下(海退)によって、河川の運搬・侵食力が復活し、段丘が形成される。
坂下については、バスで対岸からチラッと見ただけなので、今度機会を見つけてゆっくり見に行きたいなぁと思います(たぶん「青春18きっぷ」を駆使して中央本線で行くことになるかな)。
その折は、河岸段丘と断層を十分堪能しますよ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_2.gif)
一応、中津川から妻籠への移動の途中で撮った写真を何枚か。
この区間には発電所もあって、それも写りこんでいますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/ad/b376847a973fb7c10c3f3b0a9a041ff1.jpg)
4.妻籠宿
妻籠は、馬籠と並んで観光地として有名なので、今更ご説明申し上げるまでもないでしょう。
当日は、財団法人妻籠を愛する会 の方から、熱~~~いお話をお聞きすることができました。
前日、JR京都線の人身事故のせいで帰宅が日付変わってからになったため、疲れがマックスで、途中で失礼にも少し寝てしまいましたが…
昭和46年7月に「妻籠宿を守る住民憲章」というのが宣言されていて、そこでは、妻籠宿と旧中山道沿いの観光資源(建物・屋敷・農耕地・山林など)を<売らない>,<貸さない>,<こわさない> という三原則を貫くことがかかれています。
実は、現地へいくのははじめてでしたが、本当にきれいに昔の宿場が保存されているなぁと思いました。
今なおつかわれている郵便局なんかも、本当にすごかったです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/89/3d96e1df4a83730216624ed38290981f.jpg)
なお、妻籠宿は、蘭川(あららぎがわ)の東岸に位置していて、河岸段丘の段丘面に位置しています。
西から東方向へ段丘状になっていることが、歩いてみるとよくわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/b8/cc79dad95869afd018b3a9d4e782c8e9.jpg)
5.馬籠峠から馬籠宿へ
妻籠宿を出た後、馬籠峠を越えて、馬籠宿へと向かいました。
歩いて移動する場合には、「馬籠 → 妻籠」の方向の方がしんどくないそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/62/b685fd5b6a8e0829f2b7643cd7d97723.jpg)
中山道です。途中で横切りました^^
<保存地区> の妻籠に対して、馬籠は観光地。
2つを比べてみると、やはりなんとなくそういうことがわかりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/8d/9864181ffb4196879a71df8e5066bb8e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/3a/2668c3e2d2718ea61a5900e890aa5e72.jpg)
6.新茶屋と落合の石畳
江戸時代には、宿場と宿場の間に、旅人が休憩をするための「茶屋」をもうけていました。
中山道の馬籠宿と落合宿の間にも茶屋がありましたが、江戸時代末期に位置が移動し、その集落を「新茶屋」とよぶようになりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/5d/b1f4967e4c4a68bd4b19eb3c48627d3d.jpg)
新茶屋
新茶屋は、ちょうど美濃(岐阜県)と信濃(長野県)の境目に位置していて、木曽路の入り口にあたります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/59/339ea55caeea0b2f9606d03e577bb520.jpg)
国境の碑
1688年、松尾芭蕉は門人の越智越人を伴って中山道を旅して、『更級紀行』
を世に出しました。
1842年には、この新茶屋の地に、句碑が建てられました。「送られつ送りつ果は木曽の穐」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/5f/09dd04df1bf0ab4ca781a6a5a42fe7f0.jpg)
芭蕉の句碑
江戸幕府は、街道整備の一環として、1里を36町(3.9km)と定めて、1里ごとに土を盛って塚を築き、榎または松を植えて、旅の行程や駄賃・運賃の目安にしました。新茶屋にはこの一里塚が残っています。現在の中山道で、このように当時のままの姿の一里塚が残っているのはきわめて珍しいそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/7d/c2bd740ab97e3adf5dc689dbb1d5cfa7.jpg)
一里塚
新茶屋から落合宿を目指して美濃路へ入ると、登り下りのない十曲峠(標高500m)があります。
ここは江戸時代には中山道の難所の1つで、急坂を解消するため、1771年に現在のように付け替えられました。また、坂道の路面流失を防ぐため石畳が設けられました。これを「落合の石畳」といいます。
この石畳は、800mあまりの長さに及びましたが、明治以降は荷車の通行に支障があったため、取り除かれた場所もありました。
中津川市は1988年から1995年にかけて、文化庁と岐阜県の補助を受けて、歴史の道中山道の整備事業を実施しました。この整備事業の一環で、落合の石畳として保存されていた三カ所 70.8m をつなぐ石畳の復元作業を進めました。
その結果として、森林木立の中に往事の面影を今にとどめた 840m の石畳が復元されました。今日では、時代劇のロケ地によく利用されています。
という具合に、巡検資料から説明を引用しましたが、本当に静かないい雰囲気のところで、またゆっくり行ってみたいなぁと強く思いました。
ただ、バスが1日に2本しか来ないので、アクセスが悪いのですけどね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/8c/6ef348f1212e863e5b4946198ee7a26f.jpg)
バス停
以下は、落合の石畳で撮影した写真です。
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落合の石畳を出発した後、車窓からはきれいな棚田が見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/bd/d800afc6c90f1b9ea7d5f0abacc1854a.jpg)
以上で巡検レポは終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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※ 私の所属学会は、現在のところ、電気学会,電子情報通信学会,名古屋地理学会 の3つです
今回の巡検のテーマと趣旨は以下の通りでした。
テーマ:アグリビジネスの新展開と木曽路の景観-中津川でのスプラウト栽培と妻籠宿・馬籠宿の町並み保存-
趣旨:今年度の春の巡検は、いま中山間地域で注目される新しいアグリビジネスと、歴史文化遺産と結び付いたツーリズムを学びます。かいわれ大根やブロッコリーの新芽、空心菜の新芽などのスプラウトを栽培する「中津川サラダ農園」、ちこりの新芽栽培施設や焼酎生産施設などがある「ちこり村」を見学します。続いて、昭和40年代から先進的に町並み保存に取り組み、近年は外国人観光客の増加でも注目される妻籠宿で町並み保存の継続的な取り組みを学ぶ。さらに、馬籠峠を通り、馬籠宿も合わせて見学します。なお、ちこり村にある農家手作り家庭料理レストラン「バーバーズダイニング」にて昼食をとる予定です。
以下、順を追って書いていくことにします。
1.中津川サラダ農園
webサイト
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/9e/75fa560afbf81731f81a83f99de4ce87.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/74/84e8fe783fbf3925075aceac13c6cfa1.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/5e/99e98fcee1cf581f4b37e1d843cbe6e1.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/eb/c4d5c8e7f44ea771db6996165bef0bf2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/b2/a82525995a6619a4fb07fa79369ae614.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/51/54a809d5bed756e46d9b36e0190790a2.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/bc/aabe468b9466883f46b8ef944238573c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/46/080d271deeeb83bfe297d914141681a8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/22/6388a6a7cec8ca2d7cbfab110eaa0e30.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/b1/0dfa63713f5c727292c802489f1a3df1.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/a8/122bb763f4d0937e84fe9aab18323618.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/f4/131ed22fb806e0135263dfb1c7941b29.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/31/74d8f073ced1073b128cd309d82864ed.jpg)
「植物工場」とは、
環境および生育のモニタリングを基礎として、高度な環境制御を行うことにより、野菜等の植物の周年・計画生産が可能な栽培施設
のことです。
その形態には
[1] 完全人工光型(閉鎖環境で太陽光を用いずに栽培)
[2] 太陽光利用型(温室等で太陽光の利用を基本とし、人工光による補光や夏季の高温抑制技術等を用いて栽培)
の2つがあります。
今回見学したサラダ農園さんは、「太陽光利用型」の植物工場にあたるわけです。
化学肥料は一切用いずに、恵那峡の温泉水とモンゴル産の天然塩を用いているそうです。
塩を使うため、機械の傷みは早いというお話でした。
また、動力などすべて電気を用いているため、停電になったら終わりということも伺いました。
ハウス内の加温には、葉に風を当てるのは好ましくないため、パイプにお湯を通すという方法をとっているということでした。
また、ハウスはあくまでも「農地」であるため、土の部分を出しておかないといけないということも改めて確認しました。
農業の新しいあり方として、工場で野菜を生産するということが行われていることは知っていたものの、実際に工場を見学するのははじめてだったため興味深かったですね。
まだまだ発展途上の分野だと思うので、今後の成長がたのしみです。
2.ちこり村
webサイト
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/8e/3586b804c3b05a15d7302a389f444994.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/e7/aab77393531d2d1d4857fb34b6e24a8a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/94/f4b343ceb2231e8200f522a7381426b2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/07/da72d9ae43fdecd9dad7680526a5c0d8.jpg)
中央自動車道の中津川インターのすぐ隣に「ちこり村」はあります。
今回は、ちこり生産ファームと焼酎蔵を見学させていただき、農家レストラン「ちこり村バーバーズダイニング」で昼食をいただきました。
<ちこり> という野菜を食べるのははじめてだったのですが、なかなかにおいしかったです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
農家レストランでは、「地産地消」を実践されていました。
以下、資料からの引用です。
「バーバーズダイニング」の郷土料理を中心にしたメニューの多くは、従業員がアイディアを出しあって決めています。また、安心・安全な料理の提供を心がけていることから、使用する米や野菜,大豆といった農産物のほとんどを、地元食材でまかなっています。「味は良いのに形が悪く、市場への出荷に向かない野菜」も、「自分たちが包丁を入れることで、美味しい料理に生まれ変わる!」との思いで料理をしています。
また、地元の農家が丹誠込めてつくった農産物を料理しているので、食べ物を粗末にしないよう、お客様にも食べられる量だけ取り分けていただくようお願いしています。
今回、はじめて、「地産地消の仕事人」(農水省)なるものがあるということを知りました。
地産地消の仕事人:地場産物の安定供給体制の構築など、地域の農林水産物の生産,販売,消費をつなぐ中心的な役割を果たし、今後、各地の地産地消のさらなる発展のために活躍が期待される人物
輸送園芸のような農業ももちろん大切ですが、地元でつくられた農産物を地元で積極的に消費していく「地産地消」の取り組みは大切でしょうね。
地元の農業を守っていくためにも、さらに広げていってもらいたいです。
3.坂下の河岸段丘と阿寺断層
中津川から妻籠へは、国道19号 → 国道256号 を経由して行きました。
並走するJR中央本線で言うと、落合川,坂下,田立の各駅のある区間ということになります。
その中の、坂下という場所は、河岸段丘と断層によって形成されたともいえる土地です。
以下、巡検資料からの引用です。
旧坂下町は、岐阜県南東部、長野県との県境に位置し、木曽川右岸に町の中心市街地が広がる。
この町は木曽川・川上川がつくった数段からなる河岸段丘が見られ、主な市街地は段丘面に分布する。このため、町の標高は地区により大きく異なり、最も低いところが362m,最も高いところが945mである。
この河岸段丘を横切るように活断層「阿寺断層」が見られる。
坂下の地形は河岸段丘と断層によって形成されたといえる。
ちなみに、河岸段丘というのは、下の写真のようなのです。(理科や社会科地理の時間に習われた方も多いのでは?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/b6/a8f36dc625cadc2a7644eddc8b226084.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cc/263776a9e4b015338e028c1c1f3992fc.jpg)
一応、高校生向け資料集からの引用。
河岸段丘:河川に沿って片側または両岸に分布する平らな段丘地形で、旧河床の堆積物が載っている。地盤の隆起や海面の低下(海退)によって、河川の運搬・侵食力が復活し、段丘が形成される。
坂下については、バスで対岸からチラッと見ただけなので、今度機会を見つけてゆっくり見に行きたいなぁと思います(たぶん「青春18きっぷ」を駆使して中央本線で行くことになるかな)。
その折は、河岸段丘と断層を十分堪能しますよ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_2.gif)
一応、中津川から妻籠への移動の途中で撮った写真を何枚か。
この区間には発電所もあって、それも写りこんでいますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/9e/192f2fd8de7e3cbcc2243d7218c9d388.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/0f/4260304016be1d6638f65f4a0a8ce503.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/ad/b376847a973fb7c10c3f3b0a9a041ff1.jpg)
4.妻籠宿
妻籠は、馬籠と並んで観光地として有名なので、今更ご説明申し上げるまでもないでしょう。
当日は、財団法人妻籠を愛する会 の方から、熱~~~いお話をお聞きすることができました。
昭和46年7月に「妻籠宿を守る住民憲章」というのが宣言されていて、そこでは、妻籠宿と旧中山道沿いの観光資源(建物・屋敷・農耕地・山林など)を<売らない>,<貸さない>,<こわさない> という三原則を貫くことがかかれています。
実は、現地へいくのははじめてでしたが、本当にきれいに昔の宿場が保存されているなぁと思いました。
今なおつかわれている郵便局なんかも、本当にすごかったです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/6f/5b9ebd82ede1668ea2d5ac26b3ef5da3.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/4d/872c0953a518359115ab976af71da1a5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/89/3d96e1df4a83730216624ed38290981f.jpg)
なお、妻籠宿は、蘭川(あららぎがわ)の東岸に位置していて、河岸段丘の段丘面に位置しています。
西から東方向へ段丘状になっていることが、歩いてみるとよくわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/49/03b33deecbc4814827b595135476c40e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/cb/0a718208c780bfe6b0c5c46d702884c1.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/0b/223b3632b2ee687a3b290488b5f99e0f.jpg)
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5.馬籠峠から馬籠宿へ
妻籠宿を出た後、馬籠峠を越えて、馬籠宿へと向かいました。
歩いて移動する場合には、「馬籠 → 妻籠」の方向の方がしんどくないそうです。
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中山道です。途中で横切りました^^
<保存地区> の妻籠に対して、馬籠は観光地。
2つを比べてみると、やはりなんとなくそういうことがわかりました。
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6.新茶屋と落合の石畳
江戸時代には、宿場と宿場の間に、旅人が休憩をするための「茶屋」をもうけていました。
中山道の馬籠宿と落合宿の間にも茶屋がありましたが、江戸時代末期に位置が移動し、その集落を「新茶屋」とよぶようになりました。
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新茶屋
新茶屋は、ちょうど美濃(岐阜県)と信濃(長野県)の境目に位置していて、木曽路の入り口にあたります。
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国境の碑
1688年、松尾芭蕉は門人の越智越人を伴って中山道を旅して、『更級紀行』
を世に出しました。
1842年には、この新茶屋の地に、句碑が建てられました。「送られつ送りつ果は木曽の穐」
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芭蕉の句碑
江戸幕府は、街道整備の一環として、1里を36町(3.9km)と定めて、1里ごとに土を盛って塚を築き、榎または松を植えて、旅の行程や駄賃・運賃の目安にしました。新茶屋にはこの一里塚が残っています。現在の中山道で、このように当時のままの姿の一里塚が残っているのはきわめて珍しいそうです。
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一里塚
新茶屋から落合宿を目指して美濃路へ入ると、登り下りのない十曲峠(標高500m)があります。
ここは江戸時代には中山道の難所の1つで、急坂を解消するため、1771年に現在のように付け替えられました。また、坂道の路面流失を防ぐため石畳が設けられました。これを「落合の石畳」といいます。
この石畳は、800mあまりの長さに及びましたが、明治以降は荷車の通行に支障があったため、取り除かれた場所もありました。
中津川市は1988年から1995年にかけて、文化庁と岐阜県の補助を受けて、歴史の道中山道の整備事業を実施しました。この整備事業の一環で、落合の石畳として保存されていた三カ所 70.8m をつなぐ石畳の復元作業を進めました。
その結果として、森林木立の中に往事の面影を今にとどめた 840m の石畳が復元されました。今日では、時代劇のロケ地によく利用されています。
という具合に、巡検資料から説明を引用しましたが、本当に静かないい雰囲気のところで、またゆっくり行ってみたいなぁと強く思いました。
ただ、バスが1日に2本しか来ないので、アクセスが悪いのですけどね。
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バス停
以下は、落合の石畳で撮影した写真です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/17/bd7a310cf8544420ce5cf818335160e9.jpg)
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落合の石畳を出発した後、車窓からはきれいな棚田が見えました。
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以上で巡検レポは終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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