→②より続き
小沢氏失脚工作の第二作戦が3月24日以降展開されている。その概要は以下の通り。
①3月24日、検察が大久保氏を起訴。
②記者会見で起訴理由を説明すると同時に、悪質性を強調。
③小沢氏が記者会見で「無実潔白」を強調するのを待って、大久保氏が容疑事実を認める供述をしているとの「リーク情報」をニュース報道する。
④捜査を二階俊博経産相に拡大し、「国策捜査批判」に対応する。
⑤世論調査での辞任要求を五月雨式に発表して、辞任論を増幅させる。
⑥民主党内反小沢派議員の辞任要求の声を繰り返し報道する。
⑦27日の衆議院代議士会および参議院議員総会で、辞任要求を発表させる。
⑧28、29日の週末報道番組で世論調査を材料に辞任論の大合唱を演じる。
⑨小沢氏の辞任が先送りされれば、二階氏への捜査を拡大させて、二階氏経産相辞任カードを切る。
これらのカードを切れ目なく切ることにより、小沢氏辞任を今回は間違いなく成就させることが、目論まれていると考えられる。しかし、大久保氏に関するリー
ク報道に関しても、大久保氏が資金拠出者が西松建設であることを認知していただけでは法律違反を認めたことにはならない。検察サイドの一方的な見解がリー
クされただけに過ぎない。
民主党がこの政治謀略に敗北しない方法はひとつしかない。「検察・警察を使った卑劣な国策捜査」であることを徹底的にアピールするとともに、「政治権力によるマスメディアの不当な支配」を国民に対して根気よく説明することである。
白川氏が指摘するように、民主党にとって不利な状況であることは間違いない。民主党がどちらに進んでも険しい道である。本格的な政権交代を死に物狂いで阻止しようとする「悪徳ペンタゴン」の執念はすさまじく、権力濫用は悪魔の力を発揮するからだ。
民主党は政治謀略に流される方向に向かい始めているが、この謀略に流されれば、民主党は政治闘争に完全に敗北する。「偽メール事件」で解党の危機に直面した2006年が再現されることになるだろう。
あの窮地を救出したのが小沢代表であったことを忘れてはならない。
民主党議員の多くが世論調査と総選挙への影響を心配し始めている。党首を交代すれば人気を回復できると考えているとすれば大きな間違いである。小沢氏が代表を降りれば、民主党は分裂に向かう可能性が高い。
民主党が政権に参画するとしても、疑似自民党としての政権参画しか実現しないだろう。
「官僚利権」を根絶し、「大資本」よりも「労働者」を尊重し、「米国隷従」から脱却する、「政治の刷新」の夢は消滅するのだ。
小沢氏がここまで標的にされるのは、官僚利権、大資本優遇、対米隷属の基本路線を小沢氏が破壊する恐れが高いからである。既得権益勢力に小沢氏がここまで標的にされることが、小沢氏を失脚させてはならない何よりの証拠と考えるべきだ。
民主党の菅直人氏の描く政策路線が、今後、民主党が目指すべき道であると私は考える。菅氏がその路線を守りたいと考えるなら、この局面で小沢氏を守ることが求められると思う。
民主党は結束して、「検察や警察を使って政敵を抹殺する卑劣な行為」の成就を意味する小沢氏代表辞任阻止に全力を注ぐべきだ。卑劣な政治謀略を容認する腐った土台の上には、いかなる社稷(しゃしょく)を築くこともできない。
真実を訴え続ければ、真実は必ず国民の心に浸透する。長い歴史を見れば分かる。真実は必ず勝利するのだ。【転載終了