TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

混沌からの秩序

2005-03-27 20:58:15 | いいもの
I・プリゴジン、I・スタンジェール著「混沌からの秩序」を読んでいます。
といっても、はしがきからして話が抽象的な部分も多く、難解なのですが・・・。
数学や物理の世界でいう「安定」の概念が、実は偶然的で奇跡的な事象に過ぎないのではないか。世の中は、もっと多様で、混沌としている「不安定状態」が大部分を占めているという発想には、目から鱗です。

自己組織化とか、みよう絵にも関連する部分も多そうなので、これから先が楽しみです。
最近、興味のあること同士が、「ピタ、ピタッ」と噛み合わさるような瞬間が多く、生活していく中で、今まで以上に身の回りの出来事のひとつひとつを大切にしようと思い始めています。

写真は、NOMOSの機械式時計です。NOMOSとは、ギリシア語で「秩序」を意味します。
ドイツのグランヒュッテという小さな田舎町で作られている手巻きの機械式時計。戦争で、一時工場が閉鎖されましたが、少し前に、復興されました。バウハウスがあった町に近かったせいか、そのデザインは少なからず、バウハウスの影響を受けているといわれています。
ミニマル、かつ機能性にも優れていて、機械式ながら誤差が少ないことで有名です。なかでも、orionは、クラシックなスタイルでありながら、艶かしさすら感じるほど、美しい時計です。
今でも機械式時計にこだわっている頑固一徹なところと、昔ながらのデザインを継承しながらもパワーリザーブや自動式の開発など、常に新しいことにも挑戦していくスピリットにすごく惹かれます。
「新しさ」とは、人と違ったことをするのではなく、「古さ」を知って、それを自分の中で咀嚼する事から生まれるものなのだと思います。「新しいけれど、どこか懐かしいもの」、「古いものなのに、まったく古さを感じさせないもの」。そこには、なんらかの「秩序」があるのかもしれません。

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