ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。

つくば市認定地域民俗無形文化財がまの油売り口上及び筑波山地域ジオパーク構想に関連した出来事や歴史を紹介する記事です。

ガマの油売り口上〔技法〕明瞭な話し方をマスターする

2013-07-09 | ガマの油口上 技法

     
明瞭な話し方をマスターする

何を言っているか分かってもらうために
 1対1の会話と違って、複数の人を前で口上を述べるときは、声を伴った反応があるとは限らない。
 観客が理解しているのかどうか、わからないまま口上を続けてしまっては意味がない。


先ず、口を縦に開ける意識を持つ    
 明瞭な話し方をするためには、声の大きさや発音だけでなく、話す時にしっかりと口を開けることである。
口が大きく開いていないと、自分では分かりやすく話しているつもりでも、聞きとりづらい発声になってしまう。

 例えば、「あ」の発音をする場合の正しい口の形は、人差し指から薬指までの3本の指を縦に入れられるぐらい、大きく開く形と言われている。
 ただ、大きな口といっても、思いきり口を開いてしゃべり続けていては不自然であり、口周りの筋肉も疲れてしまう。
そこでポイントとなるのは、口を縦に開けようとする意識を持つことである。

 多くの人は話をしている時に、口を縦ではなく横に開いて声を発することがく、そのため、判別がつきにくいような曖昧な発声になってしまう。
 
聞き返されたり聞き間違いをされたり、といったことが生じる。
ほんの少し、口を縦に開けようと意識するだけでも、発声の変化を実感できる。

母音をしっかり発音する
 話し方の基本として、母音である「あ・い・う・え・お」をしっかり発音することが大事である。
中でも、「あ」と「え」は口の形が似ているため、口をしっかり開けて発音しないと、区別のつきにくい曖昧な発音になってしまう。
「あ」の発音は口を縦に開き、「え」の発音は口を横に開くのが正しい発声方法である。

良い発声のためには、姿勢が大事  
〔あごを床と平行に保つ〕
 口の形に気をつけていても、姿勢に問題があると、声がこもって聞こえる。姿勢で意識すべき点は、あごの位置である。
あごが上に向き過ぎたり、下に向き過ぎたりすると、喉に力が入ってしまい、良い声が出にくくなる。あごを床と平行に保つことで喉がリラックスした状態になり、声が通りやすくなる。

〔背筋を伸ばす〕
 また、背筋を伸ばして胸を開き、たくさん空気を吸うことも大切である。背筋が曲がって前屈みになり、胸が閉じてしまうと、肺にあまり空気が入ってこなくなり、この状態で言葉を発すると声がこもって聞こえる。このため、発声が明瞭ではなくなる。
 背筋をピンと伸ばして良い姿勢を保ち、たっぷり空気を吸い込んで話すようにすると良い。

明瞭に話す  
 口の中でもぐもぐ言ったのでは聞き取れない。明瞭に話すことが大切である。
口を大きく開くことです。口先だけで、もぐもぐしゃべると舌がもつれ早口になる。
大きく口を開いて話せばゆっくり発音できるし、力強く発音できる。 
 これによって発音、発声がはっきりしていることば、透き通る声、音として聞こえる言葉、何という言葉か、はっきりわかる。

〔語尾が明らかに話す〕
 “歯切れがよい”というのことは、はっきりして語尾が明らかな言い方をいう。
 語尾がかすれたり、ぼやけたりしたのでは迫力のある話はできない。
 ハケとハゲ、澄むと濁ると大違いである。明瞭に話せば刷毛か禿の違いが分かる。

イメージを共有する  
 次に、共通な意味のとれる言葉で話す。
 口上を述べる者と観客が共通の意味内容に受けとれる言葉で話す。
 

 がまの油売り口上は昔の古い言葉が随所に出てくる。
 現代人には何のことを言っているのか分からない箇所がある。
 口上の前後に補足説明をするなり、ビジュアル化した資料やゼスチャーでイメージを具体化する工夫が必要になる。

 「世の中は澄むと濁ると大違い 刷毛に毛がなく禿げに毛がある」という狂歌がある。
 澄むか濁るかで大きな違いが生じるものである。

 Point  
 ・言葉はハッキリと
 ・語尾は特にしっかりと
 ・声量
は一番遠くの人がうなずいていればOK!

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