ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。

つくば市認定地域民俗無形文化財がまの油売り口上及び筑波山地域ジオパーク構想に関連した出来事や歴史を紹介する記事です。

ガマの油売り口上〔技法〕 話法、合点・承諾は目でする

2013-01-30 | ガマの油口上 技法


顔は語る

 人間の顔は、上部と下部とでは大きく違っている。
 上部はその人の生れつきの人柄や知的活動を物語る。
 顔の上部は
    ① 知的活動の中枢、大脳を支える額が有る。
  ② 主要な感覚器官、目と耳が有る。
  ③ 顔の上部の発達は人間特有の現象で、口、鼻などの本能につながる部分が発達している。

 これに対して下部は表情が大変豊かで喜怒哀楽の表情は、すべてこの部分に現れる。
特に口は言葉を表すことによって自身の意志をハッキリ伝えることが出来る。
 この部分は、
  ①「食べる」「呼吸する」という本能につながる器官、口、鼻が有る。
  ②「話す」という社会的活動をする口が有る。
  ③ 表情を作る筋肉が発達している。
 

合点・承諾は目でする 

  合点・承諾するときは、首を前に動かして諒解、承諾の意思表示をする。
この合点・承諾には、二通りある。「軽い合点、承諾」と「強い合点、承諾」である。
 

「強い合点、承諾」は、うなずく時の目線が強い。
 人の語を聞いて、「分かった、良かった」と言った後で、
「また、いい話聞かせて下さいよ」と言う社交辞令的な人と、興味津々の人の目の力は違う。

 合点、承諾の時に大事なことは、「これは面白いな」と思うかどうかである。
本気で面白いと思っているかどうかは、聞く側の目の強さに反映する。
目の強さによって、聞いている人は、自己の存在をアピールできる。

 油売り口上を積極的に聞こうとする人、関心を持って聞く人は、
「それで、それで?」と、凝視して聞いている。

 しかも、それによって、もっと話してくれないかと、
話を聞く熱意の強さが、話してやろうという気持ちを醸し出す。        


 ガマの油売り口上を演じていると、聞く人の中に存在感がある人がいる。その人の目はキラキラ輝いている。聞き手が5人、10人でも、50人いても、そういう人の存在に気づく。油売り口上を聞くとき、事前の予備知識はいらない。 知識や経験があったから、その人に注目するのではない。その人の目はキラキラ輝いているから注目するのである。

 口上を聞いていて「そうか」と、頭が回転する瞬間の、その人の感受性の有無である。 

 分かった、分かったとうなずいているが、今話していることを本当に理解しているのかと感じさせる人もいる。
 口上に興味があるかないかということが大きく影響している。
興味があっても通じるか通じないかでまた分かれるが、興味のある人にはだいたい理解してもらえるものである。

 聞き手が合点・承諾はする時は、目が強い。
口上を演ずる者が聞く人に合点・承諾を求める時の目も強い。

   
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