島崎藤村の「夜明け前」に描かれた水戸天狗党 (9) の続き 〔加州藩の対応〕 降蔵の話によると、彼は水戸浪士中の幹部のものが3、4人の供を連れ、いずれも平服で加州の陣屋へ趣くところを目撃したという。 加州からも平服で周旋に来て、浪士らが京都へ嘆願の趣はかなわせるようせいぜい尽力するとの風聞であった。 それから加州方からは毎日 . . . 本文を読む
島崎藤村の「夜明け前」に描かれた水戸天狗党 (8)の続き
第11章 3〔元治2年の3月 馬籠宿〕 元治2年の3月になった。恵那山の谷の雪が溶けはじめた季節を迎えて、山麓にある馬籠の宿場も活気づいた、伊勢参りは出発する。 中津川商人はやって来る。 宿々村村の人たちの無尽の相談、山林売払いの入札、万福寺中興開祖乗山和尚五十年忌、および桑山和尚十五年忌など、村方でもその季節を待っ . . . 本文を読む