花のアート写真工房

Ⅰ:透明水彩画集
Ⅱ:旅エッセイ(海外編)

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ほんわか昭和ストーリー~その9「乳母車(うばぐるま)」

2009年12月25日 15時22分44秒 | ほんわか昭和ストーリー

             

 私は、うばぐるまのことをおばぐるまと長い間勘違いしていた。広辞苑でおばぐるまという言葉を調べても載っていない。近くにいた妻が、「乳母車のことでしょ」とあきれ顔で言った。

 乳母車には、いろいろな用途がある。子育て、年寄りの杖代わりはもちろん。ちょっとした畑仕事や風呂焚きに使う廃材の運搬など、自動車のない時代では、一家に一台玄関先に置いてあった。今では、それをなつかしくて買い求めようとしても、なかなか製造者が見つからない。

 50年前の話になるのだが、子供が家の手伝いをするのが当たり前の時代での出来事である。私は、よく姉に子守をしてもらったようだ。ある時、乳母車に乗った私を線路上に置き忘れられ、子供の泣き叫ぶ声で母があわてて探した話を後から聞いた。