肥満を抑えるのに重要な遺伝子をマウスの実験で発見したと、名古屋大の浅井真人特任講師と米英の共同研究グループが発表した。この遺伝子を壊したマウスは体重が2倍になったという。研究成果は19日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
浅井特任講師は「肥満予防の新薬開発や、少ない餌で家畜を太らせる産業利用が期待できるのではないか」と話している。
この遺伝子は脳の視床下部で働く「MRAP2」。研究グループはMRAP2を遺伝子操作で壊したマウスと通常のマウスに、生後1カ月から150日間、好きなだけ餌を食べさせた。
遺伝子操作マウスの方が1割ほど多く食べ、体重は通常マウスの2倍の50グラムまで太った。脂肪の燃焼量や運動量に差はほとんどなく、餌の量が同じになるよう調整しても、遺伝子操作マウスの方が太ったという。
一方、グループの英国チームが人間の全遺伝情報(ゲノム)のデータを調べたところ、肥満患者864人のうち4人でMRAP2に変異があった。肥満ではない1864人からは見つからなかった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます