The Society of Hormesis ホルミシス学会

STRUCTURED MICRONUTRIENT, US PAT/TH FDA (Med), JP FDA(Food)

水素水(活性水素水、電解還元水)は疑似科学、加湿器-ソウル大教授に拘束令状請求

2016-05-20 09:46:30 | 食品

ここ数年、スーパーなどでも見かけることが増えた「水素水」。中には普通のミネラルウオーターの3倍以上の値段で売られているものもある。医薬品ではないので効果・効能の表示はできないが、何らかの健康効果を期待して購入する人が多いようだ。実は「水素水」は、かつて別の名前で売られていた。なぜ今、水素が注目されているのだろうか。(平沢裕子)

 現在の水素ブームは、平成19年に日本医科大の太田成男教授(細胞生物学)の研究チームが「水素ガスが有害な活性酸素を効率よく除去する」とする論文を「ネイチャー・メディシン」(電子版)に発表したことがきっかけとされる。

 活性酸素は、細胞や遺伝子を傷付け、がんや多くの生活習慣病を引き起こす元凶とされるだけに、ラットでの研究とはいえ、水素ガスの効能に注目が集まった。この論文の発表が報じられて以降、水素ガスを発生させて水素水を作る機器や水素を含むサプリメント、化粧品など水素をうたった商品が次々と登場した。

 このうち、最もよく見かける水素水は、水素ガスが溶け込んだ水のこと。ネット通販やコンビニなどで水素水を販売する飲料メーカーは「水素は健康で話題の素材。今のところ効果は分からないが、人への研究がいろいろ進んでおり、素材としての価値が高い」と説明、売り上げも好調という。

 水素水は医薬品ではないので、商品の宣伝として健康や美容への効果をうたうことはできない。だが、ネット上には「がんが好転した」「ダイエットにいい」「うがいをすると口臭予防になる」など、一般論として水素水にさまざまな美容・健康効果があることをうたったサイトが多数存在する。

 こうした中、明治大情報コミュニケーション学部の石川幹人教授は、水素水(活性水素水、電解還元水)に一般に言われるような美容や健康への効果があるかを評定。「疑似科学である」と結論付け、運営するサイト「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」に1月、公表した。疑似科学は「ニセ科学」とも呼ばれ、科学的表現で科学を装っているが、とても科学とは呼べないものを指す。

 『なぜ疑似科学が社会を動かすのか』(PHP新書)の著書もある石川教授は、「今話題の水素水の多くは、電解還元水のことで、かつてアルカリイオン水と呼ばれたもの」と指摘。水素水の評定をしたことについて、「キャッチーな『水素』という言葉をつけることで、売り上げを回復しようという意図が見えたから」と説明する。

 アルカリイオン水は、アルカリ性の電解水のこと。一般的な水は、水素と酸素からできており、それを電気分解すると、酸素を多く含んだ水「電解酸性水」は陽極側に、水素を多く含んだ水「電解水素水」は陰極側に生成される。この陰極側に生成された電解水素水は、以前は「アルカリイオン水」と呼ばれることが多かったが、今は「水素水」といわれているわけだ。

 つまり、中身は変わらないのに、一時期を経て、同じ「水」が名前を変えて売られ、あたかも新しい「水」として注目されているのが実情だ。

 アルカリイオン水は、「体内を弱アルカリ性に変え、消化不良や慢性下痢、アトピー性皮膚炎に効果がある」などとされ、健康ブームに乗って、平成4年ごろから生成器が、15年ごろからボトル詰めの水が、それぞれ急激に売り上げを伸ばし、一時は数百億円の市場規模となった。今でもアルカリイオン水の生成器は市販されているが、水素水の勢いに押され気味だ。

 また、水素水の中には、水を電気分解するのでなく、濃度の高い水素水を水に溶け込ませるタイプもある。こちらの場合は、アルカリイオン水とは区別される。

 市販の水素水について、日本学術会議の副会長時代にホメオパシーなどの疑似科学問題を扱ったことがある東京大の唐木英明名誉教授(薬学、獣医学)は「高濃度の水素といっているが、それでも水素濃度が低過ぎる。飲んだ水素は胃の中で消えてしまうだろう。仮に、水素が血流に乗って体の組織に到達したとして、それがどのような作用を発揮して疾病治療につながるかの説明がない」とし、「水素には何かの効果があるかもしれない。しかし、市販の水素水に効果があるかと言われれば、ゼロだろう」と手厳しい。

 「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の評定も、「ヒトへの健康効果についての具体的な研究成果と呼べるものはないといってよい」「仮にヒトに対しての抗酸化作用があったとしても、そこから健康効果に結びつけるためにはまだいくつもの段階を経る必要があり、仮説検証を繰り返し行わなければならない。具体的な疾患への効果などは『まだよく分からない』とするのが妥当」としている。

 石川教授は「水素の健康効果はいろいろな研究が行われているというが、結果はまだ出ていない。研究途上のものは、場合によっては効果がないだけでなく、有害という結果が出る恐れもある。一般市民に向けて利用を促してはいけないと科学的に判断すべきだ」と話している。

 国民生活センターは今年3月、水素水生成器による活性酸素の抑制機能は、必ずしも体内の活性酸素の量を減らすといった健康面への効果を示すものではないとして、消費者に対し「買う際は慎重に判断して」と注意を促した。同時に、「水道水に含まれる活性酸素の量を抑制する」とうたって水素水生成器を販売する2事業者に対して、水の活性酸素の量を抑制するとどんな効果があるのかを明確に記載するよう要望した。2事業者は同センターに対し、効果については明らかにせず、「法律遵守を徹底していきたい」と回答した。

 また消費者庁は今年3月、「がんに効く」などとうたって水素水を販売した事業者に対して、商品の効能に関する不実告知(実際は認められていないのに告知すること)などを理由に一部業務停止命令を出した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160514-00000526-san-life

 

<加湿器殺菌剤事件>“オキシーに有利な報告書”ソウル大教授に拘束令状請求=韓国検察

「加湿器殺菌剤」の有害性研究結果を操作してオキシーに有利な報告書を作成した疑いを受けているソウル大学獣医科大のチョ某教授(57)に対し、拘束令状を請求した。

 ソウル中央地検の加湿器殺菌剤被害者事件特別捜査チームは6日、オキシー・レキット・ベンキーザー」(現RBコリア)側に有利な報告書を作成した疑いを受けているチョ教授に対して証拠偽造、収賄後不正な措置などの容疑で拘束令状を請求したと明かした。

 先立って検察は去る4日、チョ教授の研究室や住居などを家宅捜査していた中、チョ教授を緊急逮捕した。検察はこの日、同様の疑いを受けている湖西大学のユ某教授の研究室や住居なども家宅捜査した。

 チョ教授とユ教授は2億ウォン(約1800万円)以上の雇用費を受け取りオキシー側に「加湿器殺菌剤と肺損傷の因果関係が明白ではない」という内容が込められた研究報告書を提出したという疑いを受けている。

 検察は彼らがオキシーと共謀して加湿器殺菌剤の有害性研究結果を操作したものと疑っている。オキシーは2011年11月、疾病管理本部が「加湿器殺菌剤は人体に有害だ」と発表すると、これに反論するためにソウル大と湖西大に実験を依頼した。

http://www.wowkorea.jp/news/korea/2016/0506/10165638.html


コメに含まれるヒ素

2016-05-20 09:44:50 | 食品

EU(欧州連合)は今年1月1日からコメに含まれる「無機ヒ素」の最大基準値を設定した。すしなどコメを使った日本食は海外でも人気だが、含まれる無機ヒ素の多さから海外でコメはリスクが高いとされる食品の一つ。スウェーデンでは昨年、乳幼児にコメを与えないように勧告した。子供のときからコメを食べている日本人にはにわかに信じがたいが、コメは危険な食べ物なのか-。(平沢裕子)

 ■高い発がん性のリスク

 問題となっている無機ヒ素は、岩石や土壌中など自然環境の中に存在する天然物。無機ヒ素による健康被害としては、森永ヒ素ミルク事件(昭和30年)や和歌山ヒ素カレー事件(平成10年)などが知られている。ただ、これらは“事件”であって、日本で無機ヒ素を「日常的に健康を脅かすもの」と考える人は少ないのではないだろうか。

 一方、世界に目を向ければ、無機ヒ素による健康被害は公衆衛生上の最大の問題でもある。無機ヒ素で汚染された地下水の飲用による慢性ヒ素中毒は、インドやバングラディシュなど世界各地で発生している。慢性ヒ素中毒の症状は、嘔吐や食欲減退、発疹などだが、最も大きな健康被害になりうるのは発がん性だろう。

 WHO傘下の国際がん研究機関「IARC」の発がん性の5段階分類で、無機ヒ素は最もリスクが高い「グループ1」。これは昨年、「大腸がんのリスクが高い」と話題になったソーセージなどの加工肉や赤肉と同じ分類に属し、発がん性の根拠が極めて高い物質ということを意味する。


■「乳幼児に与えないで」スウェーデンが勧告

 水田で栽培されるコメは、土壌から無機ヒ素を吸収し、平均的なもので1キログラム当たり0・1~0・2ミリグラムの無機ヒ素を含むとされる。つまり、コメを多く食べる人は、健康リスクとなる量の無機ヒ素にさらされているといえる。EUがコメ中の無機ヒ素の最大基準値を設定したのは、健康リスクをなるべく減らしたいとの考えからだ。設定された基準値は、1キログラム当たり精米で0・2ミリグラム、玄米で0・25ミリグラム。

 スウェーデン食品局は昨年、6歳未満の乳幼児にコメやコメ製品を与えないように勧告した。さらに、6歳以上の子供が食べる場合は週4回までとし、大人でも「毎日食べるべきではない」としている。スウェーデンは数年前にも、ライスミルク(コメベースの代用乳)を乳幼児に与えるべきではないとする勧告を出しており、それをさらに厳しくした格好だ。ライスミルクについては英国も同様の勧告をしている。

 では、コメは子供に食べさせてはいけないほど危険な食べ物なのだろうか。国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室長の畝山智香子さんの著書「『安全な食べもの』ってなんだろう?」では、1日3食、毎日コメを食べた場合のがんリスクを、放射能による影響と比較して「20ミリシーベルトの被曝と同じぐらい」としている。日本で食品中の放射性物質は年間1ミリシーベルト以下にすることを目指して基準が決められている。つまり、日本人が日常的にさらされている無機ヒ素の健康リスクは、食品中の放射性物質の健康リスクよりはるかに高いといえる。


■「毎日、玄米」はNG

 やはりコメはあまり食べない方がいいのだろうか。内閣府食品安全委員会は「日本において、食品を通じて摂取した無機ヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない」としている。日本は世界一の長寿国。それを支えてきたのが、米飯を中心とした食文化と考えれば当然だろう。

 ただ、無機ヒ素の健康リスクを知ったからには、なるべく食事からの摂取を減らしたいと思うかもしれない。農林水産省は、コメに含まれる無機ヒ素は玄米の外側についている糠の部分に多く含まれることから、白米をよくといで食べることでコメから摂取するヒ素を減らせる可能性があるとしている。

 白米に比べて栄養面で優れているということで、最近は玄米食が人気となっているが、無機ヒ素を多く摂取することを考えれば、毎日玄米を食べるのはやめた方が無難といえそうだ。


http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/160110/lif16011009330007-n1.html