The Society of Hormesis ホルミシス学会

STRUCTURED MICRONUTRIENT, US PAT/TH FDA (Med), JP FDA(Food)

白米は体に悪い

2018-04-13 12:28:11 | 糖尿病

「白いごはんが好き」と言う日本人は多い。厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」でも、ごはんをお茶碗で1日3~5杯食べることが推奨されている。

ところが、膨大な研究論文から科学的根拠に基づいて分析してみると、白米は1日2~3杯でもすでに糖尿病のリスクが上がり始める可能性があるという。

白米のみならず、さまざまな食材をエビデンスベースで5グループに分類し、「体に良い食品」と「体に悪い食品」を明らかにしたUCLA助教授の津川友介氏に、白米を食べる量を減らしたほうがいい理由を解説してもらう。

健康に良い炭水化物・悪い炭水化物

巷では「糖質制限ダイエット」や「低炭水化物ダイエット」が流行っている。エネルギーとなる成分は大きく分けて、たんぱく質、脂質、炭水化物の3つに分けられるのだが、これらのダイエット法に共通しているのは、「炭水化物」の摂取量を減らして、代わりにたんぱく質や脂質の摂取量をやや多めにするということである。

 

しかし、この炭水化物なら十把一からげに減らすべきという考えは、実はミスリーディングである。炭水化物には、「健康に良い炭水化物」と「健康に悪い炭水化物」があるからである。

私たちにとって最も身近な炭水化物は、白米や小麦粉であり、これらは精製された炭水化物である。このように精製して柔らかくて食べやすい形にすることを(白っぽくなるため)「精白」すると表現し、米であれば「精米」すると呼ぶ。

そして、この精白されている「白い炭水化物」は、血糖値を上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気が起こるリスクを高める可能性があることが、数多くの研究から報告されている。

その一方で、玄米のように、精製されていない「茶色い炭水化物」の多くは食物繊維や栄養成分を豊富に含み、複数の研究で肥満や動脈硬化のリスクをむしろ下げると報告されている。つまり、すべての炭水化物が悪者なのではなく、どんな炭水化物を食べるかで健康に関しては逆の効果があるのだ。

 

 

なお、ここでは精製された炭水化物のことを「白い炭水化物」、精製されてない炭水化物のことを「茶色い炭水化物」と呼ぶ。そのほうがイメージしやすいと思われるからである。精製されているかどうかが重要なのであって、必ずしも色が重要なのではないことに注意してほしい。

数々の研究において、精製されていない「茶色い炭水化物」は健康に良い影響を与えると報告されている。アメリカ、英国、北欧の国々で行われた研究を統合した78万6000人のデータを用いて、炭水化物の摂取量と死亡率の関係を評価したメタアナリシス(複数の研究結果をとりまとめることで一つひとつの研究では認められない関係性を明らかにする研究手法)によると、1日70gの茶色い炭水化物を摂取したグループは、茶色い炭水化物をほとんど食べないグループと比べて死亡率が22%低かった。

炭水化物と心筋梗塞や脳梗塞の関係を見た(7つの研究を統合した)別のメタアナリシスによると、茶色い炭水化物の摂取量が多いグループ(1日2.5単位以上摂取)は、摂取量が少ないグループ(週に2単位未満)と比べて心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低かった。

茶色い炭水化物の摂取により糖尿病のリスクが下がることも明らかとなっている。玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(摂取量が月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。この研究によると、1日50gの白米を玄米に置き換えることで糖尿病のリスクを36%下げることができると推定された。

全粒粉や蕎麦粉の含有量も重要

茶色い炭水化物の摂取はダイエットにも有効であると考えられている。アメリカで行われた研究によると、茶色い炭水化物の摂取量が1日あたり40g増えるごとに、8年間での体重増加が1.1㎏減ることが明らかになった。複数の研究において、茶色い炭水化物の摂取量が多い人ほどBMIが小さく、腹囲が細いことも示されている。

その他にも、茶色い炭水化物には、便秘を予防する働きや、憩室炎という大腸に炎症を起こす病気を予防する効果があるとも言われている。

ここで1つ注意事項がある。スーパーやコンビニで手にする商品の中には、「全粒粉」と書いてあっても実は全粒粉が少ししか含まれておらず、ほとんどが精製された小麦粉という商品がある。食品のラベルに関して、原材料は、使用した重量の割合の高い順に表示されている。健康のことを考えたらできるだけ全粒粉の割合の高いものを選ぶべきだろう。

蕎麦を食べるにしても、巷には小麦粉の含有量が多くて蕎麦粉が少しだけしか含まれないものもあるので、注意が必要である。少ししか蕎麦粉が含まれておらず大部分は小麦粉でできている、いわば「蕎麦粉入りのうどん」を食べて健康になった気になってしまうのは危険である。十割蕎麦や二八蕎麦のように、できるだけ蕎麦粉の割合の高い蕎麦を選んで食べるのが好ましい。

 

 

私が食事と健康の話をすると、最もよく質問されることの1つが「白米は食べすぎなければ大丈夫ですよね?」といったものである。日本人は何事も「食べすぎなければ大丈夫」というあいまいな落としどころを好む傾向があるが、残念ながら、日本人が大好きな白米は「少量でも体に悪い」と言ってもいいだろう。エビデンスによると白米の摂取量が少なければ少ないほど糖尿病のリスクが低いことが報告されているからだ。

白米は「食べすぎなければ大丈夫」という問題ではない

2012年に世界的にも権威のある英国の医学雑誌に、白米と糖尿病の関係に関する4つのコホート研究(白米の摂取量を調査し、その人たちを何年間も追跡し、その後病気になるかを解析する研究方法のこと)の結果をまとめたメタアナリシスの結果が発表された。その結果、白米の摂取量が1杯(158g)増えるごとに糖尿病になるリスクが11%増えるとされた。

こういう話をするとしばしば「日本人では違うはずだ」という話になる。それでは、日本人のエビデンスも見てみよう。上記の論文でもデータの中の1つとして用いられているが、2010年に、権威あるアメリカ栄養学会の学会誌に、国立国際医療研究センターの南里明子氏(現在の所属は福岡女子大学)らが行った日本人のデータを用いた研究掲載された。

この研究によると、日本人においても白米の摂取量が多ければ多いほど糖尿病になる可能性が高くなることが明らかになった。

論文では、男性では、白米を食べる量が(ごはん1杯160g換算で)1日2杯以下のグループと比べて、1日2〜3杯食べるグループでは5年以内に糖尿病になるリスクが24%高いことが明らかになった。

その一方で、ごはんを1日2〜3杯食べる人と、3杯以上食べる人たちで糖尿病のリスクは変わらなかった。1日2杯(315g)くらいが糖尿病のリスクが上がりはじめる境界だと考えてもいいかもしれない。

女性ではもっとシンプルな関係、つまり白米を食べる量が多ければ多いほど糖尿病のリスクが高くなるという関係が認められた。白米を1日1杯しか食べないグループに比べて(最も少ないグループの白米摂取量が男女で違うので注意が必要)、1日2杯食べるグループでは15%、3杯食べるグループでは48%、4杯食べるグループでは65%も糖尿病になるリスクが高くなることがわかった。

 

<iframe id="google_ads_iframe_/53549613/TK/ArticlePC/Pc_inRead_0" title="3rd party ad content" name="google_ads_iframe_/53549613/TK/ArticlePC/Pc_inRead_0" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" width="1" height="1"></iframe>

ただ、白米の摂取量は食事調査を行って追跡したものであり、記憶違いや過少申告、食生活の変化なども考えられる。したがって、「1日2杯の白米」とは、きっちりと1日2杯分の量を食べていたのか、ということは実は正確にはわからない。

さらには、1日1時間以上の筋肉労働や激しいスポーツをする人に関しては、統計的に有意な関係が見られなかった。これらのことを踏まえると、白米を食べる量が多い人ほど、糖尿病になってしまう確率が高くなっている傾向が確認できた、というくらいのざっくりとした理解にとどめるのが無難だろう。

個人的には白米の摂取量と糖尿病のリスクとの間には正の相関があるので、減らせるのだったらできるだけ少ない摂取量のほうがいいと考える。さらには糖尿病の家族歴があると糖尿病になる確率はさらに高くなるので、少しでもリスクを下げるためにもできるだけ白米を含む白い炭水化物は減らしたほうがいいだろう。どうしても白米を食べたい人は、毎日1時間以上の激しい運動をすることで、糖尿病のリスクを上昇させずに済むかもしれない。

 

米の摂取量を減らしたらお腹が空いてしまう?

炭水化物の摂取を減らすために、ただ単に食事の量を減らすことはおすすめできない。多くのダイエットが成功しないのと同様に、お腹が空いていてもがまんしているのは拷問に近く、理性によってコントロールすることが難しいからだ。そのため、食事の種類を「置き換える」ことを推奨する。

そこで筆者がおすすめしたいのは、白米が「主食」であるというマインドセットを変えるという方法だ。主食は白米であると思うからどうしても量を食べてしまうが、必ずしも白米が主食でなければいけないというルールはない。

白米の代わりに、玄米にするというのは最もシンプルな置き換え術だろう。前述のように、白米を玄米に置き換えることで、糖尿病のリスクが下がる可能性も示唆されている。アメリカでは、多くのレストランで白米と玄米を選ぶことができ、健康意識の高い人は玄米を選ぶようになってきている。

その他の方法として、お米の代わりに、大皿一杯のサラダが主食だとイメージしたらどうだろうか。魚や肉(たんぱく質)がおかず、サラダを主食にしてみる。この食事スタイルだと白米の摂取量をコントロールすることがだいぶ楽になると思われる。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/215982

 

津川友介の記事一覧

http://blogos.com/blogger/yusuke_tsugawa/article/

 

津川友介:世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事(2018) ISBN-13: 978-4492046241

 

玄米

https://ja.wikipedia.org/wiki/玄米

 

白米

https://ja.wikipedia.org/wiki/白米

 

白米を多く食べるアジア人、糖尿病リスク55%増 米ハーバード大

https://2ch.live/cache/view/newsplus/1332035827

 

【糖質制限の新常識】日本人は「パン」と「バナナ」を食べてはダメ!(週刊現代 2016.12.17.)

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50460

 

グリセミック指数 (glycemic index)

https://ja.wikipedia.org/wiki/グリセミック指数

 

GI値一覧表

http://blog.s-re.jp/2860/files/gi.pdf


脱糖

2015-07-14 16:52:41 | 糖尿病

注目すべき新たなダイエット法が登場した。その名も“脱糖ダイエット”。今はやりの糖質制限ダイエットをさらに進化させ、食べ物の炭水化物から食物繊維を除いた「糖質」を、できる限り食事から排除する方法らしい。

 実はこの方法で、17キロ減量した医師がいる。精神科医で「ハタイクリニック」院長の西脇俊二氏だ。西脇院長は、09年7月から実践し、体重は3カ月で75キロから58キロに。写真のような体形にガラリと変わった。

 このダイエット法の柱は次の3点。まず“脱糖”である。単純に言うと、ご飯やパン、麺類やパスタ、穀類など炭水化物を極力食べないことだ。

「今はやりの糖質制限の一種ですね。私は炭水化物を食べないことで、糖質摂取を1日10グラム以下に抑えました。砂糖や果物もやめました。自分から意識的にやるから“脱糖”なんです。実際、今の日本人は糖質を山ほど食べています。例えば、ご飯小盛り1杯は角砂糖にして7個分、糖質28グラムに匹敵します。普通盛りなら9個分。小盛りでも3食で1日84グラム! ランチにカツ丼やラーメンライスとギョーザな~んてサラリーマンは、それどころじゃない。明らかに、糖質取り過ぎと言っていいでしょう。だからまず3日間、徹底的にやります。糖は中毒性物質で、中毒性から抜け出すためにも、3日間キッパリと脱糖することが大切です」

余分な炭水化物は、皮下脂肪や内臓脂肪になってしまう。その“余計な分”をやめるのが、脱糖ダイエットなのだ。

「3日で体重の変化を感じ、体脂肪率も落ちる。毎朝ほぼ同じ時間帯に起きて、水を飲む前に体重計に乗ればハッキリわかります。私は3カ月で体重が17キロ減り、体脂肪率は24%から8%になりました」(西脇院長)

 ご飯や麺類など、いわゆる主食を抜いた結果、肉、魚介、そして卵と豆腐中心の食生活になる。これらはお腹いっぱい食べてもいいそうだ。摂取カロリーを減らす一般のダイエットとの最大の相違点は、「飢餓感がないためリバウンドしにくいこと」。これはありがたい限りではないか。

 2点目が有酸素運動。西脇院長は「うっすら汗をかいて息が切れない程度のキツクない走り方」で毎週2回、ジムで走った。


「もうひとつ、筋トレも大事。筋肉が付くと基礎代謝がアップしてエネルギー消費が大きくなるので、太りにくい体に変わる。効果は一段とアップします。3日間の場合、最初の1日だけでいい。筋肉痛になるまで負荷をかけてやってください」

スクワット、腹筋、ダンベル運動の組み合わせがベストだとか。

 間もなく新年度。健康診断の季節だが、実は脱糖ダイエットは、高血圧や糖尿病のサラリーマンにもオススメだ。

「高血圧が治ります。糖尿病もⅡ型は100%治る。痛風が治り、動脈硬化のリスクもグンと減ります。ぜひ、実践してください」

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/158409/1


ココア

2015-07-07 06:51:12 | 糖尿病

体内でアルコールを分解する場所と言えば、肝臓です。解毒の他には、タンパク質、糖、脂肪をエネルギーに変える代謝機能や、胆汁の生成、分泌を行う臓器でもあります。たくさんの血管や胆管があり、心臓、小腸、十二指腸につながっています。「肝臓が痛む」といった症状はめったに聞きませんよね。肝臓は一部の機能に異常があっても症状が現れにくく、自覚症状が出たときには遅かったりするゆえに、「沈黙の臓器」を呼ばれています。そして糖尿病患者の死亡原因は、肝疾患が17.5%です(日本糖尿用学会の調査結果より)。肝機能の低下を防ぎ、糖尿病に効果がある食材が、スイーツに使われるまさかの食材から発見されたのです。


◆糖尿病のメカニズム
糖尿病は高血糖が続いた状態を言います。血液中にエネルギーとして活用されないブドウ糖が溜まると血糖値が上昇。糖尿病には1型と2型があり、生活習慣病など不摂生な生活による糖尿病は主に2型で、糖尿病患者の95%を占めると言われています。ブドウ糖をエネルギーに変える橋渡し役であるインスリンの作用不足によるものです。

インスリン作用不足には、インスリンの分泌量低下とインスリン抵抗性の2つが考えられます。
血液中のブドウ糖はインスリンによって肝臓を経由し、筋肉、脂肪など、インスリン受容体のある細胞に結合し、エネルギーとして取り込みます。この受容体がインスリンに鈍くなっている状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。


◆肝機能低下と糖尿病を予防するスイーツって?
スペイン高等科学研究員の研究グループによると、「ココア」に糖尿病を防ぐ効果があるというのです(栄養分子生物学専門誌2015年7月号)。まだマウスによる実験段階ですが、ココア10%を含むエサと普通のエサを与えて比較したところ、ココアを含むエサを与えたマウスは、体重、血糖値、インスリン抵抗性レベルが下がったと報告しています。名付けてココアリッチダイエット。

ココアが血糖値を抑制すると考えられるのは、糖の合成、糖の活用促進、糖をエネルギーに変えるタンパク質の働きなど、肝臓で糖をコントロールする働きを見せたからだと発表されています。


◆ココアって糖じゃないの?
ココアとチョコレートは、同じカカオ豆が主原料です。カカオは、片手で持てるくらいの大きさで黄色っぽい果実です。その中の種が、カカオ豆です。カカオ豆を焙煎、摩砕したものをカカオマスと言い、チョコレートの原料になります。カカオマスから脂肪分を除き粉砕したものを「ココアパウダー」と呼びます。

市販されているココアはピュアココアに砂糖やミルクを入れて甘くしています。健康のためにココアを取るなら、なるべくピュアココアがオススメ。
冬のイメージが強いココアですが、夏にもアイスココアとして冷たいまま取り入れると良いかもしれませんね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150706-00010006-mocosuku-hlth


糖尿病:「肉食男性」発症の危険性、4割高く

2013-08-28 08:48:31 | 糖尿病

 肉類を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べて糖尿病を発症する危険性が約4割高いとの大規模調査の分析結果を、国立がん研究センターなどの研究チームが21日発表した。女性の場合は関連はみられなかった。英栄養学専門誌に掲載された。

 1995年と98年に10都府県に住んでいた45~75歳の男女6万3849人を対象に調査。開始時は全員、糖尿病やがん、循環器の病気はなかったが、5年後に1178人が糖尿病を発症していた。

 肉類の摂取量別に4グループに分けて発症の危険性を比べたところ、男性は摂取量が多いほど危険性が高まり、最も多いグループ(1日あたりの中央値108グラム)は最も少ないグループ(同23グラム)の1・36倍だった。肉の種類別では、牛・豚は摂取量が多いほど危険性が高くなったが、鶏肉、加工肉(ハム、ソーセージなど)は関連がなかった。女性は肉類全体、種類別のいずれも発症との関係がみられなかった。

 研究チームの黒谷佳代・国立国際医療研究センター臨床研究センター上級研究員によると、肉に多く含まれる鉄分などが、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くしている可能性があるという。女性は体内の鉄の蓄積量が少なく、肉類摂取の影響を受けにくいと考えられる。黒谷さんは「男性は魚や鶏肉も積極的に選ぶなど、バランスの良い食生活を心がけてほしい」と話す。

糖尿病に対するホルミシス効果

2013-04-19 11:29:57 | 糖尿病
被ばくで起こる生体応答(放射線適応応答を含む)には様々なものがあり、その中にはその条件において有益に作用する現象は確かにある。そして、それを応用することでヒトの治療に役立つものもある。しかし、一般論的に少しの放射線は体によいとか少しの放射線は受けた方がいいというのは間違いだ。

化学者または生物学者が、自ら多種多様な放射性物質を操作した中で経験し、その限られた経験の中で適用されなければ、ホルミシスとして有効な結果に至ることはない。化学物質に対する知見を得ていない医師が調査診療として実施されているもの、あるいは統計的処理を行ったものでは、当然、ホルミシスは否定される。
また、物理を起点とする、原子力関係者のいうホルミシスには疑念が尽きない。
化学と生物学と医学の境界領域にホルミシスはあり、うまく当たればその恩恵に最大限浴することができる。

糖尿病(II)については、3ケ月程度で比較的よく治る(HbA1c 11→5.5へ改善)。食事制限、運動療法等一切不要である。
それは、ウランの低速重粒子線(α線、Rn)による効果として認められる。

都内のクリニックでこの線源を正規に保有するところは他に知らない。


内海聡は、ホルミシス考として事実を網羅しているので以下に引用する:
http://www.facebook.com/satoru.utsumi

放射線ホルミシス効果は本当か?

「放射線は被ばく量に伴い直線的に人体に悪影響を与える」という理論の反証として米国のラッキー教授が「少しの放射量であれば人体に有用である」との理論を提唱した。この理論は微量の放射線はホルモンのように人体に有効に作用するということから「ホルミシス」と名づけられた。

東京理科大学生命科学研究所客員研究員高橋希之氏の「放射線ホルミシスを考える」、同氏はこの論考の中で「被ばくで起こる生体応答(放射線適応応答を含む)には様々なものがあり、その中にはその条件において有益に作用する現象は確かにある。そして、それを応用することでヒトの治療に役立つものもある。しかし、一般論的に少しの放射線は体によいとか少しの放射線は受けた方がいいというのは間違いだ。」と結論付け今まで有効の材料として使われていた各種のデータに鋭いメスを入れている。

三朝地区のガン死亡率も前出グループの六年後の調査データでは胃ガンを除いて大腸ガンなどの減少は見られず、逆に男性では肺ガンが増加していると報告されていることを明らかにした(三朝ラドン温泉地区の住民の肺癌死亡率 は他地域の1.5倍)。また胃ガンについては放射性物質を含まない別府温泉でも減少が報告されていることよりホルミシスの効果は薄いとしている。今のところホルミシス効果が期待できるのは慢性リンパ性白血病と非ホジキンリンパ腫の治療だけとのこと。

飛行機の乗務員は乳癌や皮膚ガンが多い

1,500人の乗務員を対象にしたアイスランドの研究は、1966年以前から雇用されている客室乗務員ではそれ以降に雇われた乗務員に比べて乳癌の発症率が5倍高いという結果を報告している。研究者は宇宙放射線の影響を指摘するが、私は他の可能性もありうるとは思う。ただデータとしては興味深い。

低線量放射線の影響に関するスターングラス博士の説

フォールアウトによる胎児期の被曝により知能低下(学習適正検査の成績低下)が生じた(1979年アメリカ心理学会で発表)。 スリーマイル島原子力発電所の事故によって放出された放射能によって胎児死亡率が増加した(1979年、イスラエルで講演)。胎児期被曝と知能低下との関係に関しては、1980年代に広島・長崎の原爆被曝者のデータ(高線量率、高線量1回被曝)から胎児期被曝によって知能指数の低下が起こること、その線量効果関係には閾値があることなどが認められ、ICRPの1990年勧告(Publ.60)にもその事実が記載されている。

放射線の妊婦(胎児)への影響

チェルノブイリ原発事故が発生した後にスウェーデンで生まれた子供たちのデータを使った実証研究で、以下の発見を報告しています。
・原発事故当時、妊娠8-25週目を迎えていた子供達は、中学校における学術テストの得点が(統計的に)有意に低い
・数学での得点が特に低くなっており、認識能力へ何らかの影響が生じている可能性がある
・スウェーデン国内で放射線量が多かった地域で生まれた子供たちの得点が、全国平均よりも約4%ほど低くなっている
・しかし、学術成績以外の健康への悪影響は観察されなかった

1979年に発生した米国スリーマイル島原発2号炉(TMI-2、PWR、96万kW)事故から、今年の3月28日で18年が経過した。今年の2月、TMI周辺でガンが増加しており、その原因は事故時に放出された放射能であろう、という論文が発表された。TMI事故の調査にあたった大統領委員会の報告では、周辺住民の最大被曝量は、自然放射線による年間被曝量レベルである、1ミリシーベルト程度とされている。

広島低量放射線被爆の健康被害について 2008/08/09 21:40

原子力潜水艦や原子力発電所からの冷却水漏れなんかよりも、大変気になっている記事がある。広島の原爆による放射線被曝の影響に関する調査で、これまで考えられていたよりもずっと少ない放射線量で健康被害が出ているかもしれない、というのだ。広島で被爆した人のうち、浴びた放射線が少量で健康に影響が少ないとされた人でも、被爆していない人よりがんで死亡する率が高いことが、名古屋大情報連携基盤センターの宮尾克教授(公衆衛生学)らの研究グループの4日までの疫学調査で分かった。研究結果は、9月15日発行の日本衛生学会の英文雑誌で発表する。

各種がん死亡率を非被爆者のものと比較した結果、極低、低線量の被爆者は非被爆者よりも固形がん(白血病など造血器系を除くがん)で1.2-1.3倍高く、肝がんでは1.7-2.7倍、子宮がんは1.8-2倍高かった。これまでの疫学調査では200ミリシーベルト(0.2シーベルト)未満の被曝では健康被害が見出されたことがなかった。ところが今回はその40分の1である0.005シーベルト未満という極めて少ない被曝でも健康被害が出ているかもしれないという