hoppenの韓的な日々♪

2004年・夏、イ・ビョンホンssiに出会ってから韓流へ~韓国映画&ドラマで刺激的になった日々を綴ります。

『ハブと拳骨』:第20回東京国際映画祭にて(2007.10.22)

2007-11-12 20:47:29 | 日本映画のレビュー


『ハブと拳骨』

公式ブログ
http://habugen.blog122.fc2.com/

第20回東京国際映画祭HP、作品紹介
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=25

hoppenの韓的な日々♪より
舞台挨拶&ティーチイン
http://blog.goo.ne.jp/hoppen_2006/e/64f8f840937208d1dce243b8200970cc 

1960年代終盤、ベトナム戦争時米軍占領下の沖縄を舞台に、
母と兄、弟、妹という家族を描いた映画です。
アメリカを忌み嫌いながらも共生し、苦しく混沌とした時代を逞しく陽気に生きた沖縄の人々。
彼らの生き様を感じる、魂のこもった、それでいて人の絆の温かさを感じる映画でした。
沖縄を、そして日本を支配してきた “アメリカ”の存在。
その現実を実感した映画でもあります。
来年の8月から、一般公開が決まっているそうです

主人公・(尚玄)は、あまっちょろい青年。
米軍物資からくすねた物品を闇マーケットで売り、遊び代を稼いでいます。
彼は、物資を調達してくれる黒人米兵と仲がいいんですけど、
米軍の中にも人種差別があることや、
母親の事故をきっかけに、二人の友情も崩れてしまう現実などが、
それとなく浮き彫りにされていて、在日米軍の現実を感じさせられました。

(虎牙光輝)(宮崎あおい)の兄妹は、良の母親・カミィ(石田えり)に育てられます。
血のつながりはないけれども、この家族にはとても強い絆があります。
カミィの拳骨が、その絆を強くしていったようです。

物語は、この家族を、過酷な現実に巻き込んでいくのですが、
つらいとか、悲しいとかよりも、懸命に生き抜こうとする姿が印象的でした。
沖縄の現実には、戦争の爪あと、アメリカによる占領、日本との関係が背景にありますよね。
でも、彼らは、そのせいだと声高に叫んだりはしないんです。
懸命に生きて、最後に、が一言つぶやくだけで。

だからこそ、私には、魂に響いた映画でした。

時代や場所は違っても、逃れられない現実を抱えながらも、
懸命に、明るく生きている人は、たくさんいます。
今、そういう痛みを正面から描いたエンタテイメントが少ないと、監督は感じていて、
この映画を作ったそうです。
ささくれ立っているけれど、それをなだめられるような、やさしさを持った映画にしたかったそうです。

主演の尚玄は、成長していくの姿を、
妹役の宮崎あおいちゃんは、可愛い姿を見せてくれます。
私は、兄役の虎牙光輝がよかった~!
物静かなんですけど、兄貴なんですよね~。
ラストシーンは、『甘い人生』ソヌを思い出しました。

そして、個性的なチンピラ役を、サイ・ホージンが演じています。
韓国映画『青燕』で、実況中継のアナウンサーを演じていた彼です。
韓国映画ファンには、彼にも注目ですね。

日本映画学校HP・週刊コラムより
『ハブと拳骨』サイ・ホージンさんのコメント
http://www.eiga.ac.jp/colum/colum_sai.html

hoppenの韓的な日々♪より
シネコリ2007・監督ティーチイン:『青燕』、ユン・ジョンチャン監督
http://blog.goo.ne.jp/hoppen_2006/e/04008a9e44779b20a546310ce701c4ab


画像:日本映画学校HP・週刊コラムより、『ハブと拳骨』サイ・ホージン


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