hoppenの韓的な日々♪

2004年・夏、イ・ビョンホンssiに出会ってから韓流へ~韓国映画&ドラマで刺激的になった日々を綴ります。

アニメ版『めぐみ』:舞台挨拶&無料上映会(2008.03.30)

2008-03-31 02:46:39 | 日本映画のレビュー


北朝鮮による日本人拉致事件。
中学1年生のときに、新潟から北朝鮮に拉致された横田めぐみさんは、
30年が過ぎた今でも、ご両親の元へ戻っていません。
そのことを啓発するため、政府の拉致問題対策本部アニメ版『めぐみ』を製作しました。
東京国際アニメフェアが開催されていた東京ビッグサイトで、その無料上映会が行われました。
声優の山ちゃん(山寺宏一)が、大森英敏監督と共に来場するとのことだったので、
見てまいりました。
このアニメ版『めぐみ』は、無料ダウンロードできます
一人でも、多くの方に見ていただき、拉致被害者の方々が受けている苦しみを知り、
全面解決へ向かうよう、祈りたいです。

政府 拉致問題対策本部HP
アニメ版『めぐみ』・無料ダウンロード
http://www.rachi.go.jp/jp/megumi/index.html

このアニメは、日本俳優連合の全面協力を受け、
山ちゃん(山寺宏一)始め、声優の皆さんは、ノーギャラで出演しています。
舞台挨拶では、その経緯や、拉致問題解決への強いメッセージを、
山ちゃん大森英敏監督が語ってくれました。

********
 

<司会者>

出演の経緯は?

<山ちゃん>
拉致問題対策本部で働いている方と知り合って、
自分でも何かできることはないかと思っていました。
そこで、アニメを作るという話が出てきた。
いろいろ、難しいこともあったのですが、私は、ぜひやりたいと思いました。
プロダクションを超えた組合・日本俳優連合の、声優仲間にも声をかけたところ、
ぜひ、やりたいという人が多く、協力することになりました。

<司会者>
皆さん、ノーギャラで出演してくださっているんですよね。

<大森英敏監督>
私は、この事件を、いろんな人に知ってもらいたいと思って作りました。
子供たちにもわかってもらえるような演出を心がけました。
声優さんたちの熱意がすごくて、スタッフにも、その思いが広がっていきました。
出来上がった今でも、
もっと、みんなに訴えるものができたのでは?との後悔がありますけれど。

<山ちゃん>
このアニメ版では、めぐみさんが生まれてからの時間の経過を描いています。
けれども、横田さん一家では、拉致が起こってから、その時間が止まっているのです。
私自身は子供がいませんが、誰にでも、横田さんご夫妻のつらさはわかります。
大切な家族が、突然、袋をかぶせられて連れて行かれ、
勝手に死んだと言われ、送ってきた遺骨は偽物。
そんなことって!(怒)
自分の大事な人間がそうなったら、と思いながら、演じました。

実は、私自身、国である北朝鮮が、こんなことまでするとは思っていませんでした。
まさか、ここまでする国があるとは、思っていなかったのです。
でも、それは事実だった。

最近、この問題が語られなくなっています。
まだ、解決していません。
そう言いながら、私自身も、何もしていなかったのです。

横田早紀江さんが、こんな風におっしゃっていました。
もし、目の前でおぼれている人がいたら、誰でも助けたいと思ってくれるんじゃないかと。
私たちは、今も、おぼれて、もがいている状態なんです、と。

<大森英敏監督>
私は、知らない事実がたくさんありました。
大韓航空機爆破事件の犯人が語っていた、リ・ウネという日本人女性の存在もですが、
小泉首相と金正日総書記との会談で、当たり前のように認めたことも、
ほんとうに事実だったというのが、不思議というか。

今回は、ドキュメンタリーな部分をはしょって、
横田さんご夫妻の、娘への思いを中心に描いた構成になっています。

<山ちゃん>
ダウンロードは、英語・中国語・韓国語で、可能です。
外国の声優さんたちも、皆さん、台本を読み、アフレコをするときに泣いていたそうです。

<司会者>
では、最後に一言ずつ。

<山ちゃん>
めぐみさん役を演じた高山みなみちゃんは、めぐみさんと同じ年齢なんです。
新潟県出身だという、声優もいました。
みんな、自分の身に起こったかもしれないと思いながら、演じました。
ダウンロード&ダビングフリーというアニメです。

1日でも、1秒でも早く、全面解決してほしいです。

<大森英敏監督>
なぜ、アニメ化にしたのかということを、考えてほしい。
他のアニメーションとは違う、アニメです。
お年寄りや、子供たちにも、理解してほしいと思って作りました。

***********

『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』は、ドキュメンタリー映画にもなりました。
わが家にはDVDがあるのですが、つらくて、まだ、見ることができません。

『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』
公式サイト:http://megumi.gyao.jp/

めぐみ-引き裂かれた家族の30年

ギャガ・コミュニケーションズ

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横田滋さんは、めぐみさんの写真を撮るのがお好きだったようです。
父親が、いとおしさをこめて撮った写真の数々が、アニメの中にも登場していますが、
会場にも展示されていました。


私の家にも、同じように、娘を写した写真があります。
私の娘は、めぐみさんが拉致されたときと同じ年齢になりました。
中学入学を記念して撮影した、桜の木の下での写真。
もうすぐ、うちのアルバムにも、加えられるであろう1枚です。


娘と同じ年齢で、突然、拉致されていっためぐみさん。
そのときの恐れはどれほどのもので、どんな風に泣き叫んだか。
娘を見ていると、容易に想像できます。
そして、それを想像しなくてはいけないご両親は、どんなにつらくて、怒りに満ちているか。
他人事とは思えません。

滋さんが撮影した写真と共に、拉致された直後に撮影されたと思われる、
制服姿のめぐみさんの写真も展示されていました。
この写真、早紀江さんは、見たくないそうです。
そりゃ、そうですよね。
とても寂しく、辛そうで、胸が締め付けられます。


誘拐は、重大な犯罪です。
何よりも、被害者が生きているなら、すぐにでも保護しなくてはなりません。
そして、犯人は、取調べを受け、裁判で事実をあきらかにし、罪に服さなくてはいけません。
営利を目的とした誘拐は、死刑という罪が相当します。
それは法律で決まっていることで、法律を遵守しなければ、
世の中は無秩序に陥ってしまいます。

北朝鮮による拉致事件は、犯人が国であるというだけで、重大な犯罪です。
まずは、被害者の保護をするべきです。
そして、きちんと取調べを受け、事実をあきらかにし、
罪に服さなくてはいけないんじゃないでしょうか?
横田さんご夫妻は、そのことを願っているだけなんじゃないでしょうか。

犯人が国であるがために、外交問題として取引されてしまいます。
横田さんたちが、北朝鮮という犯人に対して、当然のことを求めると、
ナショナリズムな方向に利用されたりもします。

私は、北海道の朝鮮学校を描いた、韓国人監督によるドキュメンタリー映画
『ウリ・ハッキョ』を見ました。

hoppenの韓的な日々♪・韓国映画レビューより
『ウリ・ハッキョ』:韓国インディペンデント映画2007にて(2007.08.25)
http://blog.goo.ne.jp/hoppen_2006/e/a1013705c70c4e77bc06c3b5b14630f8

その中で、拉致問題が大きく取り上げられていた時期に、
生徒たちが恐怖を感じていた姿を見ました。
その頃、日本国内の朝鮮学校では、女生徒のチマチョゴリの制服が斬られたり、
学校に脅迫電話がかかったりする事件が相次ぎました。
「日本人を拉致した、北朝鮮の学校だから」という理由で。

これは、横田さんたちが願っていることとは、まったく異なることですよね。

かつて、日本軍が行った強制連行を引き合いに出し、
「今度は、日本人がやり返されただけじゃないか」との言葉も聴かれます。
不幸な歴史が、横田さんご夫妻の当然の怒りさえ、奪ってしまうんでしょうか。

めぐみさんは、拉致されたまま、戻っていません。
横田さんがおっしゃるように、大きな海で、一人でおぼれている状態です。
戦争中に、たくさんの中国や朝鮮の方々が、同じ思いをしたことは事実でしょう。
そのときは、助けられなかった。
助けるための、浮き輪は、まるでなかったんです。
あったとしても、穴だらけだった状態です。
でも、今は、頑丈な浮き輪も、救命ボートだって用意できる時代のはずですよね。
どうか、それが、懸命にもがき続けているめぐみさんのもとに届いてほしい。

会場にいた、拉致問題対策本部の方にお話を伺いました。
北朝鮮とは、硬直状態が続いたままで、解決の糸口が見つけられない状態のようです。
こうして、人々に啓蒙することくらいしか、できないようです。
韓国にも、拉致被害者がたくさんいて、被害者の会同士の連携はあるそうですが、
北朝鮮との関係上、強く出られないようです。
はがゆいですね。
私なんかは、何の力にもならないでしょうが、
せめて、こうしてブログに書くことくらいしかできません。

つらくても、娘に会いたいと願い、活動し続けている横田さんご夫妻の気持が、
北朝鮮に伝わり、全面解決へ向かうことを祈るしかありません。


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4 コメント

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お疲れ様でした。 (わんわん)
2008-03-31 20:32:50
初参加のアニメフェア、面白かったです^^
息子がいなければ、見に行きたかったです。山ちゃん、見たかった~。
でも、拉致問題の進展のなさには、やきもきさせられますね。
新潟に毎年夏に行くんですが、よく通る道で、めぐみさんが拉致されたそうで、それを知ったときは、ちょっと衝撃的でした。
ご家族も、被害者もだんだん年をとるし、早めに解決することを願うばかりです。
返信する
Unknown (hoppen)
2008-04-01 20:39:19
>わんわんさん
アニフェス、すごい人だったね~。
でも、なかなか、楽しめるでしょ!

やまちゃんが、すごく熱弁だった。
普通の人たちが、信じられない事件に巻き込まれるって、本当に怖い。
しかも、20年くらいは、政府からも報道からも、知らん顔されていたんだよね。
めぐみさんが、無事に戻ってきてほしいです。
返信する
こんにちはー。 (トクコ)
2008-04-05 11:14:42
アニメと言えば「JAPAN」と世界に認識されている今日、
めぐみさんの拉致問題をアニメ化というのは、
今更ですが「その手があったか!」と納得の手段です。

映画化したのは、アメリカ人だったし、
めぐみさんの母国である日本だって、
何かしなきゃね!

製作への経緯はhoppenさんのこのブログで
知りましたが、監督といい、山ちゃんといい、
日本俳優連合の方達とスタッフの皆さんは、
とても素晴らしい人達だと思います(^-^)//""パチパチ

横田夫妻がめぐみさんを抱きしめる日が
一日でも早く来ますように!
返信する
Unknown (hoppen)
2008-04-05 18:57:58
>トクコさん
ご無沙汰してま~す。
「おはスタ」を見ていて、以前から思っていたけど、
山ちゃんは、筋の通った、いい人です。
本当に、不条理なことに怒りをもっていて、訴えていました。
しかも、横田滋さん役が、むちゃむちゃ、うまいんですよ。
さすが、ベテラン声優です。

どうせなら、アニフェスでブースを構えてやってほしいくらいなのに、
外れた場所でやっていたので、注目度が低かったです。
ダウンロードで、見てくれる人が増えて、
めぐみさんが戻るまで、風化しないよう、
政府にも、頑張ってほしいです。

アニフェスは、大盛況で、勢いがありました。
ゲームやら、小説やら、DVDやら、フィギアやら、
あらゆる媒体があり、すごい数のアニメが作られているみたいでした。
韓流の比じゃなかったわ。
いや~。
ジャパン・アニメは、すごいっす。
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