hoppenの韓的な日々♪

2004年・夏、イ・ビョンホンssiに出会ってから韓流へ~韓国映画&ドラマで刺激的になった日々を綴ります。

『戦火の中へ』:劇場鑑賞(2011.03.03)

2011-04-27 02:39:19 | 韓国映画・ドラマのレビュー


『戦火の中へ』
포화속으로(砲火の中へ) / 71)

日本公式サイト
戦火の中へ - goo 映画

포화속으로-CINE SOUL MOVIEより

戦火の中へ 豪華72Pフォトブック付 完全限定版 DVD & BLU-RAYコンボ
チャ・スンウォン,クォン・サンウ,チェ・スンヒョン,キム・スンウ,パク・ジニ
角川書店

いつもと同じ、昼下がりの午後3時前。
大きな津波が、たくさんの人の日常を奪い、大切な人を奪い、思い出もすべて奪い去りました。
それでも、強く立ちあがって、生きていく人々。
人は、復興する力を絶対に持っている。

かとちゃんのブログ天を恨まず」で知った動画です。
中学3年生の男の子の、卒業式での答辞です。
Tsunami Damaged Junior High, Addresses at a Graduation Ceremony (English Subtitles)


「自然の猛威の前には、人間の力は、あまりにも無力で、
私たちから大切なものを、容赦なく奪っていきました。
天が与えた試練というには、惨すぎるものでした。
つらくて、悔しくて、たまりません。
しかし、苦境にあっても天を恨まず、
運命に耐え、助け合って生きていくことがこれからの私たちの使命です。」

彼は、私の娘と同じ歳です。
「私だったら、こんなに立派に、強くなれるだろうか?」
そう、言ってます。
でも、つらい時ほど人は強くなる。
亡くなった友達の分も、強く生きて行こうと思う。
つらいことも、悔しいことも、悲しいことも、全部をばねにして乗り越えて行く。

大きな苦難に負けずに、がんばってほしい。
彼らががんばれるように、政府も、周りの人たちも、私たちも、手を携えなくては、と思います。
疲れたときに、癒してあげられる環境も必要です。
彼らのそばに、それが用意されていますように。

若い子たちは、今の日本の苦難を、しっかりと受け止めているように感じます。
高校野球での選手宣誓に、すごく励まされました。

第83回選抜高校野球大会 選手宣誓 (創志学園 / 野山主将) 2011年3月23日

テレビで、たくさんの若いボランティアが活躍している姿にも、励まされます。
被災した方々の力になってほしいです。


映画はフィクションですが、様々な人生が描かれ、
現実に生きていく人々の姿と重なります。

東北の被災地で答辞を詠んだ中学生の姿は、震災の前に見た『戦火の中へ』の少年の姿と重なりました。

お母さんに戦争の恐ろしさを手紙に描き続けた、あどけない普通の少年です。
自分の目の前に戦争が立ちはだかり、強くなるしかなかった。
戦争の賛辞ではなくて、
追い込まれても、仲間と一緒に懸命に戦い続ける少年の姿が、強く印象に残りました。

 
 


**** あらすじ&解説-goo映画より ****
朝鮮戦争が始まって一カ月余りが過ぎた1950年8月。
北朝鮮軍の猛攻にさらされ、朝鮮半島の南へと後退を余儀なくされた韓国軍は、
最後の砦として洛東江を守り抜くべく、浦項の全兵力を前線に投入することになった。
そのため、軍司令部が置かれた浦項女子中学校は、
戦闘経験がほとんどない71人の学徒兵に託されることに。
隊長のカン・ソクテ大尉は、戦闘経験がある少年ジャンボムをリーダーに任命、
学徒兵全員にライフルを支給する。

********

この映画で描かれた71人の少年兵の話は、実話です。
15歳~18歳くらいの少年たち。
11時間半、北朝鮮軍を足止めして、47人が戦死。
捕虜になり、銃殺直前に逃げ出したという方が、パンフレットにコメントをしていました。

映画の中で恐ろしいと感じたのは、武器や弾薬が大量にあることです。
朝鮮戦争は、米ソの代理戦争でした。
互いの陣営から武器が投入され、同じ民族が戦った戦争です。
戦後の日本が復興した背景には、この朝鮮戦争による特需があります。

1950年、北朝鮮が韓国へ侵攻し、韓国全土が戦場の地となりました。
休戦協定までの3年と1カ月の間に、死亡者数は200万人。
韓国では、死亡者の85%が民間人だったと推定されています。
映画の中では、橋を爆破され、逃げ場を失う民間人も描かれていました。

この戦争の後、大きな傷を抱え、荒廃した土地を、
韓国の人々はどうやって復興して行ったんだろう?
韓国人のパワーを、改めて感じました。

主人公の少年兵を演じたチェ・スンヒョンは、
ご存知BIGBANGのT.O.P。

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BIGBANG
UNIVERSAL J(P)(D)



おびえながらも戦火の中で闘い抜き、
だんだん強くなっていく姿が、とてもリアルでした。



同じく、少年兵に、韓流スターとしても有名なクォン・サンウ。


このキャスティング、私は、しっくりこなかったです。
ご本人は主人公をやるつもりだったそうですが、それも???。
人生の経験を積んでいる30代という先入観があり、
子供もいる人だし、10代の少年には見えなくて。

キム・スンウが演じた韓国軍の大尉をサンウ君が演じ、


端役のように扱われていた、その上司・韓国人参謀をキム・スンウが演じれば、
もっと、深みが出たんじゃないかと思います。


少年たちを追い詰める北朝鮮の将校は、チャ・スンウォンが演じました。
怖かったです・・・・。


でも、なぜ、彼の軍服だけが白なのか?
謎です。

突っ込みつつも。

史実としての朝鮮戦争というより、
少年が生きて、成長していく姿が、この映画のテーマだったように感じます。
韓国での評価・興行は今一つだったのですが、そのためかもしれません。

監督は、『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督。

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イ・ジェハン
ジェネオン エンタテインメント

この映画、大好き~!
若年性アルツハイマーを患う妻と、彼女を守ろうとする夫のラブストーリー。
病気を描くのではなくて、
夫が、愛する妻を守るために成長していく姿が、丁寧に美しく描かれている映画でした。

どちらも、一人の男性の、成長し強くなっていく過程を描いた映画と言えるのかも。
戦闘シーンは、戦争の恐ろしさを体現させる迫力だったけど、
ときどき垣間見える美しい音楽や風景が、イ・ジェハン監督らしかったです。

戦争映画というジャンルにはくくれない、心を打つ映画でした。


おびえながら、戦いながら、お母さんへ書いた少年の手紙(抜粋)です。
戦闘のあと、彼らの死体が放置されていて、
胸のポケットから見つけられた手紙だそうです。

お母さん、僕は人を殺しました。
・・・・
なぜ戦争をしなければいけないのですが?
僕は怖くなります。
・・・・
お母さん、もしかすると僕は、今日死ぬかもしれません。
死ぬのが怖いのではなく、
お母さんにも兄弟にも、もう会えないと思うと恐ろしくなるんです。
早く戦争が終わって、お母さんの胸に抱かれたいです。
・・・・
お母さん
僕は必ず生きて、お母さんのもとに帰ります。
サンチュ包みが食べたいです。
冷たい小さな泉で歯がしびれるほど
冷たい水を思い切りの見たいです。
・・・・
ああ! 奴らが近づいていきます。
また書きます。
お母さん、さようなら! さようなら!
いや、さようならじゃありません。
また書きますから…。
それでは…。

災害でも、多くの方の命が奪われ、日常を奪われた方々を思うと、
胸が張り裂けそうにつらいです。
ましてや、戦争で、人の命が奪われるのは、絶対に嫌だ。

日本が平和を大切にして、世界へ発信していたことで、
今回の震災では、世界中から支援が集まっています。
復興への大きな力になります。
平和であることは、本当に貴重で、大切なことだと、しみじみと感じます。

子供たちが安心して勉強できる環境を、ちゃんと取り戻してあげてほしいです。
それが、復興を支える希望になります。
ファイティン!


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