シネコリの東京会場では、各映画上映後に、ティーチイン(またはトークイベント)がありました。
それぞれの作品ごとに、その様子をご紹介しますね。
まずは、私も質問をしてしまった『青燕』から。
実は、私の質問が「仕込みじゃないか?」と、噂されているらしい。
違いますよ~!
純粋に、あの俳優さんの存在を知りたかっただけですから^^
他にも、女性飛行協会の方が会場に見に来ていらしていて、
主人公、パク・キョンウォンさんの慰霊碑のことを話してくれました。
9月16日、キョンウォンさんが眠る熱海では、『青燕』の無料上映を行う、という情報もありましたよ。
(あらすじは、こちらで確認してね)
シネマコリア2007・作品紹介:『青燕(あおつばめ)』
innolife映画紹介より:http://contents.innolife.net/listm.php?ac_id=7&ai_id=7989
(こちらでは、キョンウォンさんの実物写真などを見れます)
熱海市の青燕あおつばめ紹介文
http://www.atami.info/sd_diary_h/200403.html
この映画を見るのは、去年の東京国際映画祭に続き、2回目です。
1度目は、ストーリーに圧倒されてしまったのですが、
今回は余裕を持って見ることができ、堪能できました。
質問の時に、監督さんに言ったのですが、
とにかく、この映画の複葉機のシーンがすっごく好きなんですよ。
飛行学校のレースシーンは、大好きだった少女漫画を、そのまま映像にしてくれていて、たまりません。
実写で見ることができるとは思っていませんでした。
美しい風景の中を、複葉機がす~っと羽ばたくの姿は、すばらしいです。
ぜひ、みなさんにも、スクリーンで堪能してほしいです。
そして、自由に生きようとする女性を、強く、美しく描いているところも好き。
私も、彼女のように飛び立つ強さを持ちたいな・・・。
さて、ティーチインの詳細です。
Q:映画化のきっかけは?
A:主人公の女性、パク・キョンウォンのことは、韓国でも日本でも知られていません。
私は、ラジオで、彼女が墜落した日に紹介していたのを、偶然聞いて知りました。
それから、丸1年、資料を探して、立川や遭難場所に行きました。
キョンウォンは、朝鮮人初の女性パイロットであるはずなのに、
韓国の記録からは抹消されています。
映画に登場した、彼女の後輩が、第1号の女性パイロットとなっています。
なぜなら、キョンウォンは、植民地時代に、日本の飛行機に乗り、
日章旗をつけて飛行をしたからです。
歴史から消された人に、スポットをあてたかった。
彼女の人生や愛について、知ってもらいたかった。
**** 8/25・追記 ****
Q:公開当時の韓国での反応は?
A:日帝時代に、日本の助力で飛行士になった主人公に対して、批判を受けました。
作品として評価してくださる方もいたのですが。
******************
Q:映画の中で起こる暗殺事件は、フィクションですが、
実在の人物を描いている中に、なぜ、入れたのですか?
A:この時代に起きた、さまざまな出来事の一つとして、入れたかった。
彼女の恋人も、架空の人物です。
(この映画は、実在の人物を描いている中に、フィクションの事件や人物が登場します。
事実とフィクションの境目がわかりにくくなって、混同しちゃうのです。
それが、高評価されなかった、原因の一つかもしれません。
フィクションということを頭においてみたほうが、すっきり見れる映画かも)
Q:彼女が最期を遂げた場所(熱海の山中)には、慰霊碑がありますが、
誰が作ったのですか?
A:墜落した場所の近くに村があり、鎮魂のため、住民が慰霊碑を作り、慰霊祭も行っている。
当時、村の人々は、キョンウォンの捜索を手伝い、丁重に弔ったそうです。
Q:飛行大会の実況をしている俳優さんが、臨場感があってよかったのですが、だれですか?
(これが、私のした質問です。
前回見たときから、ずっと気になっていた実況中継のアナウンサー。
当時の雰囲気がすごく出ていたのです。
競馬の中継アナウンサーなのかと思っていたのですが)
司会者:実は、その役者さんが、今日、この会場に来ています。
(サイ・ホージンさんという方で、終了後、サインをしてもらいました
***追記***日本映画『ハブと拳骨』に出演しているそうです)
A:日本でオーデションをして選んだ俳優です。
日本で、活動をしています。
実は、すり役のオーデションだったのですが、あまりにも声がよかったので、
アナウンサーをやってもらうことにしました。
Q:チョン・ジニョンさんは、日本語がうまいですが。
(主演のチョン・ジニョンが、あまりにも、流暢な日本語をしゃべっていたので、
こんな質問もしてみました)
A:今回の上映では、日本語は吹き替えです。
(声がそっくりだったので、まるで、違和感がなかったです)
(ここで、女性航空協会の方が、↓こんな話をを教えてくれました)
Q:2003年に、キョンウォンさんの没後70周年だったので、慰霊祭を行いました。
熱海市が開催してくれました。
そのとき、熱海の韓国村(梅園の中)に、新しい慰霊碑と建てました。
事故当時、熱海市民の方は、献身的に、キョンウォンさんの捜索を手伝ったそうです。
*その縁で、9月16日には、熱海市で、無料上映会を予定しているそうです*
*お近くの方は、ぜひ、お出かけください!*
Q:映画の中で出てきた「日満鮮親善飛行」は、実際に、キョンウォンさんが行ったのか?
A:日満鮮親善飛行は、本当に行われ、キョンウォンさんが飛行しました。
当時、飛行士になったときには、故郷へのフライトをするというのが慣例でした。
小泉前首相の祖父が、この飛行行事の担当者でした。
(政治的な行事だったようです)
Q:日韓関係については深く語られていませんが、それを盛りこうもうと思わなかったのか?
A:歴史は変えられないし、記録されたものは、消せません。
私は、歴史の中で消され、忘れ去られている人を、みんなに知らせたかった。
時代を描きたかったわけではありません。
(この映画のいいところは、この、監督のキョンウォンさんへの思いです。
イデオロギーの映画ではなく、キョンウォンという人物を描く映画なんですね。
登場人物も、日本人=悪人、朝鮮人=日本に反抗する人、といった描かれ方はしていません)
Q:撮影のロケ地は、どこですか?
A:全部日本で取りたかったのですが、時間的にも金銭的にも難しくて・・・。
立川飛行学校の飛行場のシーンは、中国です。
でも、中国では、法律で、飛行機は飛ばせないのです。
飛行機を飛ばすシーンは、アメリカで撮影し、合成しました。
(素晴らしい技術だ!)
日本での撮影は、10%~20%です。
以上の質問で、ティーチインは終了しました。
今年は、交流パーティも催され、監督と直接話す機会がありました。
監督さんは、「日本の着物の着付けは、おかしくなかったですか?」と気にしてらっしゃって。
私は、気づいていませんでしたが、着物を着る友達は、「確かに帯がちょっと変だったかな」と、言ってました。
でも、気にならない程度で、『SAYURI』よりは、全然ましだそうです。
そういう、細かいところまで気配りをして作った映画なんですね。
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そーじゃないか?と思いながら壇上から拝見していました。(^^;
一生懸命ノートを取ってらしたのも印象的で。こんなに詳しくレポートしていただいてありがとうございます!
本当は映画祭側がオフィシャルで掲載しないといけないんですけどね~(爆)
聞きところを抑えてますね
以前から推薦していただけのことあって、
興味深い映画だわ
ただ、こちらでは観ることができないので、WOWOWでの放送を希望しているところです
Q&Aの臨場感が伝わってくるわ。
作り手と観客がお話できる機会って、
日本でもそうそうないことなのに、
韓国映画で実現してしまうとは!
いいなぁ~東京。。。
ワタシは明日から名古屋で鑑賞してきますね♪
監督さん、とってもいいお声で、やわらか~い語り口調だったから、
会場は静かな空気に包まれてたけど、
hoppenちゃんの質問で、いきなり盛り上がったもんね。
ナイスだったわ~~!!
そして、このレポ。
よくメモったね~!
さすが!!
楽しい映画祭を開催してくださって、ありがとうございます。
昨年参加できなかった分、今年は燃えていて・・・。
4作品とも、一番前に陣取ってしまいました。
サイ・ホジンさん(お名前、あってます?)の登場は、びっくりしました!
あの時、「仕込みじゃないぞ!」と言っておけばよかったですね^^
監督のティーチインを聴くと、映画への愛情が伝わって、その作品に愛着がわきますね。
名古屋や大阪で見る人にも、伝えたいな~と思いました。
4作品ともルポするつもりなのですが、できるかな。
がんばります。
>ヨンハ姐さん
シネコリの上映作品って、なかなかお目見えしないのよね。
今回の4本は、どれも見応えがあったから、もったいないです。
なんとか、世に出てほしいです。
>トクコさん
うふっ、お褒めくださって、ありがとうございます。
どの監督さんも、描いたキャラクターへの愛情が深くて、
だから、パワーのある映画に仕上がるんだと実感できました。
あの熱さは、韓国ならではなのかも。
名古屋でも、盛り上がってくださいね。
>よんみちゃん
2日間、お付き合いくださって、ありがとう!
韓国にどっぷり浸かれた2日間だったね。
韓国映画危機説がありますが、これだけ楽しめる映画が作られているなら、充分すごいですよね。
よんみちゃんの感想は、いつもながらに鋭かったです。
また、ご一緒してくださいね。
初めましてYOUKOです よろしくお願いします
どれもこれも読み応えのある内容ですね
果たして どこまでついていけるか 理解できた時に参加させてくださいね^^
「青燕」面白そうですね 私も見たくなりました
大阪でも上映されるのですか?
↓下の記事で
私の勘違いだと言う事が分かり嬉しくてコメしに来ました。
ダニエル・ウーさんがケガをしてその代わりにショーン・ユーさんが出演なさるのですね
私はどこかの記事でその代わりがビョンホンさんだと見た様な気がしまして、ずーーと気になってたのです。
監督さんが「甘い人生」の彼を見て俳優として気に入ってくださったと 書いてありましたがそれなら何故代役なんだ? おかしいじゃん!!
言ってる事としてる事が合わないじゃん!!
我らのビョンをなめんなよ!っと思ってました
良かったです こちらを訪問させて頂いて^^
それに ショーン・ユーさん 素敵な俳優さんですね
まだまビョンに夢中で映画が好きなのですが なかなか他の物を見る時間がありません
こちらで 色々楽しませて貰います
よろしくね^○^
途中まで書いたのに、消えちゃった・・・から。
この映画、前にhoppenちゃんが紹介してくれた時、
監督さんは、製作にあたっては、ご苦労が
あったのでは?と思っていましたが、やっぱり、
お国では、大変な思いもあったのですね。
主人公の方は、熱海で亡くなったのですか!?
>事故当時、熱海市民の方は、献身的に、キョンウォンさんの捜索を手伝ったそうです。
せめてもの救いです。
日本の終戦記念日は、韓国の独立記念日だそうですね。
歴史を見据えた上で、ユン ジョンチャン監督、
井筒監督のような監督にどんどん映画を作って
欲しいですね。
前のトピで、亡くなったと思った初恋の人が
生きていたり、って・・・あるのでしょうね。。。
いつも、ありがとう,私にとってhoppenちゃんも日韓友好大使です!
ようこそ~!
別のお部屋で、お名前を拝見してますよね^^
『青燕』の大阪での上映は、9月1日(土)です。
お時間が合えば、お出かけになってくださいね。
シネマコリア2007大阪会場概要
http://cinemakorea.org/filmfes/ck2007osakaa.htm
写真で見ると、ダニエル・ウーって、スゴイ迫力ですよね。
ショーン、大丈夫か、ちょっと心配だったりするんですけど。
ビョンホンssiは、監督に惚れ込まれての出演とのことで、ファンとしても、うれしいですね!
ビョンホンssiも、撮影での笑顔が、輝いてますよね~。
>JJJちゃん
お疲れでした~。
ネタバレですが、キョンウォンさんは、熱海山中で最期を遂げます。
この映画は、韓国の中で、日韓の歴史に新たな視点が出てきたのかな、と感じる映画でもあります。
そこが、興味深い。
一つの出来事でも、立場が違うと、いろんな解釈になりますよね。
映画でも、そういうのが現れるし。
相手がどんな風に解釈しているのか、理解しあうのにとても役立つんだな~と思います。
純粋な映画好きの方からは、ちょっと逸脱した見方かもしれませんけどね(^_-)
それと、この映画にアナウンサー役で出演していた役者さん(サイ・ホージンさんですよ!)、本当に声に特徴があり、存在感がありましたね!私もサインして貰いましたよ!プチ情報ですが、その時今後の出演(上映予定)作品を聞いたら「ハブと拳骨」という作品にかなりいい役で出演しているとのこと・・検索してみたら・・なんと来月の東京国際映画祭のコンペ部門に日本から唯一の作品として、出品されるようです。宮崎あおいちゃんがヒロインなので、注目されそうですね!!楽しみ~
来年もコリア映画祭を楽しみにしてます!
フィクションが混じっているとはいえ、
私も、映画の中の朴敬元に、大きな感銘を受けました。
あんなふうに、自分自身を強く持って生きてみたいです。
サイ・ホージンさん情報をありがとうございます!
『ハブと拳骨』、東京国際映画祭にランナップされていますね。
沖縄の混乱期を描いた映画のようですね。
映画祭の見たいリストに入れました!(^^)!