最近の住宅では、大きな窓を作る事が多くなった。
大きいどころか、気持は全てが窓(ガラス)だ。
それは理解できる。
狭いスペースを大きく感じさせるために有効だ。
ただ、その窓(開口)にあまり魅力がないものも多い。
『窓』というものは、
採光や換気という機能的側面の他に、
物語りやロマンみたいなものがある。
昨今の大きな窓は、「窓」ではなく「開口」なのだ。
建物の形状をみると、そうゆう家は「BOX」だ。
つまり、
箱(BOX)がまずあり、
それに切り込みを入れ、
ある「一面」を開放したり、
ずらし、
それによって発生した「すきま」を作る
という意識なのだ。
そうゆう立体的なカッコよさやダイナミックさを作ろうとしている。
造形物ならそれで完結するが、建築の場合、そうはいかない。
だから、その面やすきまにガラスを入れる。
本当はそれで終わりたいのだが、それは受け入れられるものではないから、開閉する機能を取付ける事になる。
「窓」ではなく「開口」とは、そうゆう事なのだ。
「窓」の物語りやロマンなど情緒的側面は、そこには・・ない。
建築を設計する者にはいろいろなタイプがある。
造形的なモノを作ろうとする者、
情緒的な面を形にしようとする者、
単に建築物を作る者・・・
依頼する人にも同様にいろいろなタイプがある。
依頼する者とされる者のタイプがうまくマッチすれば、
それは「幸せ」なのだ。。
窓(or 開口)に対する考え方から、そんな違いが見えてくる。