オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

HP/654A CR発振器

2012年04月01日 | 測定器
HP/654A CR発振器


(概説)出力インピーダンスを何通りも替えることが出来る発振器です。大変フラットネスに優れていて、指針の幅ほどの変動も無いのが普通です。
10Hz-10Mhz
 



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MARCONI TF2005 2トーン発振器

2012年04月01日 | 測定器

MARCONI TF2005 2トーン発振器


(概説)今はあまり言う人もいなくなりましたが、以前は混変調歪率という言葉が有りました。それ専用の測定器もメグロから出ていました。二つのかなり離れた周波数の信号を或る比でアンプに入力し、歪をみるというものでした。二つの信号は低歪である必要が無いので便利であった筈ですが、実際に測った人は少なかっただろうと思います。古いアマチュア向け管球式発振器等に混変調歪測定用の信号が出るようになってるものもありました。(キクスイORC27、リーダーLAG55等)。


 本機はその本格的なもので、恐らく主たる用途は混変調歪の測定ではなかったかと思います。今はアマチュアですらスペアナを持てる時代になったので混変調歪の測定はラクラクと出きます。

 尚、本機は意外にも低歪で0.01%を下回ります。





 
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HP 201C CR発振器

2012年04月01日 | 測定器

HP/201C CR発振器


(概説)平凡なCR発振回路にこういうものとしては高出力の出力増幅器が付いたものです。出力増幅器は6K6(42みたいなタマです)のプッシュプルで約3W出ます。




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PHILIPS/PM5145 CR発振器

2012年04月01日 | 測定器
フィリップス/PM5145 CR発振器

 10Hz-10Mhzの広帯域のCR発振器だ。昔持っていて売ってしまって後悔したモノの一つ。なかなか面白いのはこういうものとしては珍しく方形波を出力出来ることだ。ところが最高周波数レンジでは方形波が出力されない。しかもそのレンジで方形波にしておくと赤ランプが点く。

 なぜかと言えば方形波の10Mhzを綺麗に出力させる為には出力増幅器は100Mhzの帯域がなければならない。それだとコストが掛りすぎるので方形波の出力は1Mhzを上限にしたのだ。こういうところがゲルマン流の非常に合理的、正統的なところで、やっぱりフィリップスは一流メーカーと思ってしまう。

 東亜電波とデザインが非常に似ている。国産の測定器は欧米のモノをまねてだんだん立派になって行ったのだ。

 初心者に方形波は要らないものだ、と以前は話したものだったが、ある時期から疲れる事は止そう、と思うようになった。

 
 サラリーマン時代、職務上いろいろなことで説明したり、説得を試みたりしたものだったが、自分でも分らないながら “でもやっぱり”と言う人は多い。50歳を過ぎるくらいから一度だけ話してみるが、分らないならそれ以上は言わないことにした。



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菊水ミリバルの調整法

2012年04月01日 | 測定/オーディオ
菊水ミリバルの調整法

 菊水のミリバルの調整法は最高感度が1mVフルスケールのものは型番が違っても同じなので、下記の要領でやれば良い。こういうものはフルスケールの2%の誤差は許容されている。一度合わせれば滅多に狂わないので何度もやる必要は無い。定期校正というような話は、業務用の世界のことでアマチュアには必要ない。

 尚、ミリバルは同じ感度のものならばどのメーカーのものも基本的に同じ構成なので、以下と全く同様の方法で調整出来る。

 最高感度が100マイクロVや10マイクロVと言ったものは様子がガラリと変わるのと、調整用ポテンショが何倍にも増えるので触らない方が無難だ。

 下記は菊水の164D、1633に共通で、164Eと1653の場合は 30mVを50mVに、1Vを1.5Vにすれば良い。

1、電源電圧を25Vに調整。電源近辺にVRが有る。
2、400Hz30mVを入れ、RV301を調整してフルスケールに合わせる。
3、1Mhz30mVを入れ、RV301近くのCを調整。
4、400Hz1Vを入れ、入力端子近くのVRを調整してフルスケールに合わせる。
5、40Khz1Vを入れ入力端子近くのCを調整。
6、本当は出力増幅器もメーターがフルスケールを指示したときに、1Vを出力するように合わせるのだが、実際にはこの出力を定量の為に使用することは稀有と思われる。使用する人は合わせておけば良い。

 経験的に言えば、周波数特性のCは弄る必要が無い場合が多い。






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未知のトランスの測定方法

2012年04月01日 | 測定/オーディオ
未知のトランスの測定方法


 さて、別記の 未知のトランスのインピーダンスの推定方法 で見当をつけたトランスを実際に測定してみます。

トランスは二次側両端に抵抗をシャントすれば、一次側にインピーダンスが現われます。これはブリッジで測定し、仮にZpとします。

次に出力抵抗の既知の発振器を用意し、その出力に直列に抵抗を入れ、出力抵抗と抵抗の和がZpになるようにします。

こうしておいて トランスの一次と二次の電圧を測定します。

 ミリバルで測定すれば周波数特性が分かり、ヴェクトルインピーダンスメーターなら周波数によるインピーダンス及び位相特性が分かります。オシロ或いはスペアナなら周波数特性と位相特性が分かります。ゲインフェーズメーターHP3575Aでも測定できます。これはゲインがdBで、位相特性が0.1Deg単位で表示される測定器です。

 

 仮に一次対二次の巻き数比(電圧比)が30:1のトランスが有るとし、二次に8Ωをシャントすれば、一次側は計算の上では7200Ωに近いインピーダンスに
なります。然しながら実測すると計算で得られる値と著しく異なる場合があります。これはDCRとインピーダンスの比を大きく開かない場合に起こります。

 電力の伝送ではトランスでの電力損失が過大では困るので、DCRとインピーダンスの比を大きく開くのですが、単に電圧を伝えるだけの場合はDCRの二倍とか三倍程度にしか開かない場合が有ります。そのような場合は計算で得られる値と実測とは大きく違います。例えば計算では5KΩくらいでも実測では10Kを越えるというようなことが起こります。

  


未知のトランスの測定方法/簡便法


 以上がまぁまともな測定法です。でも考えてみると、実装されたトランスをドライブする電源(通常は真空管)はZpよりずっと小さいインピーダンスであることが多いです。近頃大流行した超三結に至ってはZpより著しく低いインピーダンスでした。こういう現状を見れば一次側に整合抵抗を入れないで測定するのがむしろ、現実に近いと考え、整合抵抗を省略し、発振器出力を直接一次側に入れます。こうすると測定が多少ラクになります。

 Zpよりも小さい出力インピーダンスでトランスを駆動すると、正規の測定法で測るより低域が伸長します。逆に高域は減衰します。これは初心者にハードルの高い高域補正が必要なくなるか、僅かで済むので“良いことずくめ”と言ったほうが良いでしょう。
 




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