North of Hologon

photographed by Carl Zeiss lenses

Hologon検証(歪曲収差の真実 その1)

2016-02-13 20:29:47 | Hologon検証
Hologonの最大の特徴は歪曲収差がほぼ0に補正された対称型のレンズ構成です。にもかかわらず、以前の記事でhologonをSONY α7Sに取り付けて撮影した時に直線が大きく湾曲して写ってしまう現象を紹介しました。今回はこれをさらに深堀検証してみます。

今回の検証では、Hologonを三脚に固定したα7SとLeica M3に交互に取り付けて撮影して比較してみました。まずは、前回と同じく1mほど離れた壁の撮影結果です。最初はα7Sです。

今回、改めて撮り直してみましたが前回と同じく酷い樽型の歪曲です。これがHologonでの撮影結果とはにわかに信じられない気分です。

次はLeica M3とフィルムで撮影した結果です。

ちょっと右上がりに傾いてしまったようですが、こちらはうって変わって樽型の歪曲は消えて直線はほぼ真っ直ぐに写りました。

近接撮影だけでなく、無限遠でも確認することにします。まずはα7Sでの撮影結果です。

建物の上端部分を見るとやはり無限遠での撮影でも樽型の歪曲収差が酷いです。こんなのはHologonじゃない!!

一方、Leica M3とフィルムで撮影した結果がこちらです。

そうそう!これですよこれ! やっぱりHologonはこうでなくっちゃ!

どうやらHologonはデジカメ(SONY α7S)との組み合わせの場合、その最大の美点である「直線はどこまでも直線に写る」という特徴を失ってしまうようです。これまでHologonをα7Sで撮影した時にフィルムと比較して周辺画質がイマイチなことに加えて、なんとなくですが「Hologonの凄み」が影を潜めている気がしてなりませんでした。その原因がこの歪曲収差に起因していたのかもしれません。

なぜ、このようなことが起きるのか? SONYのα7シリーズに使われているイメージセンサーにはCMOSの前にかなり厚みのあるガラスが構成されていると言われています。これのせいで対称型レンズを通して周辺部分に斜めに入った光は悪影響を受けてしまいます。このガラスに起因する悪影響が歪曲にも影響を及ぼしているのでしょう。α7Sの登場で、Hologonをフルサイズのデジカメで撮影できるようになったことは喜ばしいですが、こと画質面に関してはまだまだフィルム撮影に及ばないと言えそうです。


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