North of Hologon

photographed by Carl Zeiss lenses

東京水道発祥の地

2015-07-25 10:30:52 | Hologon 16mm F8 G/Leica M3
超高層ビル群が立ち並ぶ新宿ですが、かつてここには浄水場(淀橋浄水場)がありました。50年前に東村山浄水場にその役割を譲ったので、当時の面影を記憶に留めている人は少ないのではないでしょうか。浄水場跡地には当時使われていた 大きな止水弁がひっそりと展示されています。(Leica M3 Hologon 16mm Ektar 100)

モザイク通り

2015-07-20 09:09:43 | Hologon 16mm F8 G/Leica M3
年末になると美しいイルミネーションが有名な新宿モザイク通り。小田急百貨店と京王百貨店の間にある幅の狭い通りでお洒落な雑貨屋やレストランが小道にたくさんあります。優れた環境色彩の認知と景観の質の向上を色彩の側面から支援する「公共の色彩賞」を受賞したエリアでもあります。(Leica M3 Hologon 16mm Ektar 100)

Hologon検証(Hologon 16mm vs Super Wide Heliar III 15mm フィルム編)

2015-07-12 09:06:33 | Hologon検証
これまで2回にわたってHologon 16mmとSuper Wide Heliar III 15mmをSONY α7Sで撮影した描写を比較してきました。

 ■Hologon検証(Hologon 16mm vs Super Wide Heliar III 15mm 歪曲編)
 ■Hologon検証(Hologon 16mm vs Super Wide Heliar III 15mm)

今回はネガフィルムで撮影した両者の画質を比較してみることにします。

【撮影条件】
 フィルム:KODAK EKTAR 100
 カメラ:Leica M3
 絞り:F8
 フォーカス:無限遠固定
 フィルムスキャン:Nikon CoolScan 5000ED
 画像処理:Photoshopでレベル調整、リサイズ


まずはHologonの画像です。


次に、Super Wide Heliar IIIの画像です。


いかがでしょうか? Super Wide Heliar IIIの方が周辺光量の低下が穏やかという以外に両者の画質差に顕著な部分は感じられません。SONY α7Sで撮影したデジタル画像では散々な結果だったHologonですが、フィルムでの撮影でようやく面目躍如といったところでしょうか?

もう少し細かい部分を比較できるように中心部分を等倍拡大してみました。

全くの中心ではなく、少しだけ端に寄った部分を拡大していますが全く差がない、と言ってよいのではないでしょうか?

次は気になる周辺部分です。

光量の差がはっきりあるのがわかりますが、注目すべきはアンテナの部分の描写です(Hologonの方には鳥がとまっているようですね)。細かい導波器(棒)の一本一本はSuper Wide Heliar IIIがしっかりと描写しているのがわかります。周辺画質は僅差でSuper Wide Heliar IIIが優勢ですね。

これまでの3回にわたる検証の結果からの結論は、デジタルでの撮影はSuper Wide Heliarの圧勝、フィルムでは僅差でSuper Wide Heliar IIIが優れているといったところでしょう。Hologon 16mmがCONTAX G1とともに登場したのは1994年ですのですでに20年経過しています。2代目Hologonもすでにオールドレンズと呼んでよいほど、登場から時間が経っています。その間、レンズ設計技術も格段に進歩しているのでしょう。とはいえ、フィルムで撮り比べた場合に最新のSuper Wide Heliar IIIとの差異は極わずかであるのでHologonの描写は20年を経ても陳腐化していないと言えると思います。一方でデジタルカメラで撮影する場合に要求されるレンズ設計技術にはフィルム時代にはなかった要素が加わっているのだと思います。イメージセンサーへの入射光の制御といった部分が代表例でしょう。Super Wide Heliar IIIにはこういった部分に対して、20年の進歩が盛り込まれていると考えるべきでしょう。では、デジタル時代にHologonは完全に役目を終えたのでしょうか? 必ずしもそうとは言えない気がします。うまく表現できないのですが、デジタルで撮影したHologonの描写を見ると、何か凄みを感じるのも事実です。Super Wide Heliar IIIの描写から受ける清々しい「健全さ」とは対極的な、激しい周辺光量落ちに起因すると思われるどこか退廃的な雰囲気は他では得られない雰囲気なのでしょう。事実、現在では35mmフルサイズのデジカメでは実力を存分に発揮できないことはわかっているにもかかわらず、中古市場ではいまだに10数万円で取引されています。単なる画質だけでは説明が付かないHologonの独特の雰囲気に価値を見出す人たちが多数存在しているのだと思います。私も、Hologonは今後も使い続けていくつもりです。


Hologon検証(Hologon 16mm vs Super Wide Heliar III 15mm 歪曲編)

2015-07-08 21:19:49 | Hologon検証
前回はHologonとSuper Wide HeliarについてカメラをSONY α7Sに固定して撮り比べてみました。今回は両者の歪曲について比較してみました。撮影は約0.5m離れた壁の前に三脚でα7Sを固定しています。

まずはHologon 16mmです。

あれれ!?歪曲が皆無というのが売りのHologonが思いっきり樽型に歪んでしまっているではないですか?どういうことでしょうか?

気を取り直してSuper Wide Heliar 15mmの結果です。

おやおや、こちらはHologonとはうって変わって歪曲は小さめです。最初は両者の撮影結果を取り違えたのかと思いましたが、周辺光量を比べてみると決して間違えていないことがわかります。

今回は大変ショッキングな結果になってしまいました。これは一体どういうことなのでしょうか?Super Wide Heliarが極めて優秀なのか、私の持つHologonが個体差の中でも特によろしくない素性だということなのでしょうか? もしかして無限遠の距離の被写体で撮り比べると本来の実力通りになるのでしょうか? 少し混乱しています。いずれにしても、このままではHologonの存在意義が根底から覆りそうな状況です。前回の比較と今回の結果を合わせるとSuper Wide Heliarが最新の設計により大変優秀なレンズであることは間違いないでしょう。とはいえ、すっきり心が晴れない結果になってしまいました。

Hologon検証(Hologon 16mm vs Super Wide Heliar III 15mm)

2015-07-04 17:04:11 | Hologon検証
コシナから超広角レンズSuper Wide Heliarの三世代目のモデルが春に発売されました。これまでのモデルはフィルムカメラ全盛の時代である1999年に発売され、Hologonに匹敵する画質ながら、そのお手頃な価格で大変人気がありました。ところがフィルムからデジタルカメラに主流が移行してからはSuper Wide Heliarとの相性はあまり良いとは言えず、周辺部分のカラーシフトや解像度低下が指摘されていました。このたび登場した三世代目はデジタルカメラ使用時でも画像周辺部の色被りの発生を防ぐべく、センサーへの入射光線角度を最適化した、とのことです。今回、この新しいSuper Wide Heriar IIIとHolgonを同じ条件で撮り比べてみました。(比べるまでもない、と予想できますが。。。)

三代目になってSuper Wide Heliarはレンズ全長が長くなってしまいました。これはデジタル対応のための光学系採用のためにはやむを得ないのでしょう。Hologonの小ささが際立ちます。


次にレンズ構成図の比較です。左から、Super Wide Heliar初代/2代目、3代目、Hologon 16mmです。Super wide HeliarはよりDistagonに近い光学系になったようです。


では、いよいよ同じ条件での撮影結果比較です。両方ともSONY α7Sで撮影し、補正は一切加えていません。まずはHologon 16mm F8の撮影結果です。

周辺光量と解像度がドスンと落ちて、なおかつマゼンダの色かぶりも確認できます。いつも通りのHologonとα7Sの組み合わせ通りの絵が出ています。

次はSupper Wide Heliar 15mm F4.5 絞りはHologonに合わせてF8としています。

すっきりクリアな結果です。周辺光量落ちもHologonよりはかなり少なく、解像度の低下も感じられません。画角は1mmの差があるのですが撮影結果ではほんの少ししか差がありません。

周辺部分の解像度を比較しやすくするように等倍で並べてみました。左がHologonで右がSuper Wide Heliar IIIです。

さすがにSuper Wide Heliarは周辺画質を改善するための新光学系をわざわざ新開発したのですからその効果は絶大ですね。Hologonはいつもながらちょっと悲しい結果です。

念のため、中心近くも並べてみました。同じく左がHologonです。

これを見ると、中心近くもSuper Wide Heriarの方が優秀ですね。

今回の検証でわざわざ撮り比べるまでもなくSuper Wide Heliar IIIが圧勝するのはわかりきった話でした。どのくらいの差があるのか、を確認したかったというのがありますが、実はそれ以外の検証も行う予定があります。Hologonの特徴はほとんど無いといわれる歪曲の少なさです。Super Wide Heliarも歪曲は感じられないので優秀だと思いますが、レンズ構成図からHologonよりは劣るのではないか、と予想しています。これを確認してみたいと思っています。また、デジタル(SONNY α7S)での撮影はHologonは完敗でしたが、ではフィルムだとどうなるか?というのも今後試してみる予定です。