月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

63.三木の屋台と鬼研究の足跡(月刊「祭」2017.1月)

2017-01-01 20:42:48 | 民俗・信仰・文化-伝承・信仰-

あけましておめでとうございます。
今年一発目は、三木や播州地方の屋台や鬼の研究を振り返ってみたいと思います。

<書籍の表示形式>
・編著者名「題名」『掲載された書籍名』(出版社)出版年
概要
<ウェブページの表示形式>
・活動者名『ウェブページ名(当該ページへのリンク付き)』
概要
<講演・発表等>
・講演者名『発表の題』(主催団体など)発表がなされた年
概要



「鬼」
・藤原喜美子『オニを迎えまつる人々』(岩田書院)2006
 三木や姫路市松原八幡神社、魚吹八幡神社、加西市東光寺など播州各地の鬼が追い払われるものではなく、不動などの化身として現れることを指摘。
 藤原氏は播磨の鬼研究の第一人者ともいえる方で、他にも膨大な研究をされています。

・喜多慶治『兵庫県民俗芸能誌』(錦正社)1977
 おそらく一人?で調査した結果をまとめたと思われる力作。北から南までまとめられています。今はもうない芸能も。他にも県の民俗芸能報告書などはありますが、氏の活動に敬意を表して。

 


「屋台」
・コタニマサオ『なんでもかんでも三木』(神戸新聞事業社三木営業所)昭和61年
岩壺神社、大宮八幡宮と久留美の大人屋台を取材し掲載しています。多くの方に取材されてできた記事は30年を経た今、より史料としての価値を増してきました。

粕谷宗関氏の著書
いわずと知れた播州屋台研究の第一人者。彫刻師や縫師の系譜を明らかにしました。

・兵庫県教育委員会『播磨の祭礼:屋台とダンジリ:平成16年度文化庁ふるさと文化再興事業伝統文化総合支援研究委嘱事業実施報告書』(兵庫県教育委員会)
三木、灘のけんか祭、曽根、網干など播磨で比較的大きな祭りを調査報告しています。詳細で分かりやすいのですが、大宮八幡宮の階段の間に溝があり、それがもともと宮入用の綱が上下するためのものだったという内容の謎の記述があります。

・三木市観光協会『三木の祭』(三木市観光協会)2002
三木市内の大人屋台すべてを網羅しています。また、当時の堀光美術館館長石田氏の論考では、18世紀の檀鶴の記述が三木の屋台の起源である可能性を指摘しています。

上記は一応書籍化されたものの代表作ですが、播州屋台研究においては、その金字塔的な役割を果たしている活動が、ウェブページにも見られます。

・namerakozo『播州祭り行脚
播州の三段平屋根布団屋台の分布域全体の各屋台を調査、紹介した最初のウェブページ。もちろん、同様の内容を扱った書籍はそれまでは出ていませんでした。

・播州祭礼研究室『播州祭り見聞記
播州の神輿屋根型屋台、反り屋根型屋台の分布域全体の各屋台を調査、紹介した最初のウェブページ。もちろん、同様の内容を扱った書籍はそれまでは出ていませんでした。

・Y氏の各活動
三木市吉川町若宮神社屋台の復興・調査。岩壺神社大塚屋台の彫刻の原画解明など。

今回は、三木市と播州地域の主だったもののみの紹介となりました。後に機会があれば、それ以外の地域も見ていきたいと思います。

●編集後記
 今年は、祭礼研究ももう少し力を入れていきたいと思っています。