タモリと戦後ニッポン 近藤正高

タモリの最初のレギュラー番組がテレ東の「空飛ぶモンティ・パイソン」だったとは知らなかった。

「モンティ・パイソン」はイギリスＢＢＣの強烈なギャグ番組で何度か観たことが有りますが、何

処に出ていたのか記憶にない。何しろ本編が半端ないほど凄すぎて、今では絶対に放映出来ないモ

ノでしょう。因みに最近ＤＶＤを発見して、久しぶりに観ましたが、日本のテレビでは放送出来な

いような有り得ない展開ですよ。


私が最初にテレビでタモリを見たのは、日テレ系の「噂のチャンネル！！」だと思います。当時イ

グアナの物まねをしていて、ズイブン変わったタレントが出てきたと思っていましたが、とにかく

普通ではなく面白い！それが日テレの「今夜は最高！」が始まって、エンターテイナーとしてのタ

モリ全開で本当によく出来ていて毎回楽しみに見ていた。


私は当時会社員で昼間は営業に出ており、「笑っていいとも！」は平日に観たことが無い。せいぜ

い日曜日に増刊号を見るぐらいで一度も面白いと思ったことが無い。タモリは夜が真骨頂で「タモ

リ倶楽部」のようにマニアックな方が、より生きると思っていました。当然「タモリ倶楽部」は毎

週録画して観ていましたが、鉄道モノや工具類の特集とかタモリが真剣にハマって楽しんでいる回

が大好きでした。残念ながら終了してしまった。


お笑いタレントで日本国中に知らない人の居ないような人物と、戦後ニッポンをリンクさせ語って

いるので自分の体験もあり分かり易い。ＮＨＫでも過去から現代日本をサブカルチャーを元に紹介

する番組がありましたが、マスコミの造る世相と現実との乖離に鼻白む思いがしました。読んでい

て面白く、様々な発見がある本でした。


　　　タモリと戦後ニッポン　　　近藤正高　　　　　　　　　　　　講談社現代新書