よしーの世界

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内側から見た「AI大国」中国   福田直之

2022-12-05 06:24:29 | 
すでに中国はあらゆる所でAIを使いこなしている。以前読んだ本書の著者が所属している朝日新聞の

先輩記者が書いた新書(潜入中国・峯村健司)にも書かれていた。彼の友人である元中国警察幹部に「

2秒で人物特定が出来る」と警告されたのだ。AIを使いこなすためには膨大なるデータがいる。中国

の総人口は13億人、しかも殆どの中国人は個人情報の流出を気にかけていない。無数の防犯カメラが

彼らを追う、そして日常行動を把握しデータとして秒速で管理していく。そして確かに犯罪も減ってい

るという。


中国はAIでリードしているアメリカに「いずれ追いつく」という。すでにキャッシュレス利用では屋

台でさえQRコードが利用可能で現金を持たなくても生活が出来るのが日常の光景になっている。アリ

ババ系のスマホ決済サービス、アリペイの利用者は世界で10億人にも上る。その利用者の信用度を数

値化しているのだ、日本のマイナンバーカードとは規模も内容も使い勝手も段違いである。


アメリカは中国のAIや量子技術が軍事に利用される可能性があるとして、中国への半導体の製造装置

などの輸出を制限している。中国の弱点が半導体製造にあるからで、互いの輸出入では手を握りながら、

この分野では激しい戦いが繰り広げられている。これから日本は両大国の板挟みになり厳しい環境に追

い込まれることになる。


中国の理系の合理的な考え方は、すでにコロナ政策(理解できない部分も多い)で国民との軋轢が起こ

り、一部国民が声を上げるている状況だ(すでに弾圧が始まっているようだ)。これがどこまで広がる

か分からないが、今のまま共産党執行部が圧力をかけ続ければ、歪み、そして爆発が起こることもある

だろう。ただ、AI後進国日本では政治家があまりにも無知、無能で方向性さえ全く定まらないという

情けなさ。すでに経済大国と言うことも憚れる現状で先進国からドンドン落ちこぼれる一方だ。


   内側から見た「AI大国」中国   福田直之(朝日新聞記者)      朝日新書
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