よしーの世界

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貧乏国ニッポン   加谷珪一

2021-10-31 07:22:58 | 
本書の副題は「ますます転落する国で どう生きるか」です。私たちが想像していた以上に日本は世界

の中で競争力を失い、経済力において先進国はおろか下位に居たと思われる国々にも抜かれているのが

現実のようです。権力を持つ一部の人たちは、いつまでも大国気取りでいる為に「夢よもう一度」とば

かりに国民がコロナに苦しんでいる時にオリンピックに巨額の費用をかけ、誰も引き受け手のいない巨

大な施設を造り、維持費用に何十年も税金を投入されることになりました。彼らは血税を自分たちの金

のように使いまくり、責任を一切取りません。


例えばアメリカの都市部では、世帯年収の中央値が800万~1000万円だそうで、日本は423万円と半分

に満たない。世界の国は成長を続けているのに先進国では日本だけが低成長に苦しんでいる。しかもグ

ローバル化により物の価値が平均化するため同じものを買った時に割高に感じることになる。(iPHON

E購入の負担感は世界一だという。)


一昔前の日本のメーカーは、安い賃金を求めてアジア各国に工場を建設したのが、今ではアジア地域の

人件費が高騰し日本国内に生産拠点を移す動きが出ているという。日本では各方面で人手不足が叫ばれ

ているが、人材を他国に求めることも難しくなっている。


日本の年金制度もすでに新興国レベルにまで落ちている現状を読むにつけ、日本政府は一体今まで何を

やって来たのか大いに疑問をもつ。現状打破のための著者の処方箋は「国内消費で経済を回す国に転換

すべき」だ。そのためにも、サラリーマン社長を一掃すべきと唱えている。シャープやソニーのように

経営者が変わっただけで、あっという間に業績を急回復させた企業もあるという。


私は大企業べったりの自公政権では無理だと思う。例え粉飾決算をしていても何とか生き残ってしまう

大会社があるという現状を変えるために、コンプライアンスを徹底する土壌を作るべきだ。公平、公正

を肝に銘じ世界で戦える企業が生き残る戦略が必要だ。自分たちのしたことをキチンと説明できない政

治家は不要だ。


  貧乏国ニッポン      加谷珪一             幻冬舎新書
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