よしーの世界

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米ハフィントン・ポストの衝撃   牧野洋

2021-10-10 08:23:24 | 
ハフィントン・ポストの衝撃というよりも、アメリカの新聞業界の様変わりと、旧態依然とした日本の

新聞業界との差に衝撃を受けた。すでにアメリカでは大都市圏の日刊紙が次々に廃刊に追い込まれ、印

刷版を廃止しネット版に移行したり、印刷版とネット版のハイブリッド化が進んでいる。相次ぐ廃刊に

高いストレス、低い給料のために新聞記者はアメリカで最悪の職業になっているという。それでもオリ

ジナル・ジャーナリズム(独自報道)は生き残るとして健全な民主主義を守るために働く記者を支える

各有力紙がある。さらに著名な投資家ウォーレン・バフェットが地方紙をまとめて買収して、地域コミ

ュニティーに根ざした新聞の依頼は明るいと表明している。


かたや日本ではネットやデジタル化に遅れをとっており、様々な規制に守られた大手新聞社は危機意識

が乏しく、記者は夜回り、ぶら下がり取材を続け、独自報道とは程遠く他紙と同じ共通ネタを掲載して

いる。政府与党の広報紙のようで権力の暴走にブレーキをかけることが出来ないでいる。地方紙には政

権を批判しているところもあり元気な記者が存在できる素地があるが、大手新聞社では記者の存在理由

がなくなっている、いずれ大手新聞各紙は緩慢な死を迎えるかもしれない。


気になったのは本書で取り上げているハフィントン・ポストの共同創業者兼編集長のアリアナ・ハフィ

ントンで、彼女はリベラル→保守→リベラルと転向し、自身の本で積極的なボランティア活動と慈善団

体への寄付の重要性を説きながら、自らが支援していると主張した慈善団体から「テレビの取材で1度

か2度来ただけ」と言われ、2年間で税金を700ドルしか支払っていないことを暴露されている。勝てば

官軍なのだろうか。


 米ハフィントン・ポストの衝撃      牧野洋          アスキー新書
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