嬉しいこと
悲しいこと
いままで、どちらが多かったかな。
同じくらいかな。
でも、悲しいことにはフタをして隠してしまうから、
本当は悲しいことの方が多いのかもな。
楽しいこと
辛いこと
どちらが強く心を揺さぶるんだろう。
辛いことかな。
楽しいことは一瞬で、
辛いことは深く長く。
頑張ることしかできなかった。
大切な人をなくしたときも
大事なものを見失ったときも
ただ、頑張ってきた。
でも、それが自分への言い訳にすぎないことはわかってる。
頑張ったから、もういいよね。
頑張ったから、許してくれるよね。
それじゃ、ただ目を背けてるだけなのに。
失くしたものを忘れるために、
忘れても許してもらうために、
ただ、頑張ってきた。
それじゃ、何も変わらないのに。
嬉しいときも
悲しいときも
山に行った。
楽しいことも
辛いことも
山にあった。
山が何かを解決してくれるわけじゃない。
でも、山が背中を押してくれる。
何が大切なのかを気づかせてくれる。
いままで、そうやって生きてきた。
そうやってしか生きてこられなかった。
それが正しいことなのか、
それが私らしいのか、
いまの私にはわからない。
答えが見つからないまま、
部屋の隅で埃をかぶったザックに手を伸ばそうとする私がいる。
また山に逃げ込むつもりなの?と自問しながら、
あの山の向こうに思いを馳せる私がいる。