「お帰りなさいっ。」

「山」「旅」「食」を中心に綴りたいと思います。
ただいまって遊びにきて頂ければ嬉しいです。

父の背中と母の掌

2011年04月26日 | いろいろ

お帰りなさい。



父は、今年で定年。
関連会社に移る話もあったらしいけど断った。
「やりたいことがたくさんあるから」と父は言う。
でも、お酒を飲んだときにぽろっと漏らしたことがある。
「俺が関連会社に行けば誰かの機会を奪うことになるかもしれない。」
母はそんな父に呆れながらも、賛成した。
「それがお父さんだから。 ぜいたくしなければ何とかなるわ」

母は近くの薬局に勤めていたが、関節痛がひどくなってやめた。
「ぜいたく病ね。運動して粗食にすれば治るわ」
「俺も粗食に付き合うのか!?」
文句を言いながらも、父は母のウォーキングに付き合っている。

父の背中は少し丸くなった。
母の手は関節が膨らんで痛そうだ。
実家に帰ると、他愛もない話をしながら、
父の背中をマッサージし、母の指に薬を塗る。

幼いときから見つめてきた父の背中と母の掌。
おんぶされたときの父の背中の広さ、
手をつないだときの母の手の温もり、
あのときの感触を思い出すように、
父の背中をさすり、母の指を撫でる。


この時間がいつまでも続きますように。

どうか、ずっと。

どうか、いつまでも。

 

 


 ハラ爛漫、いえ、ハル爛漫。 (^_^;

2011年04月20日 | 

 

お帰りなさい。

 

お義母さんが元気になったら、みんなで温泉に行こうと計画してた。

でも・・・。

 

去年のうちから予約していた宿から確認の電話があって、なつネエは迷ったらしい。

でも、キャンセルが多くて、という宿の方の言葉に、

男前ななつネエは「行かせていただきます!」と力強く答えたらしい。

 

で、箱根です。

芦ノ湖で合流したと思った途端、気がついたときには、

ラ・テラッツァ(旧アクア・パッツァ・テラス)にいました。 おかしいなぁ。

 

 

 

少しドライブしましょうと芦ノ湖畔を走っていると・・・

いつの間にか、目の前には美味しそうなケーキが並んでる。

気がつかないうちに、山のホテルのデザートレストラン、サロン・ド・テ ロザージュに吸い寄せられていたらしい・・・。  不思議だなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

いくらなんでも食べすぎでしょうと、煩悩を払いに 箱根神社 へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 山門前のお団子屋さんにふらふらっと入りそうなのを、

 ぐっと堪えて、寄木細工の御守を頂いて参拝終了。

 

 

夜までにもう少し運動しておかないとまずいよね、と既に夕飯の心配をする一行。

やってきたのは、小涌谷の 千条の滝 ちすじのたき)

小さな滝ですが、水音だけが響く、静かなところでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滝のそばに浅間山への登山口を発見。

なつネエと相方と私は心ひかれたけど、今日は超インドア派の義兄も一緒。

何せ、車道から千条の滝へほんの5分下りる途中で、「俺はここで置いてってくれ」と真顔で訴える人である。

あきらめてお宿に向かうことにしました。

 

宿の庭に桜が咲いていました。

宿のご主人が、四季桜 という春と秋に咲く種類だと教えてくれました。

とても可愛らしい桜でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テラスからも露天風呂からも箱根の山が見え、春の風が心地よいお部屋でした。

  

 

さあ、夕食です。

「食べれるかなぁ・・・」と心配する私を、

どの口がそんなことを言ってるのか! という顔でみんなが見る。

はいはい、いくらでも食べられますよーだ。

  

 

  

ホタテ、お義母さんが好きだったなぁ・・・。

私がお義母さんの分も食べてあげるね、と思えるくらいには回復した私です。

 

翌朝は、宿の方が満開だと教えてくれた 宮城野の 早川堤の桜 を見に。

川べりの桜並木の下には、優しい春風が吹いていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青空の下の、しだれざくらとソメイヨシノの競演も見事でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮城野から、お気に入りの湿生花園がある仙石原へ。

自生の花々ではありませんが、広い空の下で、静かにお花たちに会えるここが大好きです。 

 

 

 

 

 

私にとっても、日本で生きているすべての人たちにとっても、

そして、たくさんのいきものたちにとっても、今年は辛い春になりました。

でも季節が間違いなく進んでいるように、私たちも少しずつ進んでいる、

そう思える春の日でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  


思い、届け。

2011年04月08日 | いろいろ

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

  ひとりの小さな手 何もできないけど
  それでも みんなの手とあわせれば
  何かできる 何かできる

  ひとりの小さな目  何も見えないけど
  それでも  みんなの瞳でみつめれば
  何か見える  何か見える

  ひとりの小さな声  何も言えないけど
  それでも  みんなの声が集まれば
  何か言える  何か言える

  ひとりで歩く道  遠くてつらいけど
  それでも  みんなのあしぶみ響かせば
  楽しくなる  長い道も

  ひとりの人間は  とても弱いけど
  それでも  みんなが集まれば
  強くなれる  強くなれる

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被災地の子どもたちが歌っているのをニュースで見た。

あなた達の思いは、きっと、みんなに届いたよ。

 

子どもたちに向けた救援物資を集めるお手伝いをした。

「うちの子も今年、入学なんだ」

たくさんの文房具を寄付してくれた事務機器会社の主任さん。

 

「うちの子がどうしても、この絵本を皆に読んでほしいって言ってるの。

一緒に送れるかなぁ」

大切な絵本を持ってきてくれたお母さん。

 

みんなの思いは、きっと届くよ。

 

ひとりの小さな手 何もできないけど
それでも みんなの手とあわせれば
何かできる 何かできる