お帰りなさい。
岳◎くんの両親が揉めています。
事の発端は、岳◎くんが寝るときに岳◎ママが絵本を読んであげようとしたときのこと。
「きのう、パパがよんでくれたほんのつづきがいい」
「何のご本? ぐ◎とぐ◎?」
「えーっと、かんちなんぽー!」
「えっ? かんち…何?」
「かんちはねー、みっつもぴーくがあるんだよー」
「……まさか、カンチェンジュンガ南峰のこと?」
「そー、きのうはねー、ぴーくにつくまえにねちゃったのー」
「……」
「あなた、私は岳◎に優しい気持で眠って欲しいの。山の本はやめて」
「本人が聞きたい話をしてあげた方が、幸せな気持で眠れると思うけどなぁ」
岳◎ママは、岳◎くんが山にのめりこむことに少し不安を感じています。
岳◎パパは、男の子は一度は車か電車にのめりこむ時期がある、
岳◎くんはそれが山だっただけだと心配していません。
う~ん、私はそんなに心配要らないかなと無責任に思っています。
岳◎くんと一緒に山に行ったとき、すれ違う方にきちんとご挨拶していたし、
登山道に咲く花を踏まないように気をつけていたし、
元気で優しい子に育っていると思います。
でも、横浜に遊びにきたとき、
「ヒサちゃん、よこはまは、きがないねー。しんりんげんかいだねー」
っていうのは、ちょっと違うと思うよ、岳◎くん。