「お帰りなさいっ。」

「山」「旅」「食」を中心に綴りたいと思います。
ただいまって遊びにきて頂ければ嬉しいです。

S君のニッポン奮闘記その9.「またまた、S君の夏休み」

2011年09月28日 | S君のニッポン奮闘記

お帰りなさい。

 

一昨年はニューハーフショー
昨年は円高による資金不足で部屋で過ごしたS君の夏休み。


さて、今年は???


「ミヤギケン ニ ボランティア ニ イッテキマシタ」 

「えっ、ありがとう! どうだった?」 

「・・・ショック デシタ。 トウホク スキダカラ。」 

「S君、東北に何度も旅行に行ってたもんね。」

「ハイ。 デモ ミンナゲンキデシタ。 ボクノホウガ ゲンキイッパイ モライマシタ。」

「そっかー。 あっ、東北に行く事はご両親に連絡したの?」

「ハイ。 チョット シンパイシテタケド ガンバッテコイッテ イッテマシタ。」

「たしかS君のご両親も日本に住んでたことあるんだよね?」

「ハイ。 ワタシタチノブンモ オテツダイ シテキテッテ イワレマシタ。」 

「・・・S君、ほんとにありがとう。 ご両親にも宜しく伝えてネ。」 

「オォ ヒササンノ コトハ イツモ ハナシテマス!」 

「えっ、S君・・・何を話してるの?」 

「エーット・・・ バレンタインニ ボクニクレタチョコヲ ヒササンガ  ジブンデ タベチャッタコトトカ・・・」 

「えっ・・・そんなこと話したの!?」 

「アトハ・・・ブチョーサンガ ミンナニカッテキテクレタ アイスヲ ボクノブンモ ヒササンガ タベチャッタコトモ・・・」 

「S君・・・、もう私のことはご両親に話さなくていいから」 

「エッ、ナゼデスカ?」 

「話しちゃダメ!」 

「エッ デモ ヒササンノコトハナスト フタリトモ ヨロコブンデス・・・」 

「ダメったらダメ!!」   





S君のニッポン奮闘記その8. 「円高ダイエット」

2010年09月29日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさい。


去年の夏休みは こんなもの にハマっていたS君。


さて、今年の夏休みは?

「S君、夏休みはどこか行ったの? あんまり日焼けしてないねー」

「ドコニモイキマセン。ヘヤニイマシタ…。」

「えっ、具合でも悪かったの?」

「ゲンキデシタ・・・。デモ、オカネガ ナカッタンデス」

「・・・何かに使っちゃったの?」

「エンダカ ダカラ…」

「エンダカ? あっ、円高!」


海外の取引先から研修で来ているS君。
お給料は取引先から外貨建てで支払われます。

「そっかー。大変だねぇ。ちゃんと生活できてるの?」

「…ハイ。 ゴハン、3ショクニ ヘラシマシタ」

「そっかー、3食に減らしたんだ……って、今まで一日何食食べてたの!?」

「4カイ カ 5カイ…。ニホンノゴハン オイシーデース。」 

「そう言えば、時々、リフレッシュスペースでごそごそしてたよねー。あれは何か食べてたのね!」

「・・・ハイ。」

「S君、来た頃よりだいぶ太ったよね。何㎏太ったの!?」

「エッ、エーット、10㎏スコシ…」

「もうっ! いい機会だから、ダイエットしなさいっ!」

「・・・ハイ。」


ピンチはチャンスだっ! 頑張れ、S君!!





S君のニッポン奮闘記その7. 「ビックリ バレンタイン!」

2010年03月19日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさい。



1ヶ月前、S君が興奮した面持ちで私のところに走ってきました。

「ヒッ、ヒッ、ヒ、ヒササ~ンッ!!」 


思わず後ずさる私。

「な、なに、どうしたの?」 

「チ、チ、チヅルサンガ・・・」 
   注) ちづるちゃんはわが部署の人気№1女子です。 


「えっ、ナニ? ちづるちゃんがどうしたのっ!?  あっ、何か変なこと言って怒らせたんでしょ?」

「チガイマスッ! チヅルサンガ チョコ クレタンデスッ!! 」 

「え~~~っ!! 生きてて良かったね~。」 ・・・・・・ ソレハ イイスギ ダロ



1年前のことを思うと、夢のようです・・・。

オネーサンは嬉しいよ・・・。 


「ちゃんとお礼言ったの? ホワイトディにお返ししなきゃね」

「ハイッ!!  オレイニ ショクジニ サソオウト オモウンデス!!」


・・・待てよ。 私のささやかな脳みそがフル回転を始めます。 


「ねぇ、S君、どんなチョコもらったの?」

「コ、コレデスッ!!  ヒササン タベテハ ダメデスヨッ!」 

だれが食べるか~っ!! 


う~ん・・・。

ビミョーだ。

義理チョコにしては高級。でも本命チョコには物足りない感じがする。


「S君、カードか何かついてた?」

「ハイッ!!」

「よかったら、見せてくれる?」

「ダメデスッ!!」 

「……。」 


放っておけばいいと思いつつも、
すっかり保護者気分の私は、ちづるちゃんにそれとなく聞いてみました。

「ちづるちゃーん、S君がチョコもらったって喜んでたよー」

「あっ、そうですか。良かったです」

「お礼に食事に誘いたいって言ってたけど…」

「わぁっ、嬉しいですっ!!」

「えっ、いいの?」

「はい。チョコに深い意味はないですけど、Sさんはいい人だと思います」

「あっ、そうなんだ。よろしくねー」


ということで、二人は最近、食事に行ったようです。

正直、今後の展開が気になりますけど、柱の蔭からコソッと見守りたいと思います。



ところでっ!!

S君!

私もチョコあげたよねー。

もうホワイトデーはとっくに過ぎたけど・・・。 


S君のニッポン奮闘記その6. 「捲土重来」

2010年01月21日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさい。



日本にもだいぶ慣れてきたSくん。

最初はとまどった温泉も最近は大のお気に入り。

「ロテンブロニ ハイッテ ソラヲ ミテイルト ココロノ ツカレモ トレマス」

とまで言うようになりました。


そんなSくん、先日もひとりで温泉に。

広い露天風呂でのんびりしていると、きゃーきゃーという声が近づいてきます。

「エッ……」 
女の子たちのグループが入ってきました。

そう、Sくんは混浴とは知らずに入っていたのです。

さすがにSくんも混浴は初体験。

出るに出られず、ガマンしていたそうですが、

女の子たちのおしゃべりは延々と続き、

彼女たちが出たときにはSくんは意識朦朧。

何とかお風呂から這い上がったそうです。


「大変だったねー。今度は、ちゃんと確認して入らなきゃね」

「ハイッ、コンドハ チャント ミテキマス!」

「見てくる?」

「ハイッ! コンヨクノ システムハ リカイ シマシタ。ツギハ ガンバリマスッ!」 

……こらっ、なにをがんばるの!? 

S君のニッポン奮闘記 その5.「S君の夏休み」

2009年09月24日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさい。


日本に来て初めての夏休み。 
帰国しようか、旅行に行こうか、日本語学校の短期講座に通おうか…  

春先から悩んでいたS君が選んだのは……近場でまったり。


研修生のお友達と、は◎バスで都内観光したり、
鎌倉のお寺に行ったり、ディ◎ニーワールドに行ったり、
楽しい夏休みを過ごしたようです。 


そこでS君が感じたことは、

「ニホンノヒトハ トテモ ヤサシイケレド ニホンノシステムハ ヒトニ ヤサシクナイデス」

何処に行っても、いろんな方に優しくしていただいたようです。

でも、案内標記が鉄道会社やお店ごとに様々だったり、
お寺の縁起などの案内が日本語だけだったりと、不便も感じたようです。

「ニホンノヒトノ ヤサシサヲ イカセバ モット セカイノヒトニ スキニ ナッテモラエルノニ」

はい、その通りだと思います。
もっと世界の人に日本を好きになってもらいたいと思います。
頑張りますっ !!


「ところでS君、夏休みで何が一番楽しかったの?」

「オーッ、モチロン、ニューハーフショー デスッ !!」 

「えっ……」 

「トテモ チャーミング デス。2カイ イキマシタ」 
 
「2回も行ったの?」 

「ソウデース。ヒササンモ イッテ ベンキョウ シタホウガ イイデス」 

「むっ、何を勉強しろっていうの?」 

「エッ、オケショウ トカ、オンナラシサ トカ……」 

「むきーっ !!」 


S君のニッポン奮闘記その4.「ナゴヤのアツイ日」

2009年08月24日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさい。

週末は名古屋出張でした。

山に行くときと打って変わって好天…。

「人生、そんなものさ…」とつぶやきながら、ビルの谷間の焼けた舗装道路を歩く。


ア・ツ・イ・…・・・ 

同行のS君が不審な動き。

「何、してるの?」

「エッ…ヒカゲヲ エランデ アルイテマス」

気持はわかる、気持はわかるけど、日陰から日陰にジャンプするのはヤメテ。
とってもアヤシイから…。


地下鉄に乗っていると、中日のファンらしき方がたくさん乗ってきました。
今日は試合のようです。

S君が私に聞きます。

「ヒササ~ン、チュウニチ ハ ナゼ ドラゴンズ ナンデスカ?」 

「えっ、えーっと…」

「ヒササン、ボク、キイテキマスッ!!」

えっ……

熱く盛り上がるファンの集団に突っ込むS君。

S君の問いかけに一瞬、怪訝そうだったファンの皆さん、ニッコリ笑って教えてくれました。

「にーちゃん、よく聞いてくれた。昔、中日のオーナーに虎之助という人がいたんだ」

「トラ …… タイガーデスカ???」 

「はははっ、そう思うだろ? でも虎之助オーナーは辰年だったんだ。だからドラゴンズなんだ」

「タツドシ???」 

「あぁ、兄ちゃんは干支はわからないか。姉ちゃん、ちゃんと教えといてっ!」

「はっ、はい…」


S君の探究心と物怖じしないところは見習わなければならないと思いました。
でも、帰りの新幹線はずっと「干支」の説明に終始しました。
仕事より疲れたかも…。

で、名古屋のお土産はこちら。
やっぱり…シャチホコですよね。

   

S君のニッポン奮闘記その3. 「ふたりの夜。」

2009年05月14日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさい。

G.W.中に、主任と出張に行ったS君。
期待を裏切りませんでした。

仕事が終わって、S君が予約したホテルにチェックインしようとすると、

「S様ですか? 本日の予約は承ってませんが…」
「エッ! チャント フタヘヤ ヨヤク シマシタ!」
「S様ですよね? あっ、来月のご予約を承ってますが…」
「エッ……」
「S君、ひと月まちがえたのか!?」
「スミマセン…」 


「ダブルのお部屋なら一部屋ご用意できますが…」
「えっ!」
「エッ!」

「ダブルですか? いや、いいです…」


近辺のホテルを探した二人でしたが、満室か、とても高い部屋しか空いてなかったそうです。
ネットカフェか、それとも…。

意を決した主任。
「S君、さっきのホテルに戻るぞ」
「エッ、ダ、ダブル デスカ?」 
「そうだっ!」

結局、ダブルの部屋に泊まった二人。
S君は、ソファで寝たそうです。 ……チョット ザンネン。

二人とも、変な誤解をされないように、こそこそと部屋に出入りし、
チェックアウトの際は、フロントの方が女性に替わっていたので、
「いやぁ、部屋が満室で参ったよ」
と不自然な弁解をしてきたそうです。

主任は、S君と二人では、もう絶対に出張に行かないと断言してます。 

でも、S君は、
「シュニント オナジヘヤデ タクサン ハナシガ デキテ タノシカッタ。 マタ イキタイ。」 

と言って、主任を困らせています。 

S君のニッポン奮闘記 その2.「再教育」

2009年03月16日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさいっ。

土日は船橋でお仕事でした。
しかし、土曜日の朝、強風で千葉方面行きの総ての路線がストップ! 
最初に動き出した東西線に駆け込み、タクシーに飛び乗り、何とか集合場所に。
課長と主任も、それぞれ、動いている交通機関を乗り継いで到着。
しかーし、今回初めて、取引先との窓口を任せたS君が来ません。
携帯に電話してもつながりません。
取引先もオフィスはお休みらしく、連絡がとれません。
3人で困っていると、S君、悠々と到着。
「オーッ、ミナサン、ハヤイ デスネ」
「S君、急がないと、先方との待ち合わせに遅れちゃうよ!」
「エッ、デンシャ ウゴカナイノデ ジカンヲ オクラセル コトニナッタト ミナサンニ メール シマシタ!」

慌てて、携帯をチェックする3人。
「S君、メール来てないけど…」
「エッ、オクリマシタ! ホラッ!」
自分の携帯を見せるS君。
「……S君、携帯宛じゃなくて、みんなの会社のアドレスにメール送ってるけど」
「エッ……スミマセンッ! ゴメンナサイ!」 

「S君、緊急の時は確実に相手に伝わったか確認しなさいっ!」
と主任に怒られたS君、一日しょんぼりしてました。

仕事が終って、違う方向のS君と別れた帰りの電車内。
「S君の教育係はヒサ君では荷が重いかなぁ」と課長。
「すみません」と私。
「今後のことを考えると、S君ではなく、まずヒサ君を再教育した方がいいかもしれません」
と、とんでもないことを言い出す主任。

思わぬ展開にあせりまくった私は、とっさに反撃。
「主、主任だって、今日、書類を忘れたじゃないですかっ! 私は今日はミスしてません!」
「うっ…」 
「はっはっはっ、じゃあ、主任の再教育は私がしようか」 
「課、課長も今日、名刺忘れましたよね」と主任反撃。
「……」
「……」
「……」

「まぁ、これからも皆で支えあって頑張っていこうよ」
「はい…」
「はいっ」

こんな会社が私は好きですが、この厳しい環境のなか、このままで大丈夫かしら、
と不安がよぎる今日この頃です。

【オマケ】
前日に怒られて猛反省したS君。
日曜日の朝に、変更が無いのに全員に電話。
「Sデスッ! キョウノ ヨテイ 二 ヘンコウ アリマセン!」
しかも、電話してきたのは朝5時過ぎ。
3人から、さらに怒られたのは言うまでもありません。 

S君のニッポン奮闘記その1.「今日はバレンタイン!」

2009年02月14日 | S君のニッポン奮闘記
お帰りなさい。

山に行けない反動か、
また、脱力系の新シリーズを始めてしまいました…。


S君は、海外提携先からきている研修生。

今日はうちの部署は全員、休日出勤。
さあ、帰ろうと思ったら、S君が物陰から手招きしてます。

「ヒササーン、チョット、イイデスカ?」
「なーに、こそこそして。」
「○○サント、△△サンカラ、チョコ、モライマシタ」
「よかったねー!」
「○○サンモ、△△サンモ、ケッコンシテマス。ボク、コマリマシタ……」
「あはは、S君、それは義理チョコだよー」
「エッ!!」 
 …チョコの裏を慌てて見るS君。
「ヒササーン、ショーミキゲン、ギリギリデハ、アリマセン」
「いやっ、そのギリじゃなくって……
S君が日本でひとりで頑張ってるから、チョコくれたんだよ、きっと。
お世話になった人や頑張ってる人にあげたりもするんだよ。
ほらっ、私も女の子からもらったよ。」
「オゥ…、ヒササーン、ボク、ミンナニ、ヤサシク、シテモラッテ、トテモ、ウレシイデース」
 ……ちょっと目を赤くするS君。

「トコロデ、ヒササーン、サッキノ、チョコ、ダレカラ、モラッタンデスカー?」
「んっ、ちづるちゃん(我が部署の人気№1女子)からだよ」

「エッ、チヅルサンノ、チョコ、デスカッ!!
 ヒ、ヒササン!! ○○サンカラモラッタチョコト、チヅルサンノチョコ、トリカエテクダサイッ!!」

……こらっ、さっき涙ぐんだのは誰だっ!!