広田寛治のブログ

音楽と社会と歴史と

『ロック・クロニクル 現代史のなかのロックンロール』1章の内容

2012年04月16日 17時16分01秒 | 著書
2月末に発売された『ロック・クロニクル 現代史のなかのロックンロール』(河出書房新社 本体2,800円)の第1章の内容を少し詳しく紹介します。
第1章は「ロックンロールの誕生~人種の壁を超えて」と題して、1952年~1954年の5つの事件に焦点をあてています。事件1は1952年初頭のできごとで、ピート・シーガーが「赤狩り」で追放され、モダン・フォーク・ブームが衰退するなか若者の音楽としてロックンロールガ登場してきたこと。事件2では、1952年3月にDJのアラン・フリードがロックンロール・パーティを開始し、「ロックンロール」という言葉が生まれ、それが人種の壁を打ち破りはじめたこと。そして1952年6月になると、のちにロックンロールの名曲と呼ばれるようになるR&Bが白人のチャートでもヒットする「クロス・オーバー・ヒット」を記録するようになり、音楽がそれまでの人種別のチャートの枠を打ち破りはじめたこと(事件3)を描いています。そんななか、1954年5月にアメリカの最高裁判所がそれまでの白人と黒人の分離教育を違憲とする画期的な判決を下すのです(事件4)。そして、1954年7月にテネシー州メンフィスのラジオ局でエルヴィス・プレスリーの「ザッツ・オール・ライト」にリクエストが殺到(事件5)し、ロックンロールが爆発的にヒットするきっかけとなるのです。こうしてロックンロールは、人種の壁をこえるなかで誕生するのです。


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