![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/ef/bed36f528eb28250df5033681cae3a01.jpg)
しばらくの間、牛乳パックでボールを作ることが楽しくてこんなにいっぱい作ってしまいました。ブログの更新も忘れるほどでした。
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こんなにいっぱいですが、もっともっとです。材料は40人分ほど作成済みです。
いっぱい作っていくうちにこのようなことを考えるようになってきました。
材料の長さと幅の関係です。次の写真のように[三竦み(3つの材料が交わるところ)]の部分に大きなすき間ができたり、きっちり嚙み合ったようにもなります。一番右側のように、すき間ゼロできっちり噛み合った状況が〔しっかりとしたボール〕というわけです。この場合の材料の長さと幅の関係を図形と中学校数学を使って解明していきます。一緒についてきてくださいね。
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まず、ボール1こを作る材料です。牛乳パックから切り出した6本の長方形です。これには等間隔に11個の穴を空けます。穴は長方形同士の交点となる場所で、作るときに“画鋲”を刺して仮留めしていきます。
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材料の幅をb(単位:㎜)、穴の間隔をa(単位:㎜)とします。
この材料を使って[三竦み]を次々に作っていくことでボールができていきます。ボールができたときに長さaと幅bの関係で、次の図のように[三竦み]にすき間ができたりできなかったりします。
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[三竦み]のところに点線で描いた正三角形があります。すき間のない[三竦み]のaとbの関係はどうなのかを求めるために図形の問題として解いていきます。
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aは正三角形の一辺の長さです。辺から中心までの最短距離がbの半分の長さです。
どうやって解こうかなと思って、直感的に分かり易い“直角三角形の相似”を使うことにしました。また、その直角三角形は正三角形を2等分したものですから鋭角30度の直角三角形です。その性質である辺の長さの比〔1:2:√3〕を使います。
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右図と下図の直角三角形が相似ですから、対応する辺同士の比が等しいです。するとこのような式になります。
これを解いていきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/be/10b192ddd05460d149d6429a91ae6ed0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/31/1e0da4cee4a9651e46aacc03c1ffb03b.jpg)
こんな簡単な関係でしたね。材料の幅の√3(≒1.732)倍を穴の間隔にするとすき間のない[三竦み]ができます。また、これを計算して表にしたものです。
材料の長さと幅の関係がわかったところで、実際に牛乳パックから材料を切り出すことを考えます。
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これが牛乳パックを切って開いたものです。サイズも測ってみました。
材料の全体の長さLを求めていきます。
次の表は幅bを定めてaを計算したものです。これからLを計算していきます。
最後の表は、計算して得られたLの値を書き加えています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/e4/316552aa99329701cd1b2ede78c7ecc6.jpg)
次は材料6つ分の幅w(=b×6)を計算して表の下に書き加えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/c4/d1a813c88c88bc3a1832ba493545c832.jpg)
このLとWの値から、実際の牛乳パックの上に材料の全体を描いてみました。
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一つの牛乳パックから3~4個のボールが作れます。
幅bが13㎜の場合には、牛乳パックの全部の長さ245㎜を使いますから、幅bが13㎜以上になると牛乳パックでは作れなくなります。そんなLとwの値は、牛乳パックより大きい厚紙などで作るときに役立ててください。
これまでの作り方では、牛乳パックの幅が十分あっても縦の長さがいっぱいいっぱいですから、材料の縦の長さを2つ繋ぐようにすると、材料の幅と長さを2倍近くにすることができます。それが次の図です。
6個の穴があり、その端の1つを共有するように繋ぎます。繋いだ材料の長さはLになります。
繋ぐ前の1つの材料の長さをMとして計算します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/47/e3a9926ce0c22ccdcd03cfce48a659d3.jpg)
最後の表は、式にbの値を代入して得られたMの値を付け加えています。
次は牛乳パックから材料の全体を切り取れるように計算してみます。この材料の個数は12本です。これを短い辺の方向に並べて、その合計をWとします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/30/a74cd944fb9844f88f407bed39c6cf6a.jpg)
最後の表は、計算によって得られたWの値です。
この表のMとWの値から、牛乳パックの上に材料全体を描いてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/fd/a68a6cbc48e82a832742346627b813c7.jpg)
bが23㎜まではWが牛乳パックの幅280㎜より小さいですが、bが24㎜ではWは288㎜となり280㎜より大きくなってしまい足らなくなってしまいます。
こんなことを試行錯誤しながら牛乳パックでボールをいっぱい作ってきました。そのうちに[三竦み]にすき間のないものが「しっかりとしたボール」になる。ということに気づきました。
更にいうと、表にある数値のaとbよりaを5~1%小さくすると[三竦み]に力が働いて、硬く強いボールができることがわかりました。作るときに画鋲を穴に刺していきますが、その時から[三竦み]に力が加わってちょっと尖った硬い状況になります。作りづらいです。
牛乳パックでボールづくりの以前の投稿です。基本的な作り方の参考としてご覧ください。
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