つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

ちょっとあの雲の向こう側まで(宮崎県・大分県・愛媛県)

2021-11-03 23:30:00 | 晴れた日は仕事を休んで
【2021年11月3日(水)】

仕事を終えて、再びツーリング再開。今日からは東京を目指す。
今日は四国・松山まで。
松山で道後温泉に入りたい。
夏目漱石の「坊っちゃん」ファンとしては譲れないミッションだ。

泊まっていたアパホテル宮崎駅前橘通りを出て、大分県の佐賀関(さがのせき)へ。佐賀関からはフェリーに乗る。70分で愛媛県三崎港だ。

ホテル前の橘通りから国道10号線へ。
大淀川を渡ってしばらく走り、宮崎西インターから東九州自動車道に乗る。
高速道路を使いたくはないのだけれど、一昨日、大分から宮崎まで下ってきた国道10号をまた走るのも能がないし、さりとて別の一般道を走って行くとフェリーの時間に間に合わない。フェリーに乗れなければ今日中に松山に着くことは不可能だ。
背に腹かえられず乗った東九州自動車道だったが、20kmも走らないうちから後悔した。
そもそも高速道路だというのに一車線というのが馬鹿にしている。
僕はできれば周りの景色を眺めながら、ゆっくり走りたい派なのだが、そうではない車から煽られる煽られる。
面倒臭いので、後ろから車が近づいて来るたびに路肩に寄って追い抜かせてやるのだが、途中からなんだか馬鹿馬鹿しくなってきた。別に僕が違法レベルの低速走行してるわけじゃなし、高速道路のくせに一車線なのも僕のせいではない。なんで僕1人が周りの車たちに気を遣って走らなきゃならないんだ。
これだから高速道路は嫌なんだ。

気持ちが乗らないままに臼杵(うすき)インターまで走り、そこからは国道502号経由で国道217号。小一時間走れば佐賀関のフェリーターミナルだ。


13時発の便が既に満席だったために、チケットが取れた14時の便まで1時間半ほどフェリーターミナルで時間を潰すことになった。
港の周りをぶらぶら歩いていたら、こんなプロパワガスを発見。


・・・かぼす?
そういえば本州には「レモンガス」というプロパンガス会社があった。
日本のプロパンガス会社は柑橘系がお好みなのかしらん?

そうこうしているうちに、ようやく乗船時間。
車やバイクを積む前のフェリーの内部はこんな感じ。だだっ広い倉庫だ。


車を積むとこうなる。


航路はこれ。


大分佐賀関・愛媛三崎港間の海路だが、れっきとした国道だ。
海上国道という。この航路は国道197号線だ。
こういう国道の風景も珍しい。



三崎港からは(陸路の)国道197号線を東へ。
この佐田岬半島を走る国道197号線はメロディラインだ。車で時速40kmから50kmくらいで走ると路面の特殊舗装でタイヤの走行ノイズが曲を奏でるようになっている。メロディー道路工法という。197号線の曲は「みかんの花の咲く丘」
「み〜かんの花がぁ 咲ぁいてぇいるぅ」で始まるあの歌だ。


確かに走り抜けていく車のタイヤが「み〜かんの花がぁ」とメロディを奏でている。
ただ、残念ながらオートバイでは微妙。
この佐田岬半島は地図で見てもわかる通り、南北の幅がとても狭い。
なので197号を走っていると、右手にも左手にも海が見える、という場所がいくつかある。

久本君に勧められたじゃこカツを買った道の駅伊方きらら館もそうだ。
これが伊方きらら館の屋上展望台の右手。


これが左手。


これがじゃこカツ。美味い。


道の駅伊方きらら館の駐車場で、知的障害を持っているらしい中学生くらいの子どもとタンデムしているお父さんライダーに出会った。
駐車場を出て、197号線から378号線に入った後もしばらく、親子の乗ったオートバイは僕の前を走っていく。
子どもは、障害児とは思えないほど危なげなく、自然に、父親が運転するオートバイのリアシートに座って、ずっと左手の海を見ていた。

彼(と僕)が見ていた景色はこれだ。




僕はタンデムはあまり好きではないのだが、夕陽を浴びながら僕の20m前方を走って行く親子の背中を見ていたら、生まれて初めて、「タンデムもいいなぁ」と感動してしまった。

父親の運転するオートバイのリアシートに座って、父親の体重移動に見事に自分の身体を合わせていたあの少年の様子からすれば、あの父親は休みの日にはいつも息子をツーリングに連れ出してやっているのだろう。

父親のオートバイのリアシートに座って、心が蕩けそうなほど見事な夕陽を見ながら潮風を受けて海岸沿いを走る。
こんな素敵な親子の会話が他にあるだろうか。

ちなみに上の夕日の写真は国道197号から国道378号に入った大洲市長浜町付近。松山のずいぶん手前で日が暮れてしまった。

結果、道後温泉に行ったものの受付終了という泣くに泣けない事態に。



父子に見とれてのんびり走ってないで、もっとかっ飛ばして来ればよかった・・・