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つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

42 ~世界を変えた男~

2013-11-05 22:57:01 | 映画

2013年11月1日(金)

監督:ブライアン・ヘルゲランド
主演:チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー

 

良かったです。85点。

ハリソン・フォードは久しぶりにスクリーンで観ましたがいい老男優になられましたね。

顔の半分だけで引きつって笑う「ハリソン・スマイル」(←今、私が命名)は健在ですが。

昔、

付き合ってた彼女とキスした後で「ハリソン・フォードに似てるね」と言われたことがあります。

その後半年くらい、ハリソン・スマイルで笑う練習してました。疲れました。

 

映画は初の黒人大リーガーになったジャッキー・ロビンソンの実話がモデルですが、もう少し、黒人差別とジャッキー・ロビンソンの苦悩が深く描かれていたら95点をつけました。

ただ、1940年代のアメリカの町並みとか風俗とかがスクリーンから香ってきて私的にはGoo。

単なる個人的嗜好ですが、「ダイアナ」で描かれているイギリスの取り澄ました風景より埃立つ古きアメリカの町並みの方が好きなのです。

 

あ、さらに個人的な話をするなら、私はプロ野球を野球場に見に行くのが大嫌いです。

野球場に来ているプロ野球のファンの方々が嫌いだから。

10年以上前のこと。神宮球場に「中日VS巨人」戦を見に行きました。

当時、巨人にはクロマティという選手がいました。ポジションは確かセンター。

私は中日ファンが陣取る外野席にいたのですが、私のすぐ横にいた、アホ面した中学生だか高校生くらいの中日ファンが守備についたクロマティ選手に向かって叫びました。

「黒んぼはアフリカのジャングルに帰れ!」

クロマティ選手の耳にこのウンコお子様(※クソガキとか書くと、「弁護士の使う言葉じゃない」とかクレームが来るので自己検閲)の暴言が届いたのかどうか分かりません。

しかし、このウンコお子様を張り倒さなかったのは私です。それだけで私も共犯者です。

クロマティ選手に申し訳ない。

以来、私は(司法修習中に一度だけ修習生仲間に連れられて千葉マリンスタジアムに行った時を除いて)野球場には行ってません。

別にプロ野球ファンの方々全てが嫌いなわけでも、彼らの応援スタイルを全否定するわけでもありませんが、わざわざ金を払って品性下劣な人種差別主義者とプロ・スポーツを観戦できるほど私は人間が練れていません。

 

クロマティ選手、その節は大変大変失礼いたしました&本当に申し訳ありません。

今更ですが、日本国民を代表してお詫び申し上げます。

おい、クソガキ。

クロマティ選手が「黒んぼ」なら、お前は頭の悪いイエロー・モンキーじゃ!

「黄色い猿が生意気に野球なんか見に来んじゃねぇ!さっさとジャングルに帰ってバナナ食ってクソして寝ろ!」

 

というような怒りを「42~世界を変えた男~」を観ていたら思い出しました。


ダイアナ

2013-10-30 21:03:24 | 映画

2013年10月26日(金)

 

監督:オリバー・ヒルシュビーゲル

出演:ナオミ・ワッツ、ナヴィーン・アンドリュース

 

全然ダメです。40点。

 

そもそも私は他人様の色恋沙汰にまったく興味がない男なので、誰と誰がくっついたとか離れたとかこっそり逢っているとか逢っていないとか・・・どーでもいいのです。

そのどーでもいい話(私にとって)を英国王室レベルで見せられても、それこそ「Royalどーでもいい」って感じです。

どーでもいい話をえんえん見せられグロッキーです。

 

ダイアナ・ファンの方々には申し訳ないけど、結局、ダイアナって「結婚したけど旦那の浮気と世間の目と公務に押し潰された女性が他の男と恋に落ちたりボランティア活動に精を出したりしたけど、その男にも振られちゃったので当てつけに別の男とのスキャンダルを流して元彼の気を引こうとしてる間に事故で死んじゃった。ありゃま。」というだけの話。

 

どーでもよくないっすか?


謝罪の王様

2013-10-17 19:35:40 | 映画

2013年10月11日(金)

監督:水田伸生

出演:阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊

 

・・・・面白かったですよ。

シナリオも練れているし役者は立っているし。

ネット上のレビューには「エンディングのPVが長すぎる」という意見が多いですが、特に気になりませんでした。

小劇場の舞台としてみれば、の話ですが。

 

なんでこれをわざわざ映画で観なければならないのかさっぱりわかりませんでした。

下北沢駅前劇場で「大人計画」の新作舞台を観てる感じ。

こじんまりまとまっていて、随所に笑い所があって泣き所もあって。

小劇場だからエンディングに歌って踊っての盛り上がりがあるのも全然OK

「下北沢駅前劇場にあの『大人計画』が帰ってきた。涙あり、笑いあり、歌あり、踊りあり。息もつかせぬ128分!」

という感じの作品。

映画としては60点。

小劇場の舞台としては90点。

宮藤官九郎さん、応援しています!(マジで)

そして父になる

2013-09-27 12:37:12 | 映画

2013年9月27日(金)

 

監督:是枝裕和

出演:福山雅治、リリー・フランキー、尾野真千子

 

先行ロードショーで観てきました。

良かったです。95点。

 

是枝監督のカメラワークというか画面演出は流石、という感じでした。惹き込まれました。

私は、福山雅治さんというタレントがあまり好きではなかったのですが(なんというかカッコ良すぎて。早い話、カッコ良くない男の僻みですな)、この映画の福山さんはイイ。

「完璧主義の負けを知らない男」の嫌味と弱さと悲しさを地で演じ切れている気がしました(←褒めてない?)。

リリーさんの「ずっこけで、ださくて、少し小狡いところもあって、でも子煩悩」という父親も、多分、今、演じさせようとしたら日本にはリリーさんしかいないんだろうな、と言う感じ。

尾野真千子さんはたしか近日ロードショーの「謝罪の王様」にも出演されていたと記憶していますが、とてもいい女優さんですね。

福山さんとリリーさんが、それこそ、「地」で役柄を演じてるのに対して、尾野さんはちゃんと役作りして演技をされてて、その演技がまた、ちっとも嫌味じゃない。

「親子」とか「家族」とかって、結局、何だろう、というのがテーマなのですが、映画では事件のゴールは描かれていません。「子どもの取り違え」という被害に遭った2つの家族と2人の子どもが、その後、どうなっていくのか、どういう関係を築きあげていくのか、何一つ答を示すことなく映画は終わるのですが、個人的には、こういう作品が非常に好きです。

作り手が全てを解決してただそれを観客に見せる作品より、問題を提起してあとは観客に深く何かを考えさせる作品の方が、良質で成熟したエンターテインメントだと私は思っているので。

 

作品で描かれている2人の父親は、ある意味、どちらも両極端な父親像なのですが、両極端故に、どちらも「できそこないのパパ」なわけです。

一見すると、リリーさん演じる雄大パパは子どもにとっては理想のパパのように見えるのですが、やっぱり、「できそこない」なのです。

福山さん演じる良多が、6年間育てた息子慶多に、

「できそこないだったけど、それでもパパだったんだよ」

と叫ぶシーンは、4歳と10歳の2人の男の子の「できそこない」の父親である私としてはジーンと来ました。

「できそこない」というより、(私も含めて)親はどこまでも「未完成」なんですが。

長男が生まれた時、ある人から、

「親というのは、子供が生まれたから当然に親になるんじゃない。子どもを育てていくうちに、少しずつ少しずつ子どもに教えられて親になっていくんだ。」

と言われたことを思い出しました。

 


エリジウム

2013-09-24 11:33:21 | 映画

2013年9月20日(金)

監督:ニール・ブロムカンプ

出演:マット・デイモン、ジョディ・フォスター、アリシー・ブラガ

 

面白かったです。

映像も迫力満点。

ジョディ・フォスターとマット・デイモンという2大スターが出ているのに、全編通してこの2人の掛け合い・絡みがまったくない、というのも贅沢な作り方だと思います。

75点。

 

ジョディ・フォスターをスクリーンで観るのは、(私的には)「羊たちの沈黙」以来なのですが(←古っ!)、

「あぁ、どんな美女も、オバサンになるんだなぁ」

としみじみ。

肌は荒れちゃってるし、ヒップは見事に垂れちゃってるし。

マット・デイモンも同じようにオジサン化してましたが、筋骨隆々の肉体美は相変わらずですな。

まぁ、お腹タプタプの「後天性オヤジ化症候群」に冒されている私に他人様のお体のことをどうこう言う資格はありませぬが・・・

 

ただ、ストーリーの中で重要な意味を持っている(はずの)「カバとミーアキャットの寓話」は全く意味が分かりませんでした。

マット・デイモンは

「カバがミーアキャットを助けたくなった気持ちが分かるよ」

と言って死んでいくのですが、私にはさっぱり???

もしかしてアメリカン・ジョーク? んなわけないか。

ネイティブなアメリカ人には分かるのかしらん・・・