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伯爵カインシリーズ

2006年01月30日 10時37分43秒 | おすすめ

▼伯爵カインシリーズとは・・・
 読み切りから始まり、短期連載⇒長期連載化した、ゴシックサスペンスシリーズです。
 読み切り9作品・書き下ろし1作品・短期連載2作品・長期連載1作品の合計13タイトルがあります。
 
シリーズ1~5は、コミックスの表題作ごとに分けられています。
  ①忘れられたジュリエット  (読み切り2作品+書き下ろし1作品)
  ②少年の孵化する音     (読み切り4作品)
  ③カフカ             (短期連載1作品)
  ④赤い羊の刻印 全2巻   (短期連載+読み切り 計2作品)
  ⑤ゴッド チャイルド 全8巻  (長期連載+読み切り 計2作品)

4・5の間には、他の漫画(天使禁猟区)の長期連載が入ったために、7年ほどのブランクがあったりします。1~4は、2冊のカインコレクションという完全版?にもなっています。

ちなみに、赤い羊の刻印に収録の『鏡の中のエリザベス』と、ゴッドチャイルドに収録の『日曜日のソロモン・グランディ』は、天使禁猟区の連載中に、2本立てで花とゆめに掲載された作品です。



▼あらすじ

 19世紀後半ヴィクトリア時代のイギリス―ロンドン。毒の収拾を趣味とする若き伯爵・カインの周りでは、血に塗られた事件が付きまとう。
 (後半から)死んだはずのカインの父アレクシスが頂点にいるという闇の組織『デライラ』。怪事件につきまとうデライラの影に、カインは立ち向かっていく―・・・



▼ココが魅力!!

  ―たまたまカインが遭遇する殺人事件。
  ―デライラが絡む怪事件。

 話は大体この2つのどちらかで進んでいきます。読みきりは前者、連載は後者です。
 ゴッドチャイルドは、両方を交互に取りいれています。
 ※ゴッドチャイルドは、各話毎に副題があり、読みきり感覚なかんじです。

 ココからはネタバレ含むので、ドラッグで。

 関係の無い事件に首を突っ込んでニヤリなカインがステキ。
 初期のほうがそれが顕著でしたね。
 『駒鳥』とか、『ミス・プティング』の黒い感じが良かったなぁ
 メイン以外に好きなキャラといえば,ダーク。最後は泣いたよ。
 エメラインもいじらしくて好きだったのに・・・みんな死んでった・・・

 カインシリーズは、ある意味、生き残ればレギュラー。話によってはみんな死亡もありえる・・・的な感じが油断させませんね。
 例によって、『赤い羊の刻印』での生き残り・オスカーは『ゴッドチャイルド』ではメインの1人になり、マリーの旦那さんまでに成り上がった・・・スゲェよ、オスカー。
 『赤い羊』でページが無くて殺せなかったキャラがいたらしいんですが、これってオスカーのことじゃ・・・と思わずには言われません(笑)

 ゴッドチャイルドは、ファン待望のシリーズ再開でしたからね。私も待ってました。
 以前のシリーズからのファンとしては、オスカーやカシアン・ジャスティスが再登場を果たしたときの喜びが忘れられません(笑)
 リフの裏切りにはビックリですよ。
 『孵化する音』でのラストが怪しかったりとかあったけど、まさかね!みたいな。
 その後のカインの見せるダークなニヤリが何とも言えません。
 ミケイラも結構好きだったなぁ。
 まさかシリーズ最初の読み切りに出てきたシュゼットが、『ゴッチャ』の中でこうも頻繁に出てくるとは思っていなかった。

 ジザベルとカシアンも良かったなぁ。
 由貴さんの描く主従関係は好き。
 ジザの死のシーンで、コミックスで補足されていた部分がスキ。
 悲しいよ、ドクター。

 最終回はビックリですよね。
 てっきりお茶会すると思っていたから、死亡エンドとは思っていなかった。
 カインシリーズはもう描かないという作者の意図なのかしら。
 最後のカインの眠る顔がキレイで泣けてくる・・・
 そしてクレハドールがあんなにも重要な要素を担うとは・・・


 マザーグースや童話をモチーフにした話(殺人事件だけど)がステキです。



▼ステキなタイトルがいっぱい
 伯爵カインシリーズは、話ごとにタイトルがついているんですが、イイカンジのものがいっぱいなんですよ。だからタイトルを紹介

 忘れられたジュリエット

 烙印のビビ
 クレオ・ドレイファスの死
吊られた男
 少年の孵化する音
 誰がこまどり殺したの?
 切り刻まれ食べられたミス・プテリングの悲劇
 捻れた童話
 カフカ―kafka―
 赤い羊の刻印
 鏡の中のエリザベス
 日曜日のソロモン・グランディ
 ゴッド チャイルド

(太字は表題作作品)
ちゃんと意味のあるタイトルなんで、深読みするのが楽しいです。
カフカは、「変身」の作者のフランツ・カフカからきていて、登場するジュスティーヌの2面性をかけていたり。
赤い羊の刻印は、犯人に繋がる手がかりがそのままタイトルになっていたり。
プティングとかは直球すぎる気がするけども、同じシリーズの中で毎回違うタイトルをつけるのも大変だったろうな、と思ったり。


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4 コメント

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TBありがとうございます (わた)
2006-01-30 22:45:03
由貴香織氏の作品は「花とゆめ」に連載された『砂礫王国』あたりからはまっていました。

現在連載中の『妖精標本』よりも『天使禁猟区』までの作品の方が好みです。

なので最近は三原ミツカズ氏の『毒姫』などにはまっています。
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初めまして (ゆっき)
2006-01-30 23:40:18
トラックバックありがとうです

花ゆめ作品は好きなものが多いんです

由貴先生の作品は絵がきれいで話もわかりやすくて

好きです
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わたさま (ひらりんこ/管理人)
2006-01-31 14:50:56
私は、天禁中盤でコミックスから出会いを果たしました

砂礫も短編なのに良いですよね切なげ

初期のほうが繊細さがあって私も好きです
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ゆっきさま (ひらりんこ/管理人)
2006-01-31 14:52:50
わたしも花ゆめ作品ばっかり追いかけてます

由貴さんの綺麗な絵も、ちょっと毒の入った話しもめちゃ好みで良いですよね~
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