広告主と広告会社との間の契約関係は、目的となる業務に応じて、異なります。
請負や仲介、委任などが主なものでしょうか。
たとえば、請負の場合、広告会社の義務は、仕事の完成、すなわち広告制作物の完成にあります。
そして、その広告制作物の内容や使用についての最終決定は、広告主にあることは言うまでもありません。
が、その前提として、広告会社としては、その広告制作物が法令、たとえば景表法や著作権法などの法令をクリアしていることが必要でしょう。
制作過程においては、広告主と広告会社は、協議をしながら進めます。
広告主の提案が少しでも法令に違反する懸念のあるものについては、広告会社には、これを是正する義務があるといえます。
広告会社は、広告主の提案前は、かならずチェックをします。チェックをしないで、広告主に提案することはありえません。
実際、広告主との間の取引基本契約に、広告会社に法令等の遵守義務、広告主に対する助言是正義務を課す条項を盛り込んでいる例は、多々あります。
権利処理についても同様で、つい先日も、広告会社の著作権処理義務を認めた判例が出されています。(東京地方裁判所平成20年4月18日)
その一方で、広告会社には、広告の対象となる商品やサービスについても、適法なものかどうか調査する権利があるように考えます。
これは、反面、対消費者との関係では、義務とされる可能性があるものです。
どこまで調査すれば、権利を行使したか、義務を果たしたといえるかは、議論の余地があるところだと思いますが、たとえば、その商品が特定保険食品だとか、効能効果があると去れる場合、サービスが業法に基づくものだとした場合、監督官庁の許認可を取得しているかどうかなどは、広告主に確認すべきでしょう。
最近の例では、プレミアムシートが実際に導入されているのか、順次導入されているとすれば、いつ、どの便からかなど、広告主から提供された情報によっては、広告物の内容自体が変わってきます。
広告主から開示もしくは提供された情報の内容が、本当に正確かどうか、広告会社に知る術は、ありません。
実際に、飛行機に乗ってみれば確認することはできるのかもしれませんが、費用と時間をかけることは非合理的で現実的ではないでしょう。
広告の内容に虚偽があった場合、広告主だけではなく、広告会社も訴訟リスクに晒されることがあります。
たとえば、詐欺的商法の被害者から、すでにその会社が破綻している場合、ディープポケットの論理から、広告会社および広告掲載の媒体社が訴えられることは、よくあることです。
今後は、クラスアクション(団体訴訟)が容易に起こせるようになれば、ますます増えてくることでしょう。
であれば、そういう意味で、広告主にも広告会社に対する情報提供義務、開示義務を課すことも考えられるでしょう。
広告主との基本契約の条項例としては、
この広告主の情報開示義務や広告会社の是正助言義務は、このように契約の条項として明記されなくても、「契約上の信義則に基づく付随義務」といえるでしょう。
広告取引は、建築などの請負とは違って、双方の信頼関係に支えられる傾向がより強いように認識しています。
だとすれば、広告主の広告宣伝・販売促進活動が円滑に遂行されるためにも、広告主、広告会社双方に請負契約の本旨とは別個の義務を相互に課しても、不当ではないと考えました。
請負や仲介、委任などが主なものでしょうか。
たとえば、請負の場合、広告会社の義務は、仕事の完成、すなわち広告制作物の完成にあります。
そして、その広告制作物の内容や使用についての最終決定は、広告主にあることは言うまでもありません。
が、その前提として、広告会社としては、その広告制作物が法令、たとえば景表法や著作権法などの法令をクリアしていることが必要でしょう。
制作過程においては、広告主と広告会社は、協議をしながら進めます。
広告主の提案が少しでも法令に違反する懸念のあるものについては、広告会社には、これを是正する義務があるといえます。
広告会社は、広告主の提案前は、かならずチェックをします。チェックをしないで、広告主に提案することはありえません。
実際、広告主との間の取引基本契約に、広告会社に法令等の遵守義務、広告主に対する助言是正義務を課す条項を盛り込んでいる例は、多々あります。
権利処理についても同様で、つい先日も、広告会社の著作権処理義務を認めた判例が出されています。(東京地方裁判所平成20年4月18日)
その一方で、広告会社には、広告の対象となる商品やサービスについても、適法なものかどうか調査する権利があるように考えます。
これは、反面、対消費者との関係では、義務とされる可能性があるものです。
どこまで調査すれば、権利を行使したか、義務を果たしたといえるかは、議論の余地があるところだと思いますが、たとえば、その商品が特定保険食品だとか、効能効果があると去れる場合、サービスが業法に基づくものだとした場合、監督官庁の許認可を取得しているかどうかなどは、広告主に確認すべきでしょう。
最近の例では、プレミアムシートが実際に導入されているのか、順次導入されているとすれば、いつ、どの便からかなど、広告主から提供された情報によっては、広告物の内容自体が変わってきます。
広告主から開示もしくは提供された情報の内容が、本当に正確かどうか、広告会社に知る術は、ありません。
実際に、飛行機に乗ってみれば確認することはできるのかもしれませんが、費用と時間をかけることは非合理的で現実的ではないでしょう。
広告の内容に虚偽があった場合、広告主だけではなく、広告会社も訴訟リスクに晒されることがあります。
たとえば、詐欺的商法の被害者から、すでにその会社が破綻している場合、ディープポケットの論理から、広告会社および広告掲載の媒体社が訴えられることは、よくあることです。
今後は、クラスアクション(団体訴訟)が容易に起こせるようになれば、ますます増えてくることでしょう。
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であれば、そういう意味で、広告主にも広告会社に対する情報提供義務、開示義務を課すことも考えられるでしょう。
広告主との基本契約の条項例としては、
第○条(情報の正確性および適法性)といったようなものが考えられます。
甲(広告主)は、その製品およびその事業に関して、乙(広告会社)が個別業務を実施するにあたり、乙に提供した情報について、その正確性と適法性を乙に対して保証する。
この広告主の情報開示義務や広告会社の是正助言義務は、このように契約の条項として明記されなくても、「契約上の信義則に基づく付随義務」といえるでしょう。
広告取引は、建築などの請負とは違って、双方の信頼関係に支えられる傾向がより強いように認識しています。
だとすれば、広告主の広告宣伝・販売促進活動が円滑に遂行されるためにも、広告主、広告会社双方に請負契約の本旨とは別個の義務を相互に課しても、不当ではないと考えました。