「ポケットザウルス ～十王剣の謎～」 レビュー （ファミコン）

サイドビューアクションゲーム＋シューティング
バンダイから発売
１９８７年２月２７日発売
「ゲームセンターＣＸ ～有野の挑戦～」プレイソフト ＃２６１



特徴
バンダイの「橋本名人」を主役としたゲーム。
ゲーム中に「クイズ」が出題されることもある。

タイトル画面でモードが選択できる。

「バリバリ　ボクモード」と
「パパモード」がある。

ゲームの内容は同じだが
「パパモード」の方が被ダメージが低かったりと若干、易しい。

操作方法

アクション時

十字キー：移動
Ｂボタン：攻撃
上＋Ｂボタン：上部への攻撃
下＋Ｂボタン：全画面攻撃（アイテム必要）

Ａボタン：ジャンプ
下＋Ａボタン：降りられる床で下降


シューティング時

十字キー：移動
Ｂボタン：対空攻撃
Ａボタン：対地ボム


お話としては・・・
ある日、「橋本名人」がサラマンダーによって「ハシモトザウルス」に変えられてしまう。
「ハシモトザウルス」は元の姿に戻るため、タイムマシンを使い、サラマンダーを追う。
ちなみに「ポケットザウルス」とは
当時、バンダイから出ていたキャラクター文具の名称である。

以上がゲーム中のオープニングであるが…


取説を扱うサイト「げーむのせつめいしょ」さんから
本作のあらすじをまとめると…

「げーむのせつめいしょ」さんの本作ページ

２００１年、歴史学者で科学者でもあった名人「ハシモト」は（本当か？）
『サラマンダー伝説』という古い文献を図書館で見つけた。
その文献は伝説の怪物の事か書かれ、そして数ページが無くなっていたのだ。
『ハシモト』は失われた数ページの研究を始めた。
『ハシモト』が一時的に休憩し広場を散歩していると
突如『サラマンダー』が現れ『ハシモト』に魔法をかけた。
それにより、姿は恐竜化してしまったが
精神力が強い『ハシモト』は心までは『サラマンダー』の支配を逃れた。
『ハシモトザウルス』となった名人は得意のブーメランを用いて（ブーメランも得意？）
タイムカプセルに乗り込んだ。
『ハシモトザウルス』は『時空大帝サラマンダー』を倒し
元の姿に戻り、失われた数ページの謎を解く事ができるのか？

「サラマンダー伝説」とは
遙か遠い昔、時を超え、全時代を制圧しようとしていた怪物こそが『サラマンダー』であり
彼は自らを『時空大帝』と名乗り、全生物を恐竜（ザウルス）化する魔法を持っていた。
一度その魔法にかかると『サラマンダー』が死ぬ以外にこの魔法は解けないという。




点数は２５点

良い点
・ゲーム途中にクイズが出たりと個性的

悪い点
・運要素が強い。
・ヒントが乏しい。
・アイテムの仕様がおかしい

良い点の解説
・ゲーム途中にクイズが出たりと個性的
ゲームを進めると特定の場所で

「トツゼンですがクイズのじかんです」

と、クイズが出題される。
バンダイや橋本名人についてのことや時事的ネタも少しあってなかなか面白い。


悪い点
・運要素が強い。
このゲームは体力回復アイテムは置いてあらず

「敵を倒すとたま～に出る体力回復アイテム」
「変身アイテムを取得する」
「得点を３万点毎取得する」

がおもな３種である。
ステージクリアしても回復しない。

まず体力回復アイテムは滅多に出ないし、
変身アイテムもどこでも出る訳ではないし。
敵はかなり出てくるのに
わざと３万点前で敵を倒すのをやめるなどということはしないだろう。
（クイズに不正解することでの調整は可能だろうが）
だから、ダメージを受けたら体力回復アイテムが出るのを祈るしかない。
敵のランダムでいくつかの姿に変身してくるらしいが
特定の姿になると手が付けられないなどという事もあるらしい。

・ヒントが乏しい
このゲームはボスにただ弾を当ててれば勝てるというわけではない。
例えば『エジプト面』のボスは３体の良く喋るツタンカーメンが出てくる。
その時、画面内に落ちてくる小さなピンクのブロックを
ツタンカーメンの口に入れて塞ぐことで倒すのだ。
それについてなんの説明もない。
なのに、『ヒント』というアイテムが存在する。
それは『隠し部屋』や『ワープゾーン』が付近にあるか教えてくれるという代物だ。
何でボスの倒し方とか重要なことを教えてくれないのだろうか？
しょうもないクイズを出す容量があるのならそっちを重視して欲しかった。

・アイテムの仕様がおかしい。
１ＵＰがあるが、『ダイヤ』を５個消費することで取得できる。
５個未満だとすり抜けるだけで取れない。
酷い。
コンテニューすると『ダイヤ』は０になってしまうのでまず１ＵＰすることはないと言える。




まぁ、ハドソンでの「高橋名人の冒険島」に対抗するみたいなものなのかもしれない。
「ポケットザウルス　橋本名人の冒険」で良かった気がするがな～。

サブタイトルに「謎」って付いているから謎解き要素がある。
当時のファミコンの謎解きって理不尽なものが多かったから、
それもまたこの作品に当てはまっている。

このゲームは、各面に稲妻が飛んできてそれに触れるとコマンダーとの戦闘になる。
そこで勝利するとキーワードをもらえる。

恐竜島では「ＡＢＬＲ」
神々の時代では「ＵＤＡＲ」

といった具合である。
それでその面のボスを倒すと「あんごうをにゅうりょくせよ」と言われるので
そこで

その面でもらったキーワードを入力するわけだ。
上の例であれば「Ａボタン、Ｂボタン、上ボタン、右ボタン」といった具合だ。
そう。

「Ｕ：上ボタン（Ｕｐ）」
「Ｄ：下ボタン（Ｄｏｗｎ）」
「Ｌ：左ボタン（Ｌｅｆｔ）」
「Ｒ：右ボタン（Ｒｉｇｈｔ）」

小学生のとき、ＡＢは分かっても「ＵＤＬＲ」については意味不明だった。

するとこんな感じで言葉が出る。

恐竜島「ユウシャはそのときジャアクなるいただきにセイなるシルシをかかげた」
神々の時代「たたかいのトキはきたりアンコクのオウがいでたるとびらにたて」

などがある。
初めて見た人は

「なんのこっちゃ？」

と思うだろう。
そのことはネタバレに書くとしよう。


『十王剣』についてだが
ゲーム中、『ジュウオオケン』などと表記している。
カケフくんのジャンプ天国スピード地獄レベルである。

（この部分は２０１８年６月記述）
　「ゲームセンターＣＸ」で本作が挑戦ソフトとして取り上げられた。
　その際、取説に書かれたクロスワードパズルを解くことでクリアするやり方が分かる。
　（本作ＣＭでも『クロスワードを解読せよ』って言っているしな

　「ポケットザウルス 十王剣の謎」ＣＭ(YouTube)）
　取説なしの裸で買った方は上記「げーむのせつめいしょ」さんで調べて
　クロスワードを解くとよい。
　但し、予め言っておくとそんな苦労してまでクリアするゲームではないと断言できるけどね。
　攻略サイトや動画で攻略の仕方を見てしまうのが手っ取り早い。
　お好きな方はどーぞ。



ＰＳ）wikiで調べたら『橋本名人』はコブラチームに在籍していたらしい。
　知っている人は
　知っているスーパーファミコン版「ジョジョの奇妙な冒険」の製作総指揮とのこと。
　何か複雑な心境になるなぁ～。


ここからがネタバレ

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クイズなんかもあるが・・・
名人クイズ

Ｑ．橋本名人はパフパフが好きですか？ＹＥＳ　ｏｒ　ＮＯ
（正解はＹＥＳ）
Ｑ．橋本名人の好きな色は？　白ｏｒオレンジ
（正解はオレンジ）
Ｑ．橋本名人が苦手なのは？　部長ｏｒ母親
（正解は部長）

「へぇ」で終わるよな（すこぶるどーでもいい）

でも、橋本名人以外にもある。
時事ネタや歴史とか

Ｑ．エジプトを代表する川は？　インダスｏｒナイル
（正解はナイル）
Ｑ．三原山が噴火した島の名は？　佐渡島ｏｒ大島
（正解は大島）

なぞなぞもある。

Ｑ．貝は貝でも海にない貝は？　やりがいｏｒほたて貝
（正解はやりがい）
Ｑ．富士山は冬になるとどうして白くなるのか？　雪が降るからｏｒ歳をとるから
（正解は雪が降るから）


そうそう。ゲーム内でこんなイベントがある。
「ＣＡＦＥ」という場所に入れるのだがそこで『ハシモトザウルス』はコーヒーを飲む。
体力が全開するのだがそこの店員（『ドラクラ』という羽が生えた猿みたいな敵）が

「このコーヒー旨いでっしゃろ？実はこのコーヒーの豆、私の？？？ですねん。
　パワー付きまっせ」（何故か関西弁）

と言い出す。それから体力が全回復する。
それでこんなクイズがある。

Ｑ．ドラクラのコーヒーショップの？？？は何？　ウンチｏｒパンチ
（正解はウンチ）

当たると

「ホギャー」

などというメッセージが出る。（別にペナルティはない）
特に面白くもない。「うんち」だけに内容としては糞である。
まぁ、小学校低学年ならキャッキャと喜ぶかもしれないけどね。
いや、世の中広いからな。
「ケモナー」なんて言う獣系が好きな人たちがいるから
『ドラクラ』のウンチもいける人もいるかもしれない。（アホか・・・）

『十王剣』というのに剣は出てくる剣は何故か五本である。
無理やり解釈するなら、十人の王が２人ずつで１本作った剣だから本数は関係ないとか？




上で書いた文章

「ユウシャはそのときジャアクなるいただきにセイなるシルシをかかげた」
「たたかいのトキはきたりアンコクのオウがいでたるとびらにたて」

上の言葉はラスト部分における設定である。

早い話がステージ毎で手に入れた『剣』を所定の所定の場所に置く必要があるのだ。
まず、この意味を理解しないとクリアは不可能である。
その次に分かったとしてどこにどの剣を配置するのか分からない。
（ステージ毎の剣の色の違いがあるのでそれも覚えておかないといけない。）

そして『十王剣』を所定の場所に置くとクリア。

（この部分だけ２０１８年６月追伸）
だからこそクロスワードで
どのステージで入手した剣を
どの場所に刺すのかちゃんと理解しておかないといけないのだ。



ハッキリ言って

『うんち』レベルで喜ぶ子供に適正な難易度のゲームではない。

これを攻略本無しでクリアした小学校低学年ぐらいの子供は尊敬に値する。
但し、攻略本あってもなかなか困難な難易度である。

で、そんな苦労をしてのエンディングはどんなものかというと…

エンディングではなんの説明もなしに『姫様』みたいのが出て来る。
元々、サラマンダー伝説の謎とを解き、人間の姿に戻る為の冒険だったはずなのに

「お前、誰？」

でしかない。
（もちろん、説明はない）

で、『ハシモトザウルス』は

元の『ハシモト』の姿に戻るが、
その『姫様』はなぜか『コマンダー』に変わって稲妻を放ち、
『橋本名人』に命中し、再び『ハシモトザウルス』に変え

２週目開始。

は？


しかし、「十王剣の謎」って一体、なんだったんだろう。
『サラマンダー』を倒すための剣だったのかな？
でも、また姿を変えられたって事はまた『サラマンダー』が復活したって事？
『失われた数ページの謎』って？
まぁ、エンディングで『姫様』に化けていた『コマンダー』は
『名人』をザウルス化させていたかけど

『コマンダー』は『サラマンダー』の子供だろうしな…
いずれ成長すれば『サラマンダー』になるだろう。

謎もイマイチ分からんし
姿を変えられた以上、結局、何も解決してねーじゃん。
何やねん。このモヤモヤ感！！
子供騙しっていうか子供すら騙されないだろ。
ループ落ちで笑って許してねんって…



はぁ…

ザウルス化→名人化→ザウルス化→名人化→…

を永遠にグルグルやってろって感じ…

トツゼンですがここでクイズのじかんです。

「このゲームをまたクリアしたいですか？　Ａ：ＹＥＳ　Ｂ：ＮＯ」

髭人「ビィィィィィィィィィ！！」