東埼玉病院 総合診療科ブログ

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後期研修医に対して、特別養護老人ホームでどのような教育をすればよいのか?

2015-04-13 20:46:17 | 初期・後期研修関連
 東埼玉病院の総合診療科では、特養の嘱託医もしています。特養の回診は指導医と後期研修医がセットになって行っていますが、1回に20人くらいずつの診察をするので、ついついばたばた終わってしまいがちです。しかし、その中で、施設スタッフから必要な情報を引き出しながらキモを逃さずに診察するのは大事な技術だなあと思います。それは一見落ち着いている状態の入所者さんに関してもいえることです。後期研修医にとっては、訪問診療と比べるとやや学ぶべき内容がわかりづらいかなと感じおり、こういうところを今日は気を付けてみてみようということを伝えることがあります。たとえば、「Polypharmacyのこと」、「栄養のこと」、「嚥下のこと」、「転倒予防のこと」など・・・。一見変化がないようにみえる入所者さんに対して定期的な診察でどのようなポイントをおさえていくか、そのヒントになればいいなと。 まあ、自分もついつい忘れがちではあるんですけどね。前回に引き続きまた研修ネタではありますが、以前調べた内容ものせておきます。


<施設での教育>
★カナダでは、家庭医の2割が定期的にナーシングホームの診療を行っている。
★ナーシングホームでの研修は、内科医の高齢者診療での知識や態度に効果がある(Cheetiら2002,Baumら2007)
★McMaster大学の家庭医グループがLTC(Long term cae) homesでどのようなことを学ぶべきかを提案
①CanMEDS competenciesとLTCでの教育プログラム
 Medical expert・・・症例ベースでPolypharmacy、認知症ケア、転倒予防など
 Communicator・・・専門職・家族から情報をどのように集めるか、家族とのケアカンファでの議論を誘導
 Collaborator・・・専門職チームと協働して働くようトレーニング
 Manager・・・家族面談や専門職ケアカンファを指揮する、LTCセッティングでの医師の役割やコール体制をどのように組み合わせるかなどの議論
 Health advocate・・・個々の患者のニーズとコミュニティのニーズを合わせる重要性を教える
 Scholar・・・ガイドラインや個々のケースでのアプローチを論文で定期的にProfessional・・・倫理的なシナリオを提示していく(不適切な抑制をみたら?)
②LTCローテーションでカバーするcore topics
認知症の問題行動、せん妄へのアプローチ、能力評価、End of life planning、転倒予防、Infectious control、感染症の治療、 Polypharmacy、多職種連携、抑制の使用、終末期の症状マネージメント

 
 McMaster大学の家庭医グループの提案は、なるほどわかりやすいなあと以前思い、後期研修医の人には提示したりして、少しこのようなことを意識して診療してみてはとアドバイスしています。結構、施設臨床も奥が深いなと私自身最近も感じており、勉強させていただいてます。


 写真は病院近くの菜の花畑です!















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