東埼玉病院 総合診療科ブログ

勉強会やカンファレンスでの話題、臨床以外での活動などについて書いていきます!

第2回在宅医療連合学会大会に参加しました(WEB開催)

2020-07-01 18:37:20 | 学会活動

先週末の6/27~6/28に、第2回在宅医療連合学会大会に参加しました。今回は、COVID-19感染対策で、全面WEB開催となりました。

外山先生が指導医大会の座長をやりました。はじめてのWEB開催での座長は大変だったことと思います。

また、今永が、最優秀演題候補で「入院した在宅非がん患者において、退院後1年以内の死亡と関連する因子の検討」という演題名で発表しました。今回もまた候補どまりで受賞は逃しました。

WEB開催は便利なところもあり、気軽に様々なシンポジウムや演題を聞くことができ、これはこれでよいのかなと思いました。その反面、やっぱり年に1回の全国の在宅医療に関わる職種が集まる場でもあり、来年以降、COVID-19感染が落ち着いて現地開催できるとよいなと感じました。

 


第1回全人的医療実践ワークショップ~日本内科学会全人的医療ワーキンググループの活動~

2019-06-21 23:53:24 | 学会活動

 少し前になりますが、5月12日に第1回全人的医療実践ワークショップが日内会館で開催されました。そのワークショップに、日本内科学会の全人的医療ワーキンググループの一員として、ファシリテーターとして参加しました。

 日本内科学会の全人的医療ワーキンググループについて、まず説明します。以下、ホームページからの引用です。

目的:医療技術の進歩による寿命の延長、患者の高齢化による多疾患併存、社会状況の変化に伴う患者の価値観の多様化、逆に細分化された専門医療、終末期も含め病期に応じた適切な医療の選択の困難さなど、現代医療は、患者の生き方を支える医療という観点から振り返ると、対処すべき課題が山積しています。特に、医療はサイエンスとアートから成り立つとされますが、内科において、サイエンスに対する理解に比べ、臨床・教育・研究におけるアート領域についての議論は深まっていません。このたび、日本内科学会・専門医部会では「全人的医療」をキーワードとして、様々な課題を整理し、個々の課題に関する臨床実践のためのスキルを提供することを目的としたWGを結成いたしました。当WGでは、医療におけるアートの視点も取り入れながら学際的に議論を行い、内科医が患者を全人的に治療し、ケアするために必要な具体的な方法や態度を学修する教育機会を提供します。

 上記の目的の中で、日本内科学会から公募があり、応募したところ、WGのメンバーに選出されました。メンバーは6人で、強力なオブザーバーの助けをかりながら、活動をしてきました。まずは、全人的医療とは何か、このWGでどのようなことを行っていくのかを繰り返し議論しながら、1年ちょっとの準備期間を経て、今回、初回のワークショップまで辿りつくことができました。ワークショップの内容は以下の通りになります。25名の参加者を得ることができ、ありがたいことにアンケートでも高い満足度の評価をいただくことができました。まだまだ、このWGの活動ははじまったばかりですので、今後の展開が楽しみです。

WSの目的;日々の診療で全人的医療を実践するために、病む人の「存在」に深く配慮し、適切に援助をする方法や態度を身に付ける

  1. 「問題解決モード」と「物語モード」との視点の違いを深く理解し、それぞれの特徴について説明できる。
  2. 診療中に「問題解決モード」と「物語モード」を必要に応じて行ったり来たりできる。(モードチェンジ)
  3. 患者の存在に配慮し、双方向性の“語り”を担う聴き手の役割を理解し、そこにいることができる。

当ワークショップにおける言葉の定義:

「全人的医療」:医学的な援助と同時に、病む人の「存在」に深く配慮し、適切に支援できる医療 「問題解決モード」: 患者の疾病に伴う課題を特定し、解決することに焦点をあてアプローチすること 「物語モード」:患者の病いによる苦悩を、その意味の視点から捉え、配慮すること

ワークショップ当日の概要:全体のレクチャー、少人数のグループワーク(ロールプレイ)2つ、全体討議等を行った。

ご興味のある方はぜひ、ホームページを参照ください。

 https://www.naika.or.jp/fjcp_top/zenjin-wg/

 


第10回日本プライマリケア連合学会学術大会に参加してきました

2019-06-20 18:58:28 | 学会活動

 少し前になりますが、第10回日本プライマリケア連合学会学術大会に参加してきました。

後期研修医の鶴山先生(現東京医療センター)が東埼玉病院で経験した症例を、「腸管安静のみで閉塞解除されたS状結腸軸捻転症を認めた高齢女性の一例」という演題でポスター発表しました。倫理的にも難しい内容をうまくまとめてくれたと思っています。

今永は、「老衰に肺炎を併発して死亡した際の死亡診断書記載についての調査」という演題で口演発表をしました。フロアーからもあつい質問や激励の言葉(?)をいただき、ありがたかったです。

また、おまけではありますが、昨年度に、学会誌に投稿した「在宅医療における死因としての老衰の診断に関する調査」という論文が、昨年度の優秀論文賞に選ばれ、表彰していただきました。昨年度に引き続き2年連続で優秀論文賞をいただき、大変うれしく思います。ご興味のある方は下記リンクでみていただければと思います。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/generalist/41/4/41_169/_pdf/-char/en


第72回国立病院総合医学会

2018-11-25 21:23:04 | 学会活動

11/9~11/10で神戸で開催された第72回国立病院総合医学会に参加してきました。国立病院機構に属する病院から様々な職種が参加する学会であり、多職種がこれだけ集まる学会はなかなかないのではないかと思います。演題などもテーマが多岐にわたるため、ポスターをみるだけでも面白いです。

今永は下記の2つのシンポジウムに、シンポジストとして参加いたしました。

①5大テーマシンポジウム2:高齢者医療と在宅ケアのこれから

「行政・医師会と協働して行う在宅医療・介護体制構築~NHO東埼玉病院の6年間の経験から~」

 平成24年に厚労省のモデル事業として在宅医療連携拠点事業を受託してから、在宅医療介護連携推進事業を行政・医師会とどのように協働して行ってきたかについて発表させていただきました。

②シンポジウム29:総合内科・総合診療 ― その多様性、可能性

「NHOにおける地域医療の実践」

 当科で現在行っている地域医療の実践に関して、在宅・施設診療含めた診療について、初期・後期研修医への教育について、地域の在宅医療介護体制構築への関与やヘルスプロモーションについて、それぞれ述べさせていただきました。非常に楽しい議論が交わせたシンポジウムになりました。


第9回プライマリケア連合学会学術大会に参加してきました

2018-06-19 20:03:22 | 学会活動

 6/16~6/17に三重で開催された第9回プライマリケア連合学会学術大会に参加してきました。

今永は「在宅医療において、医師が老衰と診断する際の不安・葛藤・迷いと関連する因子は何か?」というタイトルで発表しました。フロアからいろいろとご意見や質問をいただき、ありがたかったです。

そして、渡邊仁先生が、「医療介護関連肺炎で入院した患者における1年以内死亡のリスク因子は何か?」というタイトルで発表しました。この発表は、なんと日野原賞候補演題に選ばれました。日野原賞は、「これからのプライマリ・ケア領域の研究の発展を担う、次世代の若手研究者(40 歳未満)を奨励することを目的として、最も質の高い臨床研究を実施し、発表した方を表彰」するという学会賞の1つです(学会ホームページより)。今回、1次審査(抄録)で6題の候補が選ばれ、そのうちの1題に選ばれました。残念ながら、日野原賞は逃しましたが、候補に残っただけでも素晴らしいと思います。渡邊先生、お疲れ様でした。

また、おまけですが、今永が以前書いた論文が、プライマリケア連合学会の和文誌の優秀論文賞に選ばれました。年間1論文が選ばれ、学術大会の時に表彰されるため、今回表彰式に出席させていただきました。

研究リソースは多くない場ではありますが、臨床の場で湧き上がった疑問を今後もみんなで少しずつ研究していけたらよいなとあらためて思いました。