秀山の俳句写真日記

日々の生活、旅先での出逢い・思いを俳句、写真、文にした徒然日記です

物のゆたかさ と ゆとり

2023年06月26日 00時43分27秒 | 日記

近代化で ゆとり失ふ 西洋人
 江戸の文化に 逝きし世を見る

物ゆたか なるも失ふ 日本の美
 憂ふ明治の 西洋人

 

 今、渡辺京二著「逝きし世の面影」を読み始めました。まだ第1章を読み終えたばかりですが、今朝、読売新聞の朝刊を見まして、幕末・明治期も今も、人のものの見方はあまり異ならないのかな、と思いました。そして、科学技術の発達により、特に近年はinformation technology の飛躍的な発達に人間がその生活を合わせようと必死になっています。底なしの人間の物欲で持続可能性を破壊されつつある地球環境から、人類はこれまでの価値観と生活の在り様の歴史的な転換を迫られています。
 「人間にとっての幸せとは」という素朴な問いが頭をもたげ始めました。

 本と新聞記事の一節をご紹介します。

・「逝きし世の面影」より:
 ① ヒュースケン(Henry Heusken(1832~61)は有能な通訳としてハリスに形影のごとくつき従った人であるが、江戸で幕府有司と通商条約をめぐって交渉が続く1857(安政4)年12月7日の日記に、次のように記した。「今や私がいとしさを覚え始めている国よ。この進歩はほんとうにお前のための文明なのか。この国の人々の質朴な習俗とともに、その飾りけのなさを私は賛美する。この国土のゆたかさを見、いたるところに満ちている子供たちの楽しい笑声を聞き、そしてどこにも悲惨なものを見いだすことができなかった私は、おお、神よ、この幸福な情景がいまや終わりを迎えようとしており、西洋の人々が彼らの重大な悪徳をもちこもうとしているように思われてならない」(P14)
 ②エドウィン・アーノルドは1889(明治22)年、日本の聴衆を前に次のように語った。「私はこう言いたい。あなたがたの文明は隔離されたアジア的生活の落着いた雰囲気の中で育ってきた文明なのです。そしてその文明は、競い合う諸国家の衝突と騒動のただなかに住むわれわれに対して、命をよみがえらせるようなやすらぎと満足を授けてくれる美しい特質をはぐくんできたのです。」(P62)

・読売新聞朝刊(2023年6月25日)
 「チマチョゴリ姿で撮影に興じていた60歳代の女性は「(北朝鮮の景色は)幼い頃の中国のようにのどかな印象で懐かしい」と話した。SNS上で、北朝鮮への旅行経験があるという中国人は「北朝鮮の庶民は1970、80年代の中国人を感じさせ素朴だ」と紹介している。北朝鮮は金正恩体制による過酷な抑制下にあるものの、高速成長を経て厳しい競争社会で暮らす中国の人にとってはノスタルジーを感じる場所となっている。


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