布袋さん デンとおほらか 寺の秋
黄檗山萬福寺天王殿
萬福寺は1661年に中国僧の隠元さんが開創され、伽藍配置は中国明朝様式で、現在の儀式作法なども、今日の中国寺院で執り行われている仏教儀礼と共通する部分が数多く見られとのことです。
2019年の10月に上海の龍華寺に行ったことがありましたので、このお寺に一度は訪れてみたいと思っていました。
境内に一歩踏み入れますと、建物の形状、お庭など、上海のお寺の雰囲気だ、と感じました。そして、最初の仏殿でお会いしたのがこの布袋さんでした。日本でこのように大きな布袋さんがデンと祀られているお寺は私にとっては初めてです。龍華寺の時と同じように、お寺の中の布袋さんにははじめ違和感を覚えましたが、じっと見ていますと、心が大(おう)らかになります。
上海で、布袋さんは弥勒菩薩の化身とされていることをしり、広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像が大好きな私にとっては、まっさか~、と思いました。今回、萬福寺でその由来を聞き、なるほどと思った次第です。それは、布袋さんは七福神の中で唯一実在の人物で、各地を行脚して人々に救いの手を差し伸べ、いつしか中国の弥勒菩薩信仰と交わって「弥勒菩薩の化身」といわれるようになったとのことです。
唐人を 笑顔でつつむ 布袋さん
上海龍華寺