アトピーをはじめアレルギーには、あまり油や肉の多い食事よりも、
和食がいいということは、長年いろんな人々が提唱している。
確かに和食は「油」ではなく「水」を主体とした料理であるし、
地産地消とかいった観点とか、
もしかしたら伝統と体質といったことからも
私たち日本人にとって、和食が悪いということはなさそうだ。
和食が持っているマイナス点、たとえば
塩分が多いとか、ビタミン不足だとか、
いくつかのポイントを押さえれば、
たぶん、ほんとに和食はなかなか優れた食事かもしれない。
アレルギーに限らず、生活習慣病一般に大変効果的だと私が思うのは、
和食にしろ、何にしろ、「食事を変える」という行動、
つまり今回のタイトルでいえば「シフト」だ。
いままで好きだったもの、
よく買っているもの、
凝っているもの、自分が選ぶもの、というものを
私たちはリピートしがちだ。
それが仮に健康にいいと言われていることであっても、
それを変えてみるというのは、生活習慣を振り返ることにつながる。
病院から出ている薬などをやめてはだめですよ。
病気への対応と、単なる生活習慣の見直しはぜんぜん別。
私がこのようなことを考えるきっかけになったのは、
入院中に読んでいた『Mindless Eating』という本だ。
人は自分が食べた量を把握できない、
量さえわからないくらいだから、何も考えないで
ただ目にうつるものを口へ運んでいる……
とまあ、詳しくは本書にあたっていただくとして、
私たちの摂食習慣に関するかなり衝撃的な事実が、
著者が主宰するフードラボにおける
積年の実験から得られたデータを通して
次々に明らかにされます。
まあそんなわけで、生活習慣のなかでも摂食について
私の場合は油と肉の多い食事という傾向があったので
まあひとつに和食へシフトということを考えてみたのであります。
たとえば、
コーヒーを抹茶に。
これは結構代替えが効いたりする。
あの濃いアロマ、香り高さは、抹茶が持っている何ものかと通底し
満足感が似ているように思います。
他の料理に使う場合の効かせ方とかも似ていますよね。
それにほら、スターバックスにも「抹茶ラテ」がある。
料理人はそんなのとっくに気づいているのだ、
と言えるのではないでしょうか。
ところで今、そのスタバで、
今日「明日から販売」という新メニューのサンプルを
飲ませてもらったんだが、これが抹茶ラテに
あずきソースときな粉をトッピングした
「あずき抹茶ラテ」というもの。
そこではたと気づいたのだが──
シナモンをきな粉に。
というのもいけるんだなあ。
実は私はその「和食へシフト」以来、
ウチカフェ(笑)で、抹茶ラテを作っていて
その経験からすると、なんと!
抹茶ラテでもシナモンが合わないこともないのだ。
ラテに入れるフレイバーシロップを黒糖にシフトしたり、
シナモンを何かにしたらいいんだろうなあとは思っていたが
そうなのだ、きな粉というのは香りが立つ。
そして粉末であるというわけである。
自分の嗜好というものに忠実でいることの
愉しさ、居心地よさもよくよくわかるのだけれども、
生活習慣をちょっと変えてみたり、
料理のプロの提案をたまには採り入れたりして、
自分はどういう人というのをちょっとぶらしてみることが
意外にも健康の秘訣なのやもしれませんねえ。
これ、さきほどのMindless Eatingの翻訳のようなのだが、『そのひとクチがブタのもと』って……いうタイトルらしいです。