オレのブログ

ロックとイラストの大好きな、社会の底辺にいるチンケな一青年のブログです。
つまらねー事しか書かねーが、よろしくな。

中国嫁日記を読んだよ

2017-01-02 09:40:11 | マンガ
 明けましておめでとうございます
 初日の出&初詣を見に行こうと徹夜をやったわけですが、体を動かしたか、家に帰るとすげー眠くなって、ベッドに入ってそのまま眠りコケて、ブログも書けなかった。

 俺の地元は雪国の北海道なんで、初日の出は殆ど曇っていて、今年は思い切り曇ってて全く見れなかったよ
 そのまま初詣に行って、ふとセブンイレブンに立ち寄ったら、井上 純一先生(以下ジンサン)の「中国嫁日記」が目に入り、読んで見たら興味深い内容なんで、買って帰ってきたよ。

 

 本人様のサイトツイッターにも行きましたが(近況とかはこちらを参照)、月(ゆえ)さんも本当にスタイルいいなぁ!プロポーションに関しては、マンガとほぼ一緒。
 お子さんも去年産まれたそうですが、幸せで何よりです。


 写真も出回っているが、「中国嫁日記」でジンサン自身「デブで不潔な女と縁のない典型的なオタク」と書いていて、どんな顔か気に放ってはいたが……至って普通じゃん。少なくとも、政治家のお偉いさんよりはイケメンなんです(正直、お偉いさんのほうがバケモノ)……。
 流石に月さんの顔は隠れてて、月の名も偽名ですが……


 月さんの実際の顔とかがどうなっているか気になるが、それは本人のプライバシーなので詮索はしない。
 それに、顔を出してトラブルになったケースが多いのですが、日本人でも顔を出してトラブルになったと言うのがあるのに、中国人とかだったら尚更トラブルに発展しそうです。

 こんなのがうろついているんだから、顔なんて出せるわけが無い【閲覧注意】。
※以下出す動画は極めて暴力的で、言葉も酷く汚いです。再生する時には心を決めてから再生してください。

(6_7)法を破るシナ人商店は片っ端から営業停止だ!


 しかも、このプロポーズと同じ年に……




 こんな事が起こっている【閲覧注意】
反中デモを妨害する反日中国人が日本人に即リンチされ撃沈される!(21年9月27 )


 インターネット黎明期から歪んだナショナリズムが日本に蔓延していて、特に中国人や韓国人はターゲットにされて、最近ではわさびテロ等、実力に打って出たケースも目立っている。


 歪んだナショナリズムはジンサン自身にも攻撃が及んで、中国嫁の実在が疑われたり、amazonレビューでもジンサン自身の過去の行為を上げて叩き上げられるなど(5巻のレビューはさすがに「ジンサン、アホだなぁ」と流石に弁護できませんでしたが)、歪な攻撃が繰り返されています。
 ジンサンの経歴等を論ったまとめサイトが出ていますが、リンク先の情報は殆ど「排外的民族主義思想の総本山」と言われる2ちゃんねるからのもので、書き込みも汚く過激(デマまで流れています)と評判なので、信じる人はいないでしょう。

 中国や韓国側も日本に対する攻撃的なデモを起こし、日本と中韓の関係は冷え込んでいるのですが、そうしたナショナリズムが国と国を引き裂き、互いに心を閉ざしあい、そして戦争に至るわけです。

 「中国嫁日記」への批判にはジンサンへの嫉妬かナショナリズムが要素に入っているので、私には聞くに取らない。

 世界は今、ナショナリズムに取り付かれており、アメリカではトランプが大統領に選ばれたり、ヨーロッパでも極右勢力が力をつけ、日本でも韓国や中国に対する憎悪が蔓延する等、過激なナショナリズムが世界を覆っています。
 「中国嫁日記」は蔓延し行く排外的なナショナリズムの思想を改めさせるもので、月さんも豪快で愉快な人ですが、悪い人には決して見えない。「中国人=強欲で陰険、極めて冷酷」と言う論が出回っていますが、月さんは少なくともそういう中国人像に当てはまらない。
 また女に一生縁がないと思われた重度なオタクにも希望を与えているのですから、これは良作です。

 文化の違いで、月さんの言動に違和感を感じている方もいるのですが、このマンガを読んで、少しでも中国人に対する態度を変えてくれる事を願います。

 私も月さんの言動に違和感を覚えて、ジンサンと同じ疑問とかは芽生えましたが、月さんは沢尻エリカさんをリスペクトしていて、ゴシップが取り上げられる旅に「純真が故にマスコミに誤解されている被害者」としていました。そこに関しては私は月さんに同感。

 問題の舞台挨拶
【放送事故】沢尻エリカ「別に」

 「Closed Note」の舞台挨拶で、沢尻エリカさん、思い切りマスコミに叩かれていましたが、私自身、ふてくされた態度ぐらいでここまで騒ぐ?って思ったし、舞台挨拶会見の騒ぎに「他にネタないの?!」って取り上げたマスコミに呆れています。
 沢尻エリカさんは好きではないが(映画もドラマも最近見ないため)、マスコミのバカさ加減に呆れて果てていますので、この時だけはエリカさんに同情します。

 しかし、月さんもすごく面白いので、是非アニメ化してほしい!

俺のリスペクトするマンガ作品

2016-02-09 19:13:02 | マンガ
 マンガはよく読んでおり、少年物からエロまで幅広いジャンルのマンガを読みますが、名作だと思うマンガは何ですか?!と言われれば、まずは浦沢 直樹先生の「20世紀少年」でしょう。



 メッセージ性については浦沢 直樹先生がダントツですが、先ず主人公の「遠藤ケンヂ」がロックバンド崩れのさえないオッサンというのに親近感が沸きますが、不幸にも“ともだち”と言う組織に関わらざるを得ない状況にまで追い込まれ、ギターを手にとって再び立ち上がっていくというストーリーは、まさに名作です。

 また、左も右も悪いところはあるという、建設的な書き方をしている所。小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」や中沢 啓治の「はだしのゲン」は完全に思想が偏っていますが、浦沢 直樹の作品では左と右の善と悪をきちんと描かれており、「MONSTER」や「BILLY BAT」なんかは、共産主義や資本主義、軍国主義の悪をきちんと描いています(最も、最近の「BILLY BAT」はキレが悪いが、今の出版業界はアレだからなぁ)。

 偏った正義がない、物事が哲学的に書かれている、長崎 尚志の助けがあるとは言え、浦沢 直樹はやはり天才だ。
 一つに絞れって言うのなら、「20世紀少年」ですが、幾つもあげても良いというのなら、上げましょう。

 先ずは松山せいじ先生の「鉄娘な三姉妹」。


 美章姉さんに萌えたんで、読んだが、鉄道のうんちくや撮り鉄の仕方とか、色んな指南がされてて、意外と面白かったんだよなぁ。
 鉄娘な三姉妹を読んで昔あった鉄への情熱が再び燃え上がったんだよなぁ。名寄まで行って来たよ。
 こちらの妄想になりますが、次女の美唄はかなり頭が良いと見た。小学校に上がった後、飛び級でMITに行ってて(入った理由が、車両の新たな装備やシステムを探りに来ていた?)、美章とビンゴと再開したときには卒業したって所かな?!16ぐらいと言うが、高校に通っているはずの年齢だろ、美唄。

 エイケンとかゾクセイ、琴子の道(原作が森高 夕次。現在「江川と西本」の原作をやってる人です)は読んだが、エロが控えめで、ストーリーも軽くて読みやすい。

 まあ、今は金がないんで乗ってないが(←コラァ!)、どうせならもっと続いても良かったかな?!って思ってる。

 板垣 恵介先生の「グラップラー刃牙」も上げておく

 ……これは完全にメチャクチャだろ。手足はちぎるし、描写も過激だし、ドラゴンボールですらこの作品には敵わない!
 範馬 勇次郎がすげーけど、登場人物、ハチャメチャすぎ……。

 和月 伸宏先生の「るろうに剣心」も名作。


 これに関して一言。外印が印象的だった。


 俺が外印の素顔を見た瞬間、「ドクターゲロだ!」と叫んだのは昨日のように良く覚えている。

 一部では鳥山 明先生にこっぴどく怒られて、訴訟に発展しそうになった為に、外印の顔が変えられたという話も聞かれる。まぁ、夷腕坊と外印のコンビや設定等から見て、鳥山先生が訴えたくなるのも分る気がするが。

 後、松本 大治先生の「desperado」。


 その後の松本先生どうなったか謎ですが、友達も出来ず、ロックばかりを聴いていた当時の俺には共感できたストーリーだった。
 これを下にストーリーも作ったけど、盗作過ぎだし自分から見てもくだらないと思ったので、破棄しちゃいましたが、それほどこの作品に共感した訳です。

 ザ・デンシャは、当時はダサイバンドと思っていたけど、前述の鉄娘な三姉妹を見て、中々面白みのある人とは思った―福音寺姉妹と対面したらどうなるんだろうか?

 そんな「desperado」と対を成すのが、梅沢 春人先生の「無頼男」(ロックばっかだなぁ!俺!)。


 ロックに生きる主人公達の物語だが、型に嵌らない、ルールには従わない、間違っている事はキチンとノー!と言う、そういうストレートな生き方には憧れが持てる。
 ハチャメチャな所には好感が持てる。
 ロックを題材にした作品なら、「20世紀少年」の方がもっとハッキリとしているし、「ロックに救われた」と感じることが出来るが、アクション物として見るのなら、「無頼男」も面白いものだ。

 終わり方が中途半端だが、個人としては、アメリカを最終ゴールにして、中国、アジア、ヨーロッパと様々な戦いに展開して、中華人民解放軍やマフィア、ネオナチとの死闘を繰り広げて、それからラスボスと戦って欲しかったものだ。

 と、まぁ、こんな感じかな?!

 俺もマンガのストーリーを良く妄想していますが、自分の納得のいくストーリーって、中々出来ないんですよねぇ。ストーリーや作風が受け容れられなければ打ち切りにされるし、プロの漫画家の苦労も分るような気がする。

幻の「火の鳥 大地編」を想像してみた パート4

2015-07-27 19:36:14 | マンガ
 が、「大地編」そのものは終わっていません。明治維新が終わり、時は一気に3404年へと移行します。

 3404年は「火の鳥 未来編」の舞台で、人類最後の年にもなっています。しかし「大地編」では歴史は変わっていた。
 25世紀ごろ、文明は頂点に達し、神の領域に達しようとしたが、シリウス星から連れてきたムーピーはこの頃にブームになり、人々はムーピーと共存していた。
 が、26世紀に入り、ムーピーは大反乱を起こし、人類VSムーピーの戦争は起こった。レーザー銃やミニ核爆弾で対抗する人類。しかし、何なる生物に化け、人間にすら化けるムーピーに人々は次第に追い詰められていき、街は殆どムーピーに乗っ取られて行った。
 市街を追われ、機械文明を失った人類は、石器時代からのやり直しを余儀なくされ、家も藁ぶきと原始時代の生活様式だった。
 マサトやロック達は狩人となり、動物を狩っては村に持ち帰ると言う日々を送っていた。
 そこでタマミと言う女性と出逢う。ムーピーに集落を追われたと思ったマサトは、タマミを村へと案内したが、タマミの様子が変と察知したロックは、タマミをつけ狙うようになる(ムーピーに対する警戒や憎悪は「未来編」と変わりないが、理由は「人間とかに化けて人を食べる」となっている)。
 狩りを終えたマサトとロックは、東京の街へと向かっていった。

 「火の鳥 未来編」のコマをまた引用するが、(オレの妄想で作った)「大地編」で歴史が変わっているので、未来編のコマと見比べながら読んでもらえればありがたいです


 21世紀はまだ人間がはつらつとしていた。宇宙を飛びだし、あちこちの星に植民地も開拓した

 何度か核戦争もあったが、そのつど人間は目覚めて立ちあがった……

 25世紀には人間の文明は絶頂に達した

(ここまでは「未来編」と同じ)

 そして、宇宙中からありとあらゆる生物を持ちかえり、人類の欲求はみたされて行った。ムーピーが特に人気で、人の願う通りに姿形を変えていく事から、地球のムーピーは爆発的に増えて行った。

 だが26世紀になり、ムーピーが突如、大反乱を起こした!ムーピーは次々と人を襲い、人類はムーピーに抵抗せんとありとあらゆる手段を使った。だが、ムーピーはそれでも人を襲い、文明も全て奪われて行った。

 ムーピーの反乱により、科学も芸術も前進する術を失った。

 文明を奪われて行き、30世紀ごろには1世紀ごろの文明に戻ってしまっていた

 明らかに人類は……いや、地球はムーピーに乗っ取られていた

 遠い星の植民地もムーピーに占領されたが為に機械文明を失い、人類は地球に釘づけにされて、何の希望もなく、その日その日を送っていた

 人類はムーピーから文明の奪還を抱いていた。しかし、ムーピーからの解放は目処が立たず、人類は未だに石器時代の暮らしを余儀なくされた。

 このトーキョーの街は千年前には人類でごった返しになっていた。だが今ではムーピーが住む死の場所となり、トーキョーの……いや世界中の都市は、ムーピーによって入れなくなった。人は一人もおらず、入る事はすなわち死を意味している。


 そしてある日、タマミからトーキョーの街に行くように誘われる。マサトは都市に行く事を躊躇っていたが、都市がどんなものかを見ようと、タマミと一緒にトーキョーの都市へと入って行った。
 そこで猿田博士と出逢う。
 猿田博士が都市にいる事にマサトは疑問を持っていたが、猿田博士はムーピーの真実を告げられ、肉食の猛獣と言われたムーピーは、実は固形物が全く駄目の動物であり、基本的には無害であった。「未来編」本編ではネズミやゴキブリ、人類を残して動物は絶滅していたが、ムーピーが保護をしていた為動物の絶滅は免れた。
 猿田博士は醜い鼻から女性に嫌われ続け、悲観してトーキョーの都市に向かい、ムーピーに食い殺されて死のうとしたのだった。
 余談ですが、マサトとタマミの後を追ったロックは、トーキョーの都市に入りこんでいた。タマミの正体を知ったロックは、村に戻ってマサトの事を村長達に報告しようとしたが、ムーピーに見つかって食い殺された。

猿田「この者はムーピー達に危害を加えようとしたのじゃな。ムーピーは基本的には生命体に優しいが、危害を加えようとするのであれば、容赦なく襲って食い殺すのじゃ。ムーピーは固形物が食べれないので、死骸は肉食獣がありつくのじゃが」

 そして、日が経ち、マサトは猿田博士と共に東京の博物館へと足を運んで行った。
 幕末時代に残された文献からマサトは幕末に生きた坂本 龍馬や大久保 利通、沖田 総司らの意思を感じ取るが、彼等は何のために国を変えようとしたか、生きる事はどういう事なのかを察知し、ムーピーの住むトーキョーの都会に住むようになり、生命の謎を探求していきながら物語はここで終結。

 と、「大地編」を空想してみましたが、いかがでしょうかねぇ!?

 手塚先生が死んだ今では永遠に見る事が出来ないのですが、彼の描いたマンガは永遠である事には変わりありません。

幻の「火の鳥 大地編」を想像してみた パート3

2015-07-26 19:09:35 | マンガ
 オレの妄想「火の鳥 大地編」クライマックスを書きます。

 維新志士/新撰組が一通り終わり、物語は遂に幕末まで達し、一つのストーリーとなった「大地編」。
 維新志士側と幕府側の内戦は激化を辿り、函館戦争等で新撰組はやがて全滅の道を歩む。
 「新撰組側」の主人公だった沖田 総司も結核にかかり、史実の通りに死亡。

 着実に地位を固めて行った大久保(=ロック)だが、火の鳥をめぐる争いからか次第に不信感を高めていき、信用出来る人間がいなくなっていった。

 坂本 龍馬は火の鳥と会話し、火の鳥の信頼を得て頻繁に会っていた(当然龍馬は火の鳥の血には興味なし。「太陽編」に出てきた大友のような支配欲もなかった為、火の鳥は龍馬を信じるようになった)が、それが大久保の不快を買うはめになってしまい、坂本 龍馬と次第に対立。大久保は遂に坂本 龍馬暗殺を命令し、坂本は惨殺。

 坂本 龍馬暗殺が大久保の仕業と察した猿田は、反大久保の計画を維新志士側に持ちかけるも、大久保は猿田の計画を察知し、猿田も暗殺。発覚すれば自分の地位が揺らぐ為、龍馬や猿田の暗殺は新撰組の仕業にされた。

 猿田は坂本 龍馬や桂 小五郎等の意見を取り入れて船中八策等明治憲法の根幹を考案したが、大久保を信じておらず、明治政府の顔触れにも大久保の名前が入っておらず、代わりに坂本 龍馬の名前が入っていた。猿田の死後、大久保は坂本の名前を消して、自分の名前を入れたのであった。
 大久保は火の鳥を手に入れんと、会津、函館と兵を進ませる。

 幕府は倒れ、時代は明治になるが、大久保の火の鳥への執着は幕末より強くなっていき(容姿は変わっています。明治になると大久保の容姿は歴史の教科書等で描かれるような姿になり、ロックの面影は全くなくなっていた)、大陸進出や軍備増強等「富国強兵」を行うようになった。

西郷「大久保どん!一体どういう事だ?!何故軍を大陸に向ける!?」
大久保「日本と言う国を強くするには、大陸を手にする事が絶対だ!」
西郷「そんなんで強国が作れるとは思えんでごわす!そう言えばお前、火の鳥にやけに執着していると見るが……まさか、火の鳥が中国にいるから、火の鳥を捕える為に大陸に兵をよこしたのでは!?」
大久保「(ギクリ?!)何を言う!?西郷!火の鳥は関係なかろう!」
西郷「お前の火の鳥の執着は尋常なものではなかったでごわす!そもそも坂本どんの暗殺には、大久保の手引きがあったと聞いたが……?!」
大久保「坂本を殺ったのは新撰組だ!」
西郷「しかし、新撰組で坂本どんと顔馴染みの者もいたでごわす!それに坂本どんの死体も見たが……明らかに新撰組の剣術ではないでごわす!坂本どんだけではない!猿田先生も大久保どんが手を下したのではないのか!?」
大久保「猿田先生も新撰組に目を付けられていた!」
西郷「猿田先生は火の鳥の話をよくしておったが……火の鳥の話を本気で信じているのでごわすか?!あんなのただの神話たい!しかし、明治に出回った本とやらを読ませてもらったが……『猿田 十郎』の名前が一つも見当たらないでごわす!猿田先生を歴史から消したでごわすか?!恩師を消すなんてどうにかしてったい!」
大久保「西郷!何処へ行く!?」
西郷「猿田先生まで殺める明治政府なんかにもう付いていけないでごわす。こんな政府は……後先が短いだろう!」

 火の鳥に執着し、朝鮮を蹂躙させようとする大久保に西郷 隆盛は遂に明治政府に見切りを付け、大久保と対立して明治政府から離反。

西郷「実在するかどうかも分からん火の鳥なんかに必死になって、大久保め!何を考えている?!」―西郷は火の鳥の存在を全く信じず、神話を基にした作り話と受け取っていた。

 西郷の離反を「火の鳥を隠し、大久保の知らない内にその生き血を飲む」と言う態度と受け取った大久保は、西郷を「反逆者」と見なし、そして九州に火の鳥がいたと言う事から、西南戦争は勃発。
 西郷の軍は次第に追いつめられていき、城山決戦の死の直前、火の鳥が西郷の下に姿を露わした。

西郷「お前が…火の鳥か?!大久保の奴が探し求めていたと言う……。」
火の鳥「西郷よ。」
西郷「大久保の奴が執着する訳でごわす。大久保は何故お前を追い続けるのでごわすか!?」
火の鳥「彼は私の血が不老不死にするというのを知っていたのです。だから彼は坂本 龍馬や猿田 十郎とかを次々と暗殺し、そしてあなたを始末しようとすらしていたのです。」
西郷「死なずに永久に生き続けるなんて、なんて愚かな欲じゃ。おいどんはどうなる!?死ぬのか!?」
火の鳥「申し訳ないけど、あなたは死にます。戦いに敗れるのです。」
西郷「そうか。勝ち目のない戦いとは思っていたが……大久保めに抵抗出来た事だけは誇りたい。火の鳥よ、おいどんは生き血など要らぬでごわす。永遠に生きた所で何にもならないでごわす。ただ、火の鳥よ!これだけは聞いてくれ!大久保はお前を追い求めるが為に暴走を続けているでごわす!大久保を放っておいたら……日本は破滅たい!おいどんが死んだ後、誰があいつを止めるのでごわすか?」
火の鳥「大久保を止めようとするのは、あなただけではありません。大久保は力に取りつかれたのです。大久保の破滅は近いでしょう。」
西郷「おいどんの最期の言葉を聞いてくれ……。大久保は最早、暴走を続けておる。大久保を……明治政府を……どうか止めてやってくれ!お前自身が手を下せなくても……誰か良心のある者に……大久保を止めさせてやってくれ!日本のために……!」

 西郷は力尽きた。

 西郷の首は明治政府まで持ち込まれ、西郷の死を革新した大久保は、大いに歓喜した。

大久保「西郷の奴が死んだか!奴も結局火の鳥を手に入れる事が叶わなかったと言うわけだな!?だが私は選ばれし者!火の鳥さえあれば、私のネイション・ステイトは確立され、日本と言う国は永遠の国となろう!」

 しかし、大久保の夢は叶わなかった。龍馬や猿田、西郷を始末してきた事から大久保に不満を抱く勢力が力を付けていった。
 猿田は死ぬ直前、石川県に塾を構え、生徒の一人に島田 一郎を抱えていた。島田も猿田を心から慕っていた。猿田が死ぬ直前、「大久保はワシを殺そうとするのだろう。」と口にした為、猿田の敵を取ろうと長連豪、杉本乙菊、脇田巧一、杉村文一、浅井寿篤を集め、大久保暗殺を計画するようになった。
 斬奸状を送りつけられていたが、大久保はこれを無視。
 そして紀尾井坂の変で大久保は暗殺され、こう締めくくられる。

 火の鳥に取りつかれた男―大久保は、軍隊を中国大陸に向け、かつての同志を殺してまで火の鳥を手に入れようとした。
 しかし、大久保は火の鳥の生き血を手にする事が無く、紀尾井坂の変で不平士族等の手によって暗殺された。
 大久保の死によって、火の鳥をめぐる騒乱は幕を下ろした。しかし、日本は「富国強兵」の道を歩み、後に朝鮮、そして中国に進出していき、戦争の道を歩んで行った。日本の富国強兵は、大久保の願望が産み出したものかもしれない。
 大久保の狂気から明治政府は火の鳥の存在を伏せた。大陸に向かう兵士達も火の鳥を知らなかった。日本はやがて戦争へとひた走るが、大久保の火の鳥への願望が日本を狂わせたのかもしれない


 妄想「大地編」の幕末/明治はここで締めくくりますが、もしかしたら、手塚 治虫先生本人は別のストーリーを建てていたのかもしれない。
 手塚 治虫先生が生きて、「火の鳥」がもし続いたらと思うと、本当に残念でならない……

幻の「火の鳥 大地編」を想像してみた (番外編)

2015-07-25 19:25:19 | マンガ
 妄想「火の鳥 大地編」の第3章。

 手塚 治虫先生に申し訳ないけど、「火の鳥 大地編」を妄想せずにいられないので、ご勘弁を下さい。
 後、未来編のネタバレも若干含まれますので、もしまだ「火の鳥 未来編」読んでいないと言う方がいらっしゃいましたら、この記事は見ないようにして下さい。

 山之辺マサトがキャスティングされた沖田 総司であるが、殺戮を続け、新撰組から恐怖の存在として恐れられる。
 たまたま沖田 総司にキャスティングされた山之辺マサトだが、実は「山之辺マサト」こそ沖田 総司の未来の姿であり、沖田は1868年の死から千何百年経った3383年に「山之辺マサト」として生まれ変わるのであった。

 赤子や動物への殺戮を重ねる沖田 総司に火の鳥は、沖田の前に現れて、自分の行った行為を非難する。
 そして火の鳥が総司の前に現れ、「沖田 総司よ。あなたは多くの命を奪い続け、そして人々を恐怖に陥れた」と告げる。しかし、沖田はそれでも自分の行いを正しいと言って聞かない。

 剣術の訓練として鳥や犬と言った獣を斬り殺し、赤子ですら手をかける沖田 総司だが、冷酷で残忍な性格から他の隊士から恐れられ、新撰組でも孤立していった。
 そんな孤独を紛らわそうと、沖田は酒に逃げるようになり、正月の時ですら、沖田は酒ばかりを飲んでいたのだった(沖田 総司のキャラ壊してるよ……)。

 そんなある日の道場にて、沖田は何時ものように酒をかっくらう日々を送っていた。
 と、突然声が聞こえてきた。

沖田「?!気配?誰だ!市居の者は新撰組の道場、出入り禁止の筈だ!」
 刀を手にとって外へ出ると、その目の前に火の鳥がいた。
沖田「ふん!鳥か!」
火の鳥「総司よ、沖田 総司よ!」
沖田「?!人の声だ!密偵か?!出て来い!新撰組に忍び込むとはいい度胸だ!この刀で斬り倒してやるぞ!」
火の鳥「そこには誰もいませんよ、総司。」
沖田「鳥が喋った!?」
火の鳥「沖田 総司よ。あなたはまた、命を殺めたそうですね?」
沖田「命を?!ヘッ!今日も18人斬り殺してやったさ!奴等は幕府に逆らう不満分子だからな!」
火の鳥「だからって命を殺める理由になりますか!?」
沖田「殺しでもしないと市居の奴等はつけあがって来る!見せしめに斬り殺さなければ幕府は潰れるんだ!」
火の鳥「しかし、あなたは鳥や犬、動物さえも斬り殺しました。」
沖田「畜生を殺して何が悪い!剣術を上げる為に畜生を殺すぐらい、誰だってやらぁ!」
 沖田と火の鳥の口げんかの末……
火の鳥「総司よ。あなたにいい物を見せてあげましょう!?」
沖田「え?!って、ここは?!」

 火の鳥は沖田の行いを戒めようと「未来編」の舞台である3304年の世界に連れて行き、ライオンやゾウは勿論の事、クマや犬、猫すら絶滅していた滅びの世界を見せて行く。
(火の鳥 未来編より)


火の鳥「これは2000年後に経った世界です。人間達の愚かな行動によって動物達は絶滅し、僅かな小動物と草、そして人間だけが生き残ったのです。人間は自らの権威の為に生き物を殺してき、そして絶滅に追い込んでまで自らの身を優先しようとしたのです。そう、沖田 総司。あなたが生命を殺め続けたように……。」
 この様子に沖田は身を凍らせたが、火の鳥は沖田をメガロポリスヤマトへと連れて行き、山之辺マサトの所へと連れて行った。自分に似たマサトに沖田は驚愕した。



沖田「!?何だ、こいつ!これ……おれ!?」
火の鳥「この青年の名前は“山之辺マサト”と言います。彼は電子頭脳“ハレルヤ”の命令の下でムーピーを次々と殺してき、そして人を殺し続けて行ったのです。」
沖田「俺とそっくりだ!顔まで似ていて行動まで似ているなんて!」
火の鳥「この山之辺マサトは、沖田 総司、あなたの未来の姿なのです。」
沖田「俺の未来!?」
火の鳥「あなたは近いうちに死にます。別の生物に生まれ変わり続けます。しかし3383年(3404年時点で23歳っぽいから、適当に付けた)にあなたは“山之辺マサト”として生まれ変わります。」

 マサトがロックと接触したのを見ると沖田は驚愕する。

沖田「こいつは逆賊の大久保!」
火の鳥「彼は“ロック”と呼ばれています。彼もまた、大久保の生まれ変わりなのです。“マサト”は彼に従事しました。」
沖田「よりによって逆賊の大久保なんかの下で働かされるなんて、たまったもんじゃない!あの野郎の顔は見るだけでも吐き気がする!叩き切ってやる!」
山之辺「第75ブロックで発見したムーピーと思わしき生命体ですが……。」
ロック「鑑定の結果、ムーピーと判明した。始末しろ、山之辺。」
山之辺「しかし、飼い主が抵抗しています!」
ロック「抵抗する場合、飼い主ごと殺せ。場合によっては家族も一緒だ。」
山之辺「しかし、飼い主の家族には赤ん坊も……。」
ロック「見せしめに丁度いい。ハレルヤの計算では一家全員殺せと出ている。命令に従え!」
沖田「ハレルヤって!?こいつ等の殿様か?変な名前だなぁ!」
火の鳥「人類が作り上げた、電子頭脳です。人類は自らの頭で考える苦しみから逃れるため、電子頭脳を作り上げて、ハレルヤの計算に従ったのです。」
沖田「……でも赤子まで手をかけるなんて……大久保より冷酷だな!おれでも吐き気がするぜ!“ロック”って言う大久保そっくりの男、そのハレルヤって言う殿様の言う事を聞くのか?こんなのを見て、父上や母上とかが見てたらどう思うんだろうか!」
火の鳥「彼は“ハレルヤ”が選んだ精子と卵子によって生み出され、人工チューブの中で生を受けたのです。」

沖田「鉄の塊から産まれたって!?信じられないな……。」
火の鳥「100年後に試験管で子供が作られ、そして時が進んで、機械から子供が生まれるのです。」
沖田「でも、鉄の塊から産まれたんだから、こいつも冷酷なわけだ!人間の感情が全くない!」

 人斬りを正義と言う概念を曲げない沖田に、火の鳥は今度は猿田博士のドームへと連れて行った。

沖田「この鼻の醜く膨れ上がった爺さんは!?芹沢か?!」
火の鳥「彼は“猿田博士”です。」

沖田「薩摩の猿田も鼻が醜く膨れ上がっているが……猿田って言ったら、大久保や坂本、西郷と言った逆賊の首領で、幕府を倒そうとしている危険人物だ!」
火の鳥「猿田博士は滅んだ生命を復活させようと必死になっているのです。合成生物を作って生命を復活させようとしました。」
沖田「つまりこのジジィ、畜生を作っているって訳か?」
火の鳥「しかし、外気に触れた生命は溶けていき、生き物の復活には至りませんでした。」

沖田「死んだ!?」
火の鳥「合成生物は外気に触れると体が溶けて死んでしまうのです。」
沖田「猿田も討幕を企てているみたいだが……逆賊の子孫の作った獣なんて、出来損ないに決まってらぁ!無駄な努力だな。人間が神になれるなんて、出来るわけがない!」
火の鳥「そして、あなたはタマミと言う女性を殺させまいと、メガロポリス・ヤマトから脱出しました。当然命令に背き、メガロポリス・ヤマトから逃げ出し、追われる事になりました。」
沖田「つまり脱藩したって訳だろ?!脱藩は死罪と言うからけど……しかし、おれが脱藩した理由が、タマミって言う女の為だけに?こんな情けない理由の為に脱藩するなんて……こんなのおれじゃないよ。」

沖田「しかし、何だこの世界は?!木が全くないじゃないか!獣も一匹も見当たらないし……これ、本当に日本か?!……まるで賽の河原だ!真っ先に地獄でもありそうだ。」
火の鳥「紛れもなく日本です。そして、あなたが今住んでいる所の、1500年後の世界です。破壊され尽くした末になり果てたのです。そしてあなたはその世界を作ろうとしているのです。」
沖田「おれが……こんな地獄のような世界を!?」


火の鳥「そして時が経ち、ヤマトとレングードはいさかいが起こって決裂します。戦争になったのです。」
沖田「まるで幕府と薩長だな。この間維新志士を斬ってやったが……血生臭い戦争でもやるんだろうかねぇ?!」
マサト「アーメン。」
沖田「何だ、こいつ!?目を背けやがったぞ!人が死ぬのがそんなに怖いか!?……こいつ、本当におれか?!」
火の鳥「紛れもなく貴方です。」
沖田「で、ヤマトとやらの連中はどうなるんだ!?剣を手にとって殺し合いでもやるのか?!見たところ、レングードってやらの剣客みたいな奴等がまわりにいないが……メガロポリス・ヤマトの藩士……みたいな人か?!そいつを暗殺したりと荒れるだろうなぁ……。おれ達新撰組と維新志士が殺し、殺しあうように……。」
火の鳥「一瞬で消え去りました。」
沖田「!?一瞬で!?ありえない!経った一瞬で100人が消えるってか?!妖術でも使わない限り無理だ、そんなの!」
火の鳥「しかし、100年後、人類は核爆弾と言うものを手に入れたのです。それから戦争で使用されるようになるのです。これ2発だけで、20万もの命が一瞬で消えるのです。そして、その核爆弾で……ヤマトとレングードは消滅し、千万もの人々は全て灰燼に帰したのです。」
沖田「……何て事だ!たった一発で?!」


沖田「……気が狂っている!こいつ等!自分まで殺してしまうなんて!ハレルヤって殿様は乱心してる!こんな主君に黙って殺されるなんて……誰か乱心を止めれる者はいなかったのか!?」
火の鳥「ハレルヤに背くものは追放され、そして殺されたのです。メガロポリスは貴方達の想像をはるかに超える管理社会を敷いたのです。ですから、彼等は電子頭脳が全て正しいと信じ切っているのです。電子頭脳に全てを委ね、それで自らを滅ぼしてしまいました。」
沖田「……バカな連中だ!自分の頭で考えればよかったのを……!」
火の鳥「ヤマトとレングードの争いは、ユーオークやピンキング、ルマルエーズにまで達し、爆弾を仕掛けては全生命を絶滅させていったのです。」

沖田「どういう事だ!?何の関係もないユーオークとかまで巻き込んで?!」
火の鳥「ヤマトやレングードは、ユーオークやピンキング、ルマルエーズもどちらかの同盟と見なされたのです。だから小型核爆弾をユーオークとかに仕掛けて、彼等も巻き込み、そして人類は絶滅したのです。あなたは新撰組として、薩長に味方した者を殺してきましたが、それと同じです。」
沖田「おれがやったのと同じ……?」
火の鳥「地球上の人々は死に絶えました。しかし、総司。貴方だけが生き残るのです。人類が絶滅し、猿田やロック、タマミ等一緒にいた者も死んでいく中で、あなただけは永遠に生き続けて、5000年、1万年と生き続けるのです。」
沖田「永遠に行き続けるって……そんなのムリに決まってるだろ?人間、50年すれば必ず死ぬんだぜ!?長くても100年だ!亀でも1000年はムリだ!1000年も生きるなんて、火の鳥の生き血を飲まない限り……?!まさか!?」
火の鳥「そうです。私がマサト……あなたに、永遠に行き続けるようにしたのです。人類も動物も草も……細菌ですらも滅んだ世界で、あなたは死ぬ事が出来ず、ただ地球上で一人生き続けるのです。」
沖田「……まさに無間地獄だ!」


 と、火の鳥は今度は、1万年目のマサトの所へと連れて行く。

火の鳥「それから一万年が経ちました。」
沖田「一万年!?この爺さんは……もしかしておれ?!」
火の鳥「髪が白くなり、顔も老けていきますが、それでもあなたは死ぬ事が出来ないのです。」
沖田「一万年も……!」
火の鳥「彼は孤独にさいなまされ、ロボットや合成生物を作るようになりました。しかし、それも失敗し、更に孤独に苛まされるのです。」
沖田「合成生物って、あの猿田って逆賊子孫のジジイが作っていた、獣の出来そこないか?!おれも作るのか?!なら成功するはずだが……。」

沖田「死んだ!?成功したんじゃないのか?!」
火の鳥「合成生物はあなたでも失敗するのです。」
沖田「……酷い!これじゃ最初から死んでるも同然だ!一万年もこれでは気がおかしくなるよ!火の鳥!お前は平気な顔をしているなぁ!何故こんな事を平気で強いる!生かして無間地獄に陥れるなんて……狂ってる!お前は妖怪だ!悪鬼の妖怪だ!」
火の鳥「生まれてきた命を殺めるあなたにそう言う事が言えるのかしら?あなただって命を殺めてきたのでしょ?無間地獄といいましたよね?貴方は無間地獄に落ちるようなことをしてきたのです!」
 そして、今度は鳳凰編に移る

沖田「こいつも芹沢そっくりだな。片腕が無いぞ。」

火の鳥「我王と言います。彼も村人から忌み嫌われ、その境遇に悲観して人を殺し続けました。」

沖田「我王って奴か?こいつだって人を殺し続けたんだろ!?おれを責めるんなら、こいつだって……。」
火の鳥「しかし、虫や動物には手をかけませんでした。僧侶と出逢った事で、命の大切さを知るようになっていったのです。」

火の鳥「しかし、あなたは人どころか虫や動物すら手をかけ、それを誇っているのです。マサトは数万年も孤独に苛まされますが、あなたへの生き物への罰をも兼ねて、無限の孤独に苛ますのです。あなたのような人間が、生命の絶滅を招いたのです。あなたが殺しを続けるのであれば、あなたはその分無限の孤独に苛まされ、生命が復活するまで、あなたは永遠の罰を受けるのです!」
沖田「待てよ!俺はただ幕府の為に刀を振い続けただけだ!そんな罰を受けるなんて……!」
火の鳥「それは避けられない運命なのです。」
沖田「おれは1000年も経った後で、“山之辺 真人”とやらとして生まれ変わって……それで全ての生物が死に絶えた後で何万年も……何億年も生かされると言うわけだろ!?つまりおれは…無間地獄へ落ちると言う事か!?」
火の鳥「そうなります。」
沖田「じょ、冗談じゃない!人間も、獣も、何もかもいなくなって、おれ一人だけ生きて苦しむなんて……無間地獄に落ちるって事だろ!?おれは嫌だ!無間地獄に行くのなら、死んでしまった方がまだマシだ!」
火の鳥「しかし、貴方は生まれ変わっていき、やがて“山之辺マサト”として、永遠に行き続ける罰を受けるのです。あなたは生き物として許されない行為を行ったのです。1000年後に、その審判が必ず下るのです。」
沖田「死んでも生まれ変わって、無間地獄へ落ちるのか?!どうすればいい!?何をすれば許される!?おれは……全ての生命が死に絶えた後に万年行き続ける無間地獄をどうしても受けなければらないのか?!答えてくれぇ!火の鳥よ!」

 朝になり、道場で眠っていた沖田は目を覚まし、未来の自分が味わった苦しみを胸に焼きつかせていった。
 そしてある日。沖田の目の前に「お珠」と言う女性が現れた。お珠は沖田が“山之辺マサト”として生まれ変わった時に連れていた女性タマミにそっくり(名前も珠美だった)で、最初は女に興味のなかった沖田は、次第にお珠と付き合うようになる。
 そしてお珠は沖田を山に連れて行き、我王が作って行った仏像を見るようになった。そして沖田は次第に心を改め、自らの行いを悔むようになった。
 沖田はお珠と結婚を誓い合うようになった。しかし、維新志士側が新撰組の行動を先読みすることが多くなり、新撰組の隊士は「密偵がいる」と騒ぎ立てるようになる。
 沖田は密偵騒ぎの最中で、お珠とデートを行うようになった。
 ある日、沖田はお珠に会いに江戸へ出向くが、そこでお珠が長州藩の志士と頻繁に連絡を取り合っており、沖田はお珠が長州藩の密偵である事に失望した。

沖田「お珠と出会った事でおれは始めて命の尊さと言うのを学んだ。だが、お珠!何故キミは長州藩なんだ!?」

 沖田は考え込んだ末、お珠を誑かした長州派維新志士を斬り殺すと決意。そして沖田は長州藩最大の志士 高杉 晋作を殺すことを誓ったのであった……

 “山之辺マサト”として永遠に行き続ける業を背負わされるという宣告を受けた沖田 総司は、次第に人斬りに疑問を抱き、酒もぱったりと止め、刀を手にしなくなっていったのであった。

 と、妄想「火の鳥 大地編 新撰組の章」の沖田と火の鳥のやりとりを、火の鳥の未来編と鳳凰編の画像を合わせて書きました(角川書店、虫プロその他手塚 治虫関係者の方々には申し訳ないが)。