オレのブログ

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幻の「火の鳥 大地編」を想像してみた (番外編)

2015-07-25 19:25:19 | マンガ
 妄想「火の鳥 大地編」の第3章。

 手塚 治虫先生に申し訳ないけど、「火の鳥 大地編」を妄想せずにいられないので、ご勘弁を下さい。
 後、未来編のネタバレも若干含まれますので、もしまだ「火の鳥 未来編」読んでいないと言う方がいらっしゃいましたら、この記事は見ないようにして下さい。

 山之辺マサトがキャスティングされた沖田 総司であるが、殺戮を続け、新撰組から恐怖の存在として恐れられる。
 たまたま沖田 総司にキャスティングされた山之辺マサトだが、実は「山之辺マサト」こそ沖田 総司の未来の姿であり、沖田は1868年の死から千何百年経った3383年に「山之辺マサト」として生まれ変わるのであった。

 赤子や動物への殺戮を重ねる沖田 総司に火の鳥は、沖田の前に現れて、自分の行った行為を非難する。
 そして火の鳥が総司の前に現れ、「沖田 総司よ。あなたは多くの命を奪い続け、そして人々を恐怖に陥れた」と告げる。しかし、沖田はそれでも自分の行いを正しいと言って聞かない。

 剣術の訓練として鳥や犬と言った獣を斬り殺し、赤子ですら手をかける沖田 総司だが、冷酷で残忍な性格から他の隊士から恐れられ、新撰組でも孤立していった。
 そんな孤独を紛らわそうと、沖田は酒に逃げるようになり、正月の時ですら、沖田は酒ばかりを飲んでいたのだった(沖田 総司のキャラ壊してるよ……)。

 そんなある日の道場にて、沖田は何時ものように酒をかっくらう日々を送っていた。
 と、突然声が聞こえてきた。

沖田「?!気配?誰だ!市居の者は新撰組の道場、出入り禁止の筈だ!」
 刀を手にとって外へ出ると、その目の前に火の鳥がいた。
沖田「ふん!鳥か!」
火の鳥「総司よ、沖田 総司よ!」
沖田「?!人の声だ!密偵か?!出て来い!新撰組に忍び込むとはいい度胸だ!この刀で斬り倒してやるぞ!」
火の鳥「そこには誰もいませんよ、総司。」
沖田「鳥が喋った!?」
火の鳥「沖田 総司よ。あなたはまた、命を殺めたそうですね?」
沖田「命を?!ヘッ!今日も18人斬り殺してやったさ!奴等は幕府に逆らう不満分子だからな!」
火の鳥「だからって命を殺める理由になりますか!?」
沖田「殺しでもしないと市居の奴等はつけあがって来る!見せしめに斬り殺さなければ幕府は潰れるんだ!」
火の鳥「しかし、あなたは鳥や犬、動物さえも斬り殺しました。」
沖田「畜生を殺して何が悪い!剣術を上げる為に畜生を殺すぐらい、誰だってやらぁ!」
 沖田と火の鳥の口げんかの末……
火の鳥「総司よ。あなたにいい物を見せてあげましょう!?」
沖田「え?!って、ここは?!」

 火の鳥は沖田の行いを戒めようと「未来編」の舞台である3304年の世界に連れて行き、ライオンやゾウは勿論の事、クマや犬、猫すら絶滅していた滅びの世界を見せて行く。
(火の鳥 未来編より)


火の鳥「これは2000年後に経った世界です。人間達の愚かな行動によって動物達は絶滅し、僅かな小動物と草、そして人間だけが生き残ったのです。人間は自らの権威の為に生き物を殺してき、そして絶滅に追い込んでまで自らの身を優先しようとしたのです。そう、沖田 総司。あなたが生命を殺め続けたように……。」
 この様子に沖田は身を凍らせたが、火の鳥は沖田をメガロポリスヤマトへと連れて行き、山之辺マサトの所へと連れて行った。自分に似たマサトに沖田は驚愕した。



沖田「!?何だ、こいつ!これ……おれ!?」
火の鳥「この青年の名前は“山之辺マサト”と言います。彼は電子頭脳“ハレルヤ”の命令の下でムーピーを次々と殺してき、そして人を殺し続けて行ったのです。」
沖田「俺とそっくりだ!顔まで似ていて行動まで似ているなんて!」
火の鳥「この山之辺マサトは、沖田 総司、あなたの未来の姿なのです。」
沖田「俺の未来!?」
火の鳥「あなたは近いうちに死にます。別の生物に生まれ変わり続けます。しかし3383年(3404年時点で23歳っぽいから、適当に付けた)にあなたは“山之辺マサト”として生まれ変わります。」

 マサトがロックと接触したのを見ると沖田は驚愕する。

沖田「こいつは逆賊の大久保!」
火の鳥「彼は“ロック”と呼ばれています。彼もまた、大久保の生まれ変わりなのです。“マサト”は彼に従事しました。」
沖田「よりによって逆賊の大久保なんかの下で働かされるなんて、たまったもんじゃない!あの野郎の顔は見るだけでも吐き気がする!叩き切ってやる!」
山之辺「第75ブロックで発見したムーピーと思わしき生命体ですが……。」
ロック「鑑定の結果、ムーピーと判明した。始末しろ、山之辺。」
山之辺「しかし、飼い主が抵抗しています!」
ロック「抵抗する場合、飼い主ごと殺せ。場合によっては家族も一緒だ。」
山之辺「しかし、飼い主の家族には赤ん坊も……。」
ロック「見せしめに丁度いい。ハレルヤの計算では一家全員殺せと出ている。命令に従え!」
沖田「ハレルヤって!?こいつ等の殿様か?変な名前だなぁ!」
火の鳥「人類が作り上げた、電子頭脳です。人類は自らの頭で考える苦しみから逃れるため、電子頭脳を作り上げて、ハレルヤの計算に従ったのです。」
沖田「……でも赤子まで手をかけるなんて……大久保より冷酷だな!おれでも吐き気がするぜ!“ロック”って言う大久保そっくりの男、そのハレルヤって言う殿様の言う事を聞くのか?こんなのを見て、父上や母上とかが見てたらどう思うんだろうか!」
火の鳥「彼は“ハレルヤ”が選んだ精子と卵子によって生み出され、人工チューブの中で生を受けたのです。」

沖田「鉄の塊から産まれたって!?信じられないな……。」
火の鳥「100年後に試験管で子供が作られ、そして時が進んで、機械から子供が生まれるのです。」
沖田「でも、鉄の塊から産まれたんだから、こいつも冷酷なわけだ!人間の感情が全くない!」

 人斬りを正義と言う概念を曲げない沖田に、火の鳥は今度は猿田博士のドームへと連れて行った。

沖田「この鼻の醜く膨れ上がった爺さんは!?芹沢か?!」
火の鳥「彼は“猿田博士”です。」

沖田「薩摩の猿田も鼻が醜く膨れ上がっているが……猿田って言ったら、大久保や坂本、西郷と言った逆賊の首領で、幕府を倒そうとしている危険人物だ!」
火の鳥「猿田博士は滅んだ生命を復活させようと必死になっているのです。合成生物を作って生命を復活させようとしました。」
沖田「つまりこのジジィ、畜生を作っているって訳か?」
火の鳥「しかし、外気に触れた生命は溶けていき、生き物の復活には至りませんでした。」

沖田「死んだ!?」
火の鳥「合成生物は外気に触れると体が溶けて死んでしまうのです。」
沖田「猿田も討幕を企てているみたいだが……逆賊の子孫の作った獣なんて、出来損ないに決まってらぁ!無駄な努力だな。人間が神になれるなんて、出来るわけがない!」
火の鳥「そして、あなたはタマミと言う女性を殺させまいと、メガロポリス・ヤマトから脱出しました。当然命令に背き、メガロポリス・ヤマトから逃げ出し、追われる事になりました。」
沖田「つまり脱藩したって訳だろ?!脱藩は死罪と言うからけど……しかし、おれが脱藩した理由が、タマミって言う女の為だけに?こんな情けない理由の為に脱藩するなんて……こんなのおれじゃないよ。」

沖田「しかし、何だこの世界は?!木が全くないじゃないか!獣も一匹も見当たらないし……これ、本当に日本か?!……まるで賽の河原だ!真っ先に地獄でもありそうだ。」
火の鳥「紛れもなく日本です。そして、あなたが今住んでいる所の、1500年後の世界です。破壊され尽くした末になり果てたのです。そしてあなたはその世界を作ろうとしているのです。」
沖田「おれが……こんな地獄のような世界を!?」


火の鳥「そして時が経ち、ヤマトとレングードはいさかいが起こって決裂します。戦争になったのです。」
沖田「まるで幕府と薩長だな。この間維新志士を斬ってやったが……血生臭い戦争でもやるんだろうかねぇ?!」
マサト「アーメン。」
沖田「何だ、こいつ!?目を背けやがったぞ!人が死ぬのがそんなに怖いか!?……こいつ、本当におれか?!」
火の鳥「紛れもなく貴方です。」
沖田「で、ヤマトとやらの連中はどうなるんだ!?剣を手にとって殺し合いでもやるのか?!見たところ、レングードってやらの剣客みたいな奴等がまわりにいないが……メガロポリス・ヤマトの藩士……みたいな人か?!そいつを暗殺したりと荒れるだろうなぁ……。おれ達新撰組と維新志士が殺し、殺しあうように……。」
火の鳥「一瞬で消え去りました。」
沖田「!?一瞬で!?ありえない!経った一瞬で100人が消えるってか?!妖術でも使わない限り無理だ、そんなの!」
火の鳥「しかし、100年後、人類は核爆弾と言うものを手に入れたのです。それから戦争で使用されるようになるのです。これ2発だけで、20万もの命が一瞬で消えるのです。そして、その核爆弾で……ヤマトとレングードは消滅し、千万もの人々は全て灰燼に帰したのです。」
沖田「……何て事だ!たった一発で?!」


沖田「……気が狂っている!こいつ等!自分まで殺してしまうなんて!ハレルヤって殿様は乱心してる!こんな主君に黙って殺されるなんて……誰か乱心を止めれる者はいなかったのか!?」
火の鳥「ハレルヤに背くものは追放され、そして殺されたのです。メガロポリスは貴方達の想像をはるかに超える管理社会を敷いたのです。ですから、彼等は電子頭脳が全て正しいと信じ切っているのです。電子頭脳に全てを委ね、それで自らを滅ぼしてしまいました。」
沖田「……バカな連中だ!自分の頭で考えればよかったのを……!」
火の鳥「ヤマトとレングードの争いは、ユーオークやピンキング、ルマルエーズにまで達し、爆弾を仕掛けては全生命を絶滅させていったのです。」

沖田「どういう事だ!?何の関係もないユーオークとかまで巻き込んで?!」
火の鳥「ヤマトやレングードは、ユーオークやピンキング、ルマルエーズもどちらかの同盟と見なされたのです。だから小型核爆弾をユーオークとかに仕掛けて、彼等も巻き込み、そして人類は絶滅したのです。あなたは新撰組として、薩長に味方した者を殺してきましたが、それと同じです。」
沖田「おれがやったのと同じ……?」
火の鳥「地球上の人々は死に絶えました。しかし、総司。貴方だけが生き残るのです。人類が絶滅し、猿田やロック、タマミ等一緒にいた者も死んでいく中で、あなただけは永遠に生き続けて、5000年、1万年と生き続けるのです。」
沖田「永遠に行き続けるって……そんなのムリに決まってるだろ?人間、50年すれば必ず死ぬんだぜ!?長くても100年だ!亀でも1000年はムリだ!1000年も生きるなんて、火の鳥の生き血を飲まない限り……?!まさか!?」
火の鳥「そうです。私がマサト……あなたに、永遠に行き続けるようにしたのです。人類も動物も草も……細菌ですらも滅んだ世界で、あなたは死ぬ事が出来ず、ただ地球上で一人生き続けるのです。」
沖田「……まさに無間地獄だ!」


 と、火の鳥は今度は、1万年目のマサトの所へと連れて行く。

火の鳥「それから一万年が経ちました。」
沖田「一万年!?この爺さんは……もしかしておれ?!」
火の鳥「髪が白くなり、顔も老けていきますが、それでもあなたは死ぬ事が出来ないのです。」
沖田「一万年も……!」
火の鳥「彼は孤独にさいなまされ、ロボットや合成生物を作るようになりました。しかし、それも失敗し、更に孤独に苛まされるのです。」
沖田「合成生物って、あの猿田って逆賊子孫のジジイが作っていた、獣の出来そこないか?!おれも作るのか?!なら成功するはずだが……。」

沖田「死んだ!?成功したんじゃないのか?!」
火の鳥「合成生物はあなたでも失敗するのです。」
沖田「……酷い!これじゃ最初から死んでるも同然だ!一万年もこれでは気がおかしくなるよ!火の鳥!お前は平気な顔をしているなぁ!何故こんな事を平気で強いる!生かして無間地獄に陥れるなんて……狂ってる!お前は妖怪だ!悪鬼の妖怪だ!」
火の鳥「生まれてきた命を殺めるあなたにそう言う事が言えるのかしら?あなただって命を殺めてきたのでしょ?無間地獄といいましたよね?貴方は無間地獄に落ちるようなことをしてきたのです!」
 そして、今度は鳳凰編に移る

沖田「こいつも芹沢そっくりだな。片腕が無いぞ。」

火の鳥「我王と言います。彼も村人から忌み嫌われ、その境遇に悲観して人を殺し続けました。」

沖田「我王って奴か?こいつだって人を殺し続けたんだろ!?おれを責めるんなら、こいつだって……。」
火の鳥「しかし、虫や動物には手をかけませんでした。僧侶と出逢った事で、命の大切さを知るようになっていったのです。」

火の鳥「しかし、あなたは人どころか虫や動物すら手をかけ、それを誇っているのです。マサトは数万年も孤独に苛まされますが、あなたへの生き物への罰をも兼ねて、無限の孤独に苛ますのです。あなたのような人間が、生命の絶滅を招いたのです。あなたが殺しを続けるのであれば、あなたはその分無限の孤独に苛まされ、生命が復活するまで、あなたは永遠の罰を受けるのです!」
沖田「待てよ!俺はただ幕府の為に刀を振い続けただけだ!そんな罰を受けるなんて……!」
火の鳥「それは避けられない運命なのです。」
沖田「おれは1000年も経った後で、“山之辺 真人”とやらとして生まれ変わって……それで全ての生物が死に絶えた後で何万年も……何億年も生かされると言うわけだろ!?つまりおれは…無間地獄へ落ちると言う事か!?」
火の鳥「そうなります。」
沖田「じょ、冗談じゃない!人間も、獣も、何もかもいなくなって、おれ一人だけ生きて苦しむなんて……無間地獄に落ちるって事だろ!?おれは嫌だ!無間地獄に行くのなら、死んでしまった方がまだマシだ!」
火の鳥「しかし、貴方は生まれ変わっていき、やがて“山之辺マサト”として、永遠に行き続ける罰を受けるのです。あなたは生き物として許されない行為を行ったのです。1000年後に、その審判が必ず下るのです。」
沖田「死んでも生まれ変わって、無間地獄へ落ちるのか?!どうすればいい!?何をすれば許される!?おれは……全ての生命が死に絶えた後に万年行き続ける無間地獄をどうしても受けなければらないのか?!答えてくれぇ!火の鳥よ!」

 朝になり、道場で眠っていた沖田は目を覚まし、未来の自分が味わった苦しみを胸に焼きつかせていった。
 そしてある日。沖田の目の前に「お珠」と言う女性が現れた。お珠は沖田が“山之辺マサト”として生まれ変わった時に連れていた女性タマミにそっくり(名前も珠美だった)で、最初は女に興味のなかった沖田は、次第にお珠と付き合うようになる。
 そしてお珠は沖田を山に連れて行き、我王が作って行った仏像を見るようになった。そして沖田は次第に心を改め、自らの行いを悔むようになった。
 沖田はお珠と結婚を誓い合うようになった。しかし、維新志士側が新撰組の行動を先読みすることが多くなり、新撰組の隊士は「密偵がいる」と騒ぎ立てるようになる。
 沖田は密偵騒ぎの最中で、お珠とデートを行うようになった。
 ある日、沖田はお珠に会いに江戸へ出向くが、そこでお珠が長州藩の志士と頻繁に連絡を取り合っており、沖田はお珠が長州藩の密偵である事に失望した。

沖田「お珠と出会った事でおれは始めて命の尊さと言うのを学んだ。だが、お珠!何故キミは長州藩なんだ!?」

 沖田は考え込んだ末、お珠を誑かした長州派維新志士を斬り殺すと決意。そして沖田は長州藩最大の志士 高杉 晋作を殺すことを誓ったのであった……

 “山之辺マサト”として永遠に行き続ける業を背負わされるという宣告を受けた沖田 総司は、次第に人斬りに疑問を抱き、酒もぱったりと止め、刀を手にしなくなっていったのであった。

 と、妄想「火の鳥 大地編 新撰組の章」の沖田と火の鳥のやりとりを、火の鳥の未来編と鳳凰編の画像を合わせて書きました(角川書店、虫プロその他手塚 治虫関係者の方々には申し訳ないが)。


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