平太郎独白録

国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し、独自の歴史観で語ります。

ムシャラフ大統領のアジアにはアジアの事情が御座る 2

2007年11月15日 | 国際問題
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

あ、ちなみに、この「大統領との晩餐」という番組では、ムシャラフ大統領も、大統領の老母も、インタビュアー評論家も、み~んな、流暢な英語を話していたのには、何だか、少し違和感を感じました。
まあ、元々、インドと同じ、イギリスの植民地だったのでしょうから、別に、不思議ではないのでしょうが・・・。

さておき、この番組の中で、私が、一番、ムシャラフ大統領を評価した部分がありました。
まず、大統領によれば、現在のパキスタン情勢を知るには、1984年ソ連アフガニスタン侵攻まで遡る必要があるとのことで、このとき、ソ連軍と戦った人たちには4種類に分けられたと言います。
まず、1つめはアフガニスタン人
2つめが、世界中から集まったイスラム戦士、ムジャヒディン・ハルク。(この中に、ビンラディンもいたと。)
3つめが、イスラム神学校兵士
4つめが金で雇われた傭兵たちだったと。
(私は、一応、全部知ってはおりましたが、正直言って、2と3の区別が付いておりませんでした。どう違うのかは、イマイチ、わかりませんが。)

そして、彼らはソ連撤退後も激しい内線を繰り広げ、その結果、400万人難民がパキスタンに押し寄せたが、その中に、ムジャヒディンたちも紛れ込んでおり、やがて彼らはパキスタンの方が住みやすいことに気づいたと。
ムシャラフ大統領が極めて高い政治感覚を持っていると思ったのは、こういう情勢分析をした後、それに対し、きちんとした定見を持っていたことです。
大統領は言いました。
「だから、私は大多数を占める貧しい人々から過激派を遠ざけたいのだ」と。

つまり、いきなり、難民の中に紛れ込んでいる過激派を手荒く一掃しようというのでも、いきなり、国民すべてに教育を施し、今日にも貧困から抜け出させようというのでもなく、徐々に徐々に改革を進めていく間、とにかく、貧困層が、過激派によりアジられないように隔離しよう・・・というもので、これは、極めて、現実的な感覚であり、物事を良く理解している人の発言だと思います。
大統領としては、隣国・イランで、急激に近代化を推し進めようとして宗教勢力により追放されたパーレビ国王の轍を踏まないようにというものがあるのでしょうが、現状はそのパーレビと同じ所へ追い込まれているような観があります。
国民は急激な近代化にも拒絶反応を示す反面、一刻も早い救済を求める物だということも理解する必要があるでしょう。

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