親愛なるアッティクスへ
混迷を深めるパキスタン情勢ですが、ついに、軟禁中の野党パキスタン人民党総裁・ブット前首相がムシャラフ大統領の辞任を求める声明を出したそうですね。
元首相の暗殺未遂に自宅軟禁(・・・と言いますが、暗殺しようとしたのは知事だとはブット氏自身も言ってましたけどね。もっとも、背後に大統領が居るのかどうかはわかりませんが。)、さらに、先の大統領当選に無効判決を出そうとした最高裁長官の更迭、そして、非常事態宣言と来て、「来年1月8日までに総選挙を実施」との方針を明らかしたものの、ますます、立場を悪くしていくムシャラフ大統領・・・ですが、実は、私は、このムシャラフという人は現代世界の指導者の中でも高く評価している人物でもあります。
彼は、軍出身の大統領でもあり、参謀総長時代には、核を持ったら、すぐに、宿敵・インドに戦争を仕掛け、あわや、核戦争勃発・・・ということになって、アメリカから、「世界を滅ぼす気か!」と言われ矛を収めるなど、少し、短絡的なところもある人物ですが、しかし、少なくとも、大統領就任後は、彼がやっていること、言っていること・・・というのは、極めて、当を得た物であるような感じがします。
9.11以後の対応などは、感情論に走ろうとする世論に迎合することなく、極めて、現実的な判断を下したと思いますし、その後の対応も間違っていなかったと思います。
で、元をたどれば、ムシャラフ大統領の立場の悪化は、アメリカの肩を持ったことに始まるのでしょうが、この点で、先日、BSで「大統領との晩餐」という、パキスタンのジャーナリストとムシャラフ大統領とが食事しながら会談するという番組の中で、彼は、実に興味深いことを言っていました。
まず、「社会を変えたければ急転換を強いてはいけない」と。
この点は、「国民は心情的に急な改革を恐れる」とは、確か、司馬遼太郎さんがどこかに書いておられた言葉だったと記憶しておりますが、これは、まったくもって一面の真実を言い表していると思います。
特に、現在のパキスタンのように、ムシャラフ大統領曰く、「国民の大多数は読み書きが出来ない。そして、貧しい」と言われる国は、なおのことで、曰く、「社会は段階を踏んで変わる物。指導者は、そこを理解しつつ改革を進める必要がある」ということなのでしょう。
さらに、同番組では、評論家か誰かが、「これまでの政治家が宗教に迎合してきたのに、彼はそれをやらないから抵抗に遭う」ということを言ってましたが、この点では、彼は、隣国・イラン型の宗教国家化を押しとどめるには・・・、いや、イスラム国家が正常な国家運営をするためにはムスタファ・ケマルが創始した「政教分離を軍が監視する」というトルコ方式しかない・・・と考えているのではないかと思えます。
(参照:平太郎独白録 : トルコ建国の父、満点・アタチュルク!)
それら諸々を考えれば、彼が軍を掌握するということは、彼としては、そのためには当然のことであるともいえるでしょうか。
この点は、パキスタンにも、その辺のムシャラフという人の見識の確かさを評価している人もいないではないようで、その評論家氏は、最後に、「知的アピールを持っているのはこの国では彼一人だ」とも言っていました。
かなり、自虐的なコメントだとは思いますが、一面、真実を表しているようにも思えます。
毎度、言っていることですが、「欧米には欧米の都合が御座ろうがアジアにはアジアの事情が御座る」ということですね・・・。
日本も含め・・・。
明日に続く・・・と思います。
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混迷を深めるパキスタン情勢ですが、ついに、軟禁中の野党パキスタン人民党総裁・ブット前首相がムシャラフ大統領の辞任を求める声明を出したそうですね。
元首相の暗殺未遂に自宅軟禁(・・・と言いますが、暗殺しようとしたのは知事だとはブット氏自身も言ってましたけどね。もっとも、背後に大統領が居るのかどうかはわかりませんが。)、さらに、先の大統領当選に無効判決を出そうとした最高裁長官の更迭、そして、非常事態宣言と来て、「来年1月8日までに総選挙を実施」との方針を明らかしたものの、ますます、立場を悪くしていくムシャラフ大統領・・・ですが、実は、私は、このムシャラフという人は現代世界の指導者の中でも高く評価している人物でもあります。
彼は、軍出身の大統領でもあり、参謀総長時代には、核を持ったら、すぐに、宿敵・インドに戦争を仕掛け、あわや、核戦争勃発・・・ということになって、アメリカから、「世界を滅ぼす気か!」と言われ矛を収めるなど、少し、短絡的なところもある人物ですが、しかし、少なくとも、大統領就任後は、彼がやっていること、言っていること・・・というのは、極めて、当を得た物であるような感じがします。
9.11以後の対応などは、感情論に走ろうとする世論に迎合することなく、極めて、現実的な判断を下したと思いますし、その後の対応も間違っていなかったと思います。
で、元をたどれば、ムシャラフ大統領の立場の悪化は、アメリカの肩を持ったことに始まるのでしょうが、この点で、先日、BSで「大統領との晩餐」という、パキスタンのジャーナリストとムシャラフ大統領とが食事しながら会談するという番組の中で、彼は、実に興味深いことを言っていました。
まず、「社会を変えたければ急転換を強いてはいけない」と。
この点は、「国民は心情的に急な改革を恐れる」とは、確か、司馬遼太郎さんがどこかに書いておられた言葉だったと記憶しておりますが、これは、まったくもって一面の真実を言い表していると思います。
特に、現在のパキスタンのように、ムシャラフ大統領曰く、「国民の大多数は読み書きが出来ない。そして、貧しい」と言われる国は、なおのことで、曰く、「社会は段階を踏んで変わる物。指導者は、そこを理解しつつ改革を進める必要がある」ということなのでしょう。
さらに、同番組では、評論家か誰かが、「これまでの政治家が宗教に迎合してきたのに、彼はそれをやらないから抵抗に遭う」ということを言ってましたが、この点では、彼は、隣国・イラン型の宗教国家化を押しとどめるには・・・、いや、イスラム国家が正常な国家運営をするためにはムスタファ・ケマルが創始した「政教分離を軍が監視する」というトルコ方式しかない・・・と考えているのではないかと思えます。
(参照:平太郎独白録 : トルコ建国の父、満点・アタチュルク!)
それら諸々を考えれば、彼が軍を掌握するということは、彼としては、そのためには当然のことであるともいえるでしょうか。
この点は、パキスタンにも、その辺のムシャラフという人の見識の確かさを評価している人もいないではないようで、その評論家氏は、最後に、「知的アピールを持っているのはこの国では彼一人だ」とも言っていました。
かなり、自虐的なコメントだとは思いますが、一面、真実を表しているようにも思えます。
毎度、言っていることですが、「欧米には欧米の都合が御座ろうがアジアにはアジアの事情が御座る」ということですね・・・。
日本も含め・・・。
明日に続く・・・と思います。
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