はとるのメモ帳

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魂の盗人

2007-01-19 18:59:21 | 映画とかドラマとか音楽とか
永遠の戦士エルリック4「ストームブリンガー」に筆頭に収録されている短編です。
本書には他に「闇の三王」「忘れられた夢の隊商」「ストームブリンガー」の
計4編が収録されています。

なお、旧訳版では「黒き剣の呪い」として
「魂の盗人」「闇の三王」「忘れられた夢の隊商」および外伝として
赤き射手ラッキールが主人公の「エピローグ タネローンを救うために……」という
形で刊行されました。
(「忘れられた夢の隊商」の旧訳版のタイトルは「炎の運び手」でした)
本書の原題は「THE BANE OF THE BLACK SWORD and STORMBRINGER」なので
「タネローンを救うために……」はどこに行ったんだろう…。

 キャラクター相関図です。
 今回の話で重要なのは、エルリック、セレブ・カーナ、イシャーナの三角関係です。



黒き剣=ストームブリンガーなのはお分かりだと思います。
呪いとは使用者の意思とは無関係に殺したくない相手を殺してしまうこと、が
メインですが、切っても切り離せない関係にあるのも呪いの一つです。

あらすじ(ネタバレ注意)『

タネローンを出てムーングラムと二人で旅に出たエルリックはバクシャーンに来ていた。
商業都市バクシャーンで、4人の商人から仕事を依頼される。
自ら危険を顧みず商品を仕入れて安売りする商人ニコーンが目障りなので
なんとかして欲しいと。話の中でニコーンにセレブ・カーナが手助けしていることを知る。
エルリックはセレブ・カーナを倒す為に承諾する。
一方、セレブ・カーナはジャーコル女王イシャーナを呼び寄せていた。
ニコーンの城砦内で話をするもイシャーナは取り合わない。
エルリックは、ニコーンの城砦に少人数で仕事をするのは無理だと判断し
近くに来ていたかつてのメルニボネ人(現在は傭兵をしている)の一隊に助力を請う。
一隊を指揮していたダイヴィム・トヴァーは、一度は難色を示すが
以前仲間をセレブ・カーナに殺されたことがあるために共通の敵を倒すということで
協力することになる。一隊を率いてニコーンの城砦に向かうが
セレブ・カーナは魔力で襲撃を予知、エルリックに刺客の魔物を向かわせる。
魔法で呼び出された魔物クォルナルグンを撃退できるのは魔剣を持ったエルリックだけ。
エルリックは単身、クォルナルグンを撃退するがその隙にセレブ・カーナに魔法を掛けられ
気を失い、捕らわれの身となる。セレブ・カーナはエルリックの魔剣を取り上げる。
ニコーンは害を成さないことを条件にエルリックを釈放する。
魔剣を失ったエルリックは、ムーングラムに城に潜入してもらい剣を取り戻す。
魔法で疲労困憊のセレブ・カーナはムーングラムに説得されたイシャーナに
剣を封印した戸棚の鍵を渡してしまったのだった。
魔剣を取り戻したエルリックは風の王を召喚する。
目覚めたセレブ・カーナは対抗して火の王を召喚する。風の王と火の王の戦いが始まる。
一方、エルリックの一軍は城砦を攻め、門を破り城砦に突入する。
ニコーンだけは殺さないことが軍に出ている指令だった。
その戦いの最中、ニコーン軍に討たれてダイヴィム・トヴァーは命を落とす。
セレブ・カーナの魔力では風の王に対抗する火の王を召喚するには力が足り無すぎた。
召喚の代償にセレブ・カーナの体は背は屈まり捻じれていた。
エルリックは魔剣をセレブ・カーナの頭蓋に突き立てる。
そこにニコーンがやってくる。約束が違う、とエルリックに剣を振るうニコーン。
自分を助けてくれたニコーンを殺したくないエルリックは防戦に回る。
しかし、魔剣が手の中でうなりニコーンの心臓と貫く。
城砦を落としたエルリックとムーングラムはバクシャーンで待つイシャーナの元に向かう。
バクシャーンではニコーンの城砦の次は街の番だと恐れ慄いていた。
助けてもらう為に金銀宝物(4人の商人に払わせた)をエルリックに差し出す街の人々。
約束でイシャーナと元通りの仲となるというのが剣を取り戻した時の条件だった。
エルリックは約束は守ると言う。財宝の分け前に預かるムーングラムやメルニボネの一軍。
しかし、エルリックは財宝には目もくれない。ムーングラムとイシャーナは街の外で追付く。
バクシャーン市内では太陽が赤く輝き、竜めいた影がその前を通り過ぎどこかに消えていった。



ついに宿敵セレブ・カーナとの対決に決着がつきます。
魔物を呼び出すことは出来ても、精霊を呼び出すには力がエルリックよりも劣っていました。
ここでの力とは事前の準備となる契約や魔法知識ですが。

セレブ・カーナとエルリックの対立の原因の一つがジャーコル女王イシャーナです。
彼女は魔力めいた魅力溢れる女性として描かれています。
その魅力に取り付かれたセレブ・カーナはなんとか振り向いて貰おうとします。
一方、イシャーナはエルリックを愛してしまいます。
今回の話でイシャーナはセレブ・カーナに以前(歌う城砦)で
エルリックと愛し合ったことを話します。
当時、エルリックにそんな余裕があったか微妙ですがw

さて今回の話で剣の呪いの犠牲となるのは商人ニコーンです。
自分自身で仕入れルートを開拓し安売りする。
エルリックの命を助ける。そして剣の使い手。立派です!
エルリックが殺そうとせずに魔剣ストームブリンガーの手に掛かって死んだキャラでは
(「この世の彼方の海」の)アヴァン・アストラン公爵、婚約者サイモリルに続いて
3人目ですが、話に出てこないだけでもっと多くの人が死んでいると思われます。
そして、今後も多くの知人が犠牲になることでしょう。

次回「闇の三王」
エルリックは遂に!運命の女性とめぐり合います。


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