さすらいの青春(419)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
———————【419】————————————
Il se hâta vers le bâtiment principal,
car il avait faim. Dans la grande salle
où il avait dîné la veille, une paysanne
mettait le couvert. Dès que Meaulnes se
fut assis devant un des bols alignés sur
la nappe, elle lui versa le café en
disant:
« Vous êtes le premier, monsieur. »
..————————(訳)—————————————
彼は母屋へと急いだ.空腹だったのだ.昨夜食事
を取った大広間で、ひとりの農家の女性が食卓の配
膳をしていた.モーヌがテーブルクロス上にセット
された食器類の前に腰掛けるとすぐに、彼女はモー
ヌにコーヒーを注いでやってこう言った:
「若旦那さん、あんたが最初の客だよ.」
————————《語句》————————————
se hâta:(直単過/3単) < se hâter
†hâter [アテ] (他) 早める、急がせる;
se hâter:(pr) 急いで行く
paysan, ne:[ペイザン, ペイザンヌ] (n) 百姓、農民
couvert:(m) ❶食器用具、食器一式;
mettre le couvert / 食器を並べる、食卓を整える.
❷(1人分の)食器ひと揃え
bol:(m) お椀、茶碗、鉢、湯呑茶碗
alignés:(p.passé/pl/m) < aligner (他)
aligner:(他) 並べる、1列に並べる、整列させる.
nappe:(f) テーブルクロス
versa:(直単過/3単) < verser (他) 注ぐ、つぐ、
こぼす
le café:注がれるコーヒーには部分冠詞をつけるのが
普通だがここでは定冠詞.ポットからコーヒー
カップに注ぐのはポットの一部が注がれるので
部分冠詞のはずだが、ポットのコーヒーすべて
を注いだのかも知れない.(それでも文法はdu )
たとえば魚をまる1匹たいらげてもdu poisson
であって、le poisson にはならない.
本題に戻るが、ここの定冠詞は「コーヒーなる
ものを注いだ」のニュアンスが込められている
のでしょう.
en disant:(ジェロンディフ) コーヒーを注ぎながら言った
のですから、理屈をこねると、verser のほうを
en versant にして、こちらはdit なのだが、言
葉の習慣なので、このまま受け入れましょう.
訳をつけるなら、コーヒーを注ぎながらこう
言った;「若旦那さん、あんたが1番客だよ.」
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